ZOOM-NIKKOR 43-86mm F3.5

 昨日、昔の写真仲間から唐突にFacebookに「43-86はそんなにいいのか?」と云うメッセージがありましたので、今日はその話題。

 今ではあたりまえになったズームレンズですがその歴史はカメラの歴史と比べると1/3程しかありません。30年前までは一眼レフの標準レンズは単焦点の50mmで、ズームレンズが普及したのはオートフォーカスになってからです。とは云ってもその20年程前からズームレンズは使われるようになり、今日のお題のZOOM-NIKKOR 43-86mm F3.5の最初のモデルは東京オリンピックの前年、1963年に登場しています。その後改良が加えられ1977年にAi化された43-86が発売されます。

 ちなみにそのスペックは、レンズは8群11枚、最短撮影距離1.2m、最小絞り22、絞り羽8枚、全長73.5mm、最大径66.5mm、重さ450g、アタッチメント径52mm、発売当時の価格44,000円と云うものです。同時期の標準レンズである50mm F2は4群6枚、最短撮影距離0.45m、長さ41mm、重さ220g、アタッチメント径52mm、発売当時の価格24,000円です。43-86は単焦点の50mmと比べ、大きさと重さ、価格は倍程です。

 現在のズームレンズとの大きな違いは、ズームの操作が直進式であることです。ピントリングの幅が広く、そのリングを回すとピント操作、前後させるとズーム操作ができます。リングを向こうに押すと望遠、手前に引くと広角となります。現在のカメラ・レンズはオートフォーカスですのでピント合わせ操作の必要がなく操作はズーミングのみなですので直進式のズーム機構は廃れ、全て回転式になりました。

 その写りですが、最新の「カリッ」とした描写のレンズと比較すれば、お話にならない「ドンヨリ」としたものです。当時の単焦点レンズと比較しても、その描写は相当甘いものですが、それでも準広角から準望遠までレンズ交換無しで使える利便性には抗し難く、当時はプロもアマチュアもこぞって愛用したベストセラーのズームレンズです。


 写真左がZOOM-NIKKOR 43-86mm F3.5、その隣がNikomat EL(1972年発売)、そして右がSERIES E ZOOM 36-72mm F3.5を装着したNikon EM(1980年発売)です。外見が良く似た36-72mmについては明日書きたいと思います。

 「恩田の森Now」 http://blog.goo.ne.jp/ondanomori に、ただいまは4月1日に撮影した写真を6点掲載いたしております。花盛りの森の様子をどうぞごらんください。

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