蝉の抜け殻
夏になると我が家の庭の彼方此方にこのような穴が開く。
蝉の幼虫が羽化するために地上に出た跡だ。
夜中に地中から出て羽化する場所を求めて小高い木に上る。
ミカンの木の葉に残る抜けがら。
何故か同じ葉に二つの抜け殻。
地上から2メートル位の所だが、ここまで来るには数々の枝を渡り歩かなければ到達しない。
どのくらいの時間をかけて登るのか。
彼らにすれば必死の思いで羽化の場所を探すのだろう。
時にはこんな門柱に止まって羽化する。
地上に出た時に周囲に適当な木が無かったのだろうか。
羽化の時間が迫る中必死の思いだったのだろう。
朝、時々羽化した蝉が居間の網戸に止まっていることがある。
羽化して始めて飛んだのだろう。
暫くして飛び去ってゆく。
地上で過す一週間程の短い命を子孫を残すために懸命に生きる。 頑張れ!
これらの抜け殻を見るたびに思う。
7~8年の地中の生活を終えて羽化するべく地上に出ようとした時、生まれた時は土だったところがコンクリートなどで舗装されていて地上に出られないような状態になった時など、彼らはどうするのだろう・・・・・・・・
日の目を見ることなく死んでしまうのだろうか、それではあまりにも可哀そうだと思ったりしてしまう。
最近、セミの鳴き声がうるさいと感じるようなことが無くなった。
昔、我が家の周囲が雑木林で囲まれていて時代には、セミの鳴き声がうるさいと思ったものだ。
土地開発が進み雑木林がすっかりなくなってしまった現在、セミの鳴き声は僅かしか聞こえてこなくなった。
土地開発の名目で森林が無くなって行くことは、そこに生息するすべての生物の生活環境を破壊してしまう事になる。
人間の欲望のために生活圏を失う生物たちが如何にも哀れだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます