AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VRはビミョーだ

 何がビミョーなのかと云えば、とにかくビミョーなのだ。だって、そうでしょう。28-300mm f/3.5-5.6G ED VRの希望小売価格が126,000円(実売97,000円程度)で、同時に発表されたAF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VRが同163,800円(実売125,000円程度)で、一方は広角側がちょっと物足りないけれど望遠側は300mmまであるし、方やこれ以上広角はいらないという程の画角ながら、望遠側が120mmと物足りない。VRはどちらにもあるがナノクリスタルコートは24-120だけ。

 もっとビミョーなのはその明るさだ。24-120は通しでF4と明るく使いやすいが、28-300の広角側はF3.5と24-120よりも明るいし300mmでもF5.6と実用上問題のない明るさが確保されている。少なくともAFで使う分にはなんら問題はない明るさだ。いったいNikon(ニコン)はFXユーザーに24-120と28-300、どちらを買わせようとしているのだろう。あわよくば両方か。

 24-120の問題の一つである物足りない望遠側であるが、ニコンの現在のラインナップには70-200mm F4がないので120mm以上はAF-S VR Zoom Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)を使ってくれと云うことになるのか。70-200mm f/2.8のジュニア版として70-200mm f/4に早く登場して欲しいところだ。できることなら望遠側をもう100mm伸ばして70-300mm f/4として欲しいものだが、そうなれば価格は現行の70-300mm F4.5-5.6の2.5倍程になることは確実だ。

 屋内での撮影や、移動にクルマが使える状況であれば24-120mmと70-300mm、2本のF4通しのレンズも実に魅力的ではあるが、郷秋<Gauche>の普段の撮影スタイルである、毎週末10kmを徒歩で移動しながらの撮影となると、軍配はおのずと28-300mm f/3.5-5.6に上がることになる。24-120mm f/4、70-300mm f/4(登場まではF4.5-5.6)そして28-300mm f/3.5-5.6の3本を揃え、その時のスタイルに合わせてチョイス、更には24-70mm f/2.8、70-200mm f/2.8をも揃えてチョイスできれば云うことなしだが、限られた予算では難しい。

 最も重要な性能はどうか。24-120mmの解像度・描写性能は期待を裏切らないことが予測されるが、果たして28-300mmと云う、FX用レンズとしては類を見ない高倍率ズームレンズの解像度・描写性能にはやはり疑問が付きまとう。大きなディストーション(歪曲収差)や周辺光量落ちが容易に予想されるからである。今後、詳細なテスト結果を見て決めることにはなるが、A or Bと云う二者択一となった場合には、相当悩ましいいことになることは間違いないな。

 ちなみにフィルター径はどちらも72mmではなく24-70 f/2.8や70-200 f/2.8と同じ77mm。伝統的に小さいフィルター径に拘るニコンとしては大英断と云えるが、そうしてまでも高解像度とより良い描写性能を得ようとする意気込みが感じられる。同時に、フィルター径が同じだからどっちも買って欲しいという、最近顕著な商売上手なニコンの一面も。やっぱり両方買って欲しと云うことなんだな(^^)


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、穂を出しても厳しい残暑の中では食指は動かないのに、秋めいて来た端に撮ってみようかと思うようになった、ススキ。
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