今年で誕生30年になる富士フイルムのレンズ付きカメラ「写ルンです」が人気なのだそうです。97年のピーク時には出荷本数8960万本を記録した「写ルンです」もデジタルカメラ、スマートフォンの登場で市場は激減し、2012年にはピーク時の5%以下となる430万本にまで落ち込んだとのこと。
ところがところが、そのノスタルジックな写り具合が人気を得て、富士フイルム直営の「WONDER PHOTO SHOP」では2年ほど前には月に20本程度だった販売本数が、昨年12月には100本程になっているとか。直営店で5倍売れるようになったからって全国で2000万本売れたとは思えないけれど、何故か人気が戻ってきているのは確かなようです。
だがしかし、考えてもみれば昔の「写ルンです」ファンが戻ってきているんじゃなくて、フィルムで撮るカメラ・写真を知らない若者が面白がって「写ルンです」を使っているんじゃないかと郷秋<Gauche>は思うのです。LPレコードやカセットテープの人気も復活しているらしいけれど、どうもその支持者の多くはLPレコードやカセットテープの現役時代を知らない若者らしい。
アナログにはデジタルにはない、言葉では表しきれない魅力がある。郷秋<Gauche>の数少ない語彙に中であえて表現するならば、柔らかさと包容力そして無駄。確かにデジタルは便利だけれど、たとえば余白の美しさを表現するような包容力と云うのか余裕がない。そんな、決して必要でもないようなところに魅力を見出すのは自分がアナログだからなのだろと思うこの頃であるぞ。

と云う訳で今日の一枚は、「写ルンです」ではないけれど、フィルムで撮るためのカメラ。フィルムを見たことのない若者のために、カメラ(世界最初にして最高の性能を誇った実戦的一眼レフカメラ、Nikon FにTTL露出計を内蔵したファインダーを装着したNikon F Photomic FTN)のレンズの右側にあるのがフィルム(135/35mm)。その後ろにある丸いものが、薬品(現像液と定着液)を使ってフィルムを現像するときに使うためのステンレスのリールとそれを入れるタンクです。
横浜の住宅地に残された里山の四季の移ろいを毎週撮影し掲載している「恩田の森Now」に3月26日撮影の写真を4点掲載いたしております。早春から欄春へと移りゆく森の様子をどうぞご覧ください。
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