ディスカバリー 母港に帰る

 日本人宇宙飛行士、野口聡一さんらが搭乗し、今月9日に地球に無事帰還していたスペースシャトル「ディスカバリー」が19日、専用ジャンボ機に乗せられ、着陸地の米カリフォルニア州エドワーズ空軍基地から母港であるフロリダ州のケネディ宇宙センターに帰って行った。

 専用ジャンボ機に乗せられて、って言われても実物や写真を見ないとピント来ないだろうな。こちらをご覧あれ。まさに親亀の上に子亀をのせてといった図である。

 シャトルの地球帰還に際して報道されていたのでご存知の方も多いと思うが、当初の帰還予定日にケネディ宇宙センターが悪天候であったために帰還を一日伸ばし、それでも天候が回復しないため、残りの燃料が少ないことを考えて結局着陸地をエドワーズ空軍基地に変更している。

 無事に帰還したとは言え、トラブル続きの飛行だったのだから、帰りくらい着陸地を変更してでも予定の日に戻ってくるのかと思っていたが、NASAはケネディ宇宙センターへの着陸にこだわった。何故かと言えば、シャトルをエドワーズ空軍基地からケネディ宇宙センターへ運ぶのに相当の経費がかかるからなのでありました。

 NASAはボーイング747を改造したシャトル専用輸送機を2機持っているようだ。背中にシャトルを載せるための装置が付いている他には水平尾翼の翼端に補助の垂直尾翼がついているのが目立つ。重さはともかく、機外にむき出しで空気抵抗の大きなものを背負っているから操縦安定性を確保するためなのだろう。

 そういえばエアバスも自社で生産するヒコーキのコンポーネント輸送用にA300-600ST愛称「ベルーガ」をもっていますが、こちらも水平尾翼の翼端に補助の垂直尾翼をつけていましたね。

 そうそう、シャトルをエドワーズ空軍基地からケネディ宇宙センターへ運ぶのにいくらかかると思いますか?自前の輸送機なのに、それでも1回運ぶのに約100万ドル、日本円だと約1億1千万円もかかるんだって。高いは高いけれど、もともと莫大な費用をかけて打ち上げるんだから、1億円くらいいいじゃないかと思うんだけれど、そのあたりNASAは結構シビアらしい。と言うよりケチ?


 今日の1枚は、例によって記事本文とは関係のない百日紅(サルスベリ)。夏の間中咲いているから「百日」紅。でも千日紅には負けますね。[ 撮影:自宅近くの公園 ]
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