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[記述追加:11.54]
阿仁・異人館の入口・階段まわりとベランダの詳細、および小屋組トラス。
設計はドイツ人でも、施工は現地の大工職と考えてよいだろう。
当然、煉瓦は現地での焼成。煉瓦積も現地の職方。
ただ、阿仁では、煉瓦を使用した建物を、他に見かけない。
どういうことなのか、調べてないので分らないが、私たちがここを訪ねたときには、すでにこの建物の他には「鉱山町の名残り」はなかった。もしかしたら、時とともに消失してしまったのかもしれない。
下段の写真が「北鹿ハリストス正教会聖堂」の外観。
大館(おおだて)市の郊外の田園地帯の中にある。大館は、小坂のほぼ西にあたり(先回の地図参照)、「米代(よねしろ)川」のつくりだした盆地。
註 米代川には、中流で小坂からの「小坂川」が流入する。
鉱山のある所からの川でありながら、鉱山開発が本格化して以来、
この川では渡良瀬川のような水質汚染が起きていないことを
以前紹介した。
鉱毒濾過装置を当然の事業として当初に設置したからである。
「公害」・・・・足尾鉱山と小坂鉱山参照。
[説明・記述追加]
川に沿って、国道103号とJR花輪線が走る。大館から東へ約10数kmのところが聖堂のある字「曲田(まがた)」。
日本での「ハリストス正教会」聖堂の代表は、東京御茶ノ水の通称「ニコライ堂」。あと、函館の聖堂が有名である。
この建物の設計は、ニコライ堂の設計あるいは施工にかかわった者ではないか、とのこと。施工は現地の職方と思われる。
内部は観ることができなかったが(観るにはあらかじめ予約が必要)、木造のアーチを四方から立ち上げてドームをつくるという本格的な構造だという。材料は秋田杉とのこと。
註 大館市のHPから、ある程度の情報は得られる。
秋田県の文化財になってはいるが、なぜ国の重要文化財に指定されていないのか、分らない。
私は寡聞にして、日本での「ハリストス正教会」の布教の歴史はよく知らない。
秋田県の農村地帯に、どのようないわれでこのような聖堂が誕生したのか、非常に興味が湧く。
ご存知の方がおられたら、是非お教えいただきたい。