ひとり座禅のすすめ

自分ひとり、坐禅(靜功)を日常生活の中で取り入れていくと今までと違った感覚を覚えていく。

座禅の時の呼吸法ー逆腹式呼吸に慣れる

2007-06-11 15:55:53 | 逆腹式呼吸
 座禅(静功)を行う時には、一般的には呼吸法を駆使しながら行うようです。 ようですと書いたのは、私自身は自分が実践してきた方法しか分からないからですが。 級友から声をかけられて、座禅を始めた時の先生から教えていただいたわけでもなく、なんとなく自分で本を読みながら行ってきた経験からしか分からないからです。

 肩の力を抜き頭のてっぺんが、天から引っ張られているような感じで上体を維持します。 胡坐を組んで上体を前に倒して、そのまま上体を上げた姿勢がよいとされています。 姿勢をよくしようとして、体を反るのは筋力が働くので、よい姿勢とはいえません(筋力が働くと長く座禅が組めないからです)。

 両手をそろえて膝の上に軽くおき、目を瞑り口を閉じて鼻だけで呼吸をします。 軽く吸って(吸うときは息を吸うことを意識してください)、ゆっくりと10秒以上かけて、体の中へ息を吐くイメージで行います。 このとき、実際は息は鼻から出て行きますが、息を鼻から出すことを意識せず、あくまでも体の中へ吐くイメージだけ考えます。

 実は、このことがとても大切なことなのです。 息を吸うときには鼻で吸うことを意識してよいのですが、息を吐く時には、鼻から吐くことは絶対に意識してはいけません。 あくまでも体の中へ吐く意識しかもってはいけないのです。

 感覚的には鼻から軽く吸った息は、まだ喉の辺りや口の中にありますが、息を吐く時には、その辺りに残っている息(空気)を、そのまま喉から腹、腹から下腹にある(とされているー自分では分からないからですが)臍下丹田までゆっくりと吐きます。 

 息を軽く吸い、その息をそのまま体の中へイメージで吐きます。 意識を呼吸だけに集中します。 吸っては吐く、吸っては吐くという呼吸の繰り返しだけでよいのです。 イメージで息を体の中へ吐くことが、スムーズにできるようになり、深化の過程で息は鼻からは殆んど出なくなります。

 息を体の中へ吐くイメージをしていきますと、実際には体の中へ宇宙のエネルギーである気が、入っていくことに気がつくはずです。 体の中に入っていった気は、体の中には貯まらず、鍼とか灸のツボである経穴という気の通り道の調節の弁から出て行きます。 そのことも呼吸だけに意識を集中する過程で、自分自身で分かってくることです。

 息を体の中へ吐く呼吸を、逆腹式呼吸といい、免疫力を高める呼吸法といわれています。 何故、免疫力が高まるかといいますのは、自分では分かりませんが(自覚しないままに)、経穴の調節の弁の機能を息を吐くことによって、調整してくれるからです。

 息を吐きながらイメージする。 イメージしながら息を吐く。 極めて単純な呼吸法を続けることによって、胎児の時に全ての人間が持っていた能力を回復することにも繋がります。 必ずしも、座禅イコール呼吸法ということではありませんが、先に深化する第一歩であることには、違いありません。

 息を吐く時には、鼻から出すことを絶対に意識しないでください。 あくまでも体の中へ吐くイメージで行います。