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注意する

あるお母さんが,子供のおやつの支度をしていました。子供はおなかがすいでいたので、早く食べたかったのでしょう。「早く、早く」とせかしています。お母さんは急いで支度をしていましたが、その「早く、早く」ということばにだんだん腹がたってきました。別に意地悪をしておそくしているわけではありません。急いで支度をしているのです。でも子どもは「早く」とせがみます。どうしてがまんができないのだろう、お母さんは子どものところに行って「我慢しなさい」と怒ってしまいました。子どもはびっくりしてしまい、泣き出しました。せっかくのおやつが台無しです。

こういうことは日常、おこりがちなことです。この場合「がまんしなさい」と子どもをしつけることは大事なことです。お母さんが急いで支度をしているし、ちょっと待てばおいしいおやつを食べられるのですから。相手の気持ちにたって行動するということは、とても大切なことですね。ところが怒ってしまったことで、せっかくのしつけが台無しになってしまいました。なぜでしょうか?子どもが聞いていないからです。

大人が怒るということは、子どもにとってはとても怖いことなのです。「しまった」という気持ちから恐怖感へ心理状態が移ってしまうと、もう人のいうことは聞けません。早くこの恐怖の時間が過ぎてほしいと願うだけになってしまうのです。自分を守ること、自分を傷つけないようにすることに注意が向かいます。ですから、子どもはなぜ注意されたのか、理解しないまま終わる場合が圧倒的に多いのです。

子どもをしつけること、これは大切です。ただ子どもがその通りにならないからというだけで怒っていたのでは、ただお母さんの感情のはけ口になってしまうだけです。ですから注意する以上、子どもが納得するように注意することが一番大切です。子どものすることに腹がたつことはよくあります。しかしそれを感情だけで怒るのでは子どもには何も通じていません。ただ怖いだけですし、何が悪かったのかすらわからないかもしれないのです。

ではどうしたらよいでしょうか。まず、子どもが冷静に聞ける状況を考えます。ちゃんとお母さんと1対1で話す状況を作ります。テレビなんか見ててはいけません。そして、問題の行動について、本人の考えをたずねてください。どうしてそういうことをしたのか。はっきりいえば、多くの場合子どもは何の考えも特に持たないでやっていることが多いのです。その結果として、それをほかの人がどう思い、どう感じるかは、教えてあげなければいけません。もちろん自分がそういう経験を積んで、いやな思いをすれば、他人に対してそういうことはやめようと思うのです。しかし子どもにはそれだけの経験もありませんし、まだ知恵も回らない場合が多いのです。ですから教えてあげる必要があるのです。

教える以上、次に間違わない教え方が必要です。親のフラストレーションを爆発させることが目的ではありません。子どもにそういうことをさせないようにすることが目的です。昔は回りの大人が厳しかったので、母親が注意する前に、となりのおじさんに怒られていました。しかし、最近の都市では核家族化が進み、近所ともそれほど近い関係を持っている家は少ないので、いきおい子どもが注意される経験は少なくなっています。だから、親が教えなければいけない場面は多いのです。結果を出す注意の仕方をぜひ工夫してください。


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