組積造・土塗大壁の開口部-2の補足

2009-07-14 12:42:46 | RC造

先回、茶室の「下地窓」の四隅の納め方(四隅を丸める)について触れたので、その一例として「妙喜庵・待庵」の外観写真を載せます。

また、近江八幡・「西川家・土蔵」の開口部周辺の図も載せます。

なお、妙喜庵・待庵は、以前、下記で図面等を紹介させていただいています。

「日本の建築技術の展開-18」
「日本の建築技術の展開-18の補足・2」

一般に、下地窓の角の丸みは、単に《意匠》と見られていますが、それは、土塗り壁を傷めずに(亀裂を生じさせずに)恰好のよい窓をつくるための発案である、と理解する必要があります。
たしかに「穏やかで気張らない」形になりますが、そのことだけを考えてつくられた、と見てしまうのは間違いのように私には思えます。

なぜなら、「かきっとしてぴんと気の張った」ような形が好ましいからと言って、角がピン角の下地窓をつくるわけにはゆかないからです。そういう場合は、木枠で開口・窓をつくるはずです。

つまり、「使う材料との相談で、自分の意図する形をつくる」、これが「意匠」「デザイン」の語の本来の意味だ、と私は考えています。
最近、「使う材料との相談」なしの設計?デザイン?意匠?が増えているような気がします。

なお、「自分の意図」を決める「手順」については、「軒の出の決め方」を書くときに触れることになると思います(建物を設計する、ということは、単なる「個人の造形あそび」ではない、と私は考えています)。


「西川家・土蔵」についても下記に詳細を載せました。土蔵の土壁の詳細も載せてあります。
「旧西川家修理工事報告書」には、土蔵の土壁の施工手順の詳細な説明がありますが(下記記事中の小舞掻きの解説図は、その一部です)、長いので省略しています。
ご希望があれば、専用に編集しなおして転載します。

「地震と土蔵・・・・近江八幡・旧西川家の土蔵の詳細」

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