私が座禅を始めて、宇宙のことを色々と考え始めたのは、「無」のイメージを行ったときからです。 長く吐く呼吸を行いながら、宇宙ロケットから地球を眺めながら、次第に離れていくイメージを行ったときです。
宇宙ロケットから地球を見る映像を思い出します。 大きく見える地球を眺めると、茶色い大地と青い海、そして白い雲が見えます。 地球から少しずつ離れていきます。 するとバスケットボールぐらいの大きさに見えます。
更に離れていくとソフトボールぐらいの大きさに見えます。 更に離れていくとピンポン玉ぐらいの大きさに見えます。 更に離れていくと点にしか見えなくなります。
更に離れていくと、今度は何も見えなくなり、気がつくと真っ暗闇の広大な宇宙に、自分ひとりがポツンといます。 すると耳が子供の頃に水の中に潜ったときに感じる、「シーン」という状態になります。
私は広大な宇宙に、見えるか見えないか小さな自分がいるという、 殆ど「0」に近い状態をつくることによって、ちょっと特殊な状態がつくりだされることを感じました。
それ以来、宇宙について考えるようになったのです。 そして座禅の時には、宇宙と一体になることも、イメージして見ました。 宇宙を想い、宇宙を感じ、宇宙と一体になると、体に微妙な変化をもたらします。 何かが、そこにあるのではないかと思うのです。