小児歯科といえば、乳幼児が泣きながら虫歯治療をしているところ、というイメージがありますか? それは20世紀のイメージかも。自分的にはクラシック小児歯科と呼んでいます。
最近は乳幼児の虫歯は減少しており、虫歯予防で低年齢から来院される患者さんも増えています。また、初期虫歯は再石灰化をはかったり、器具のみで虫歯を除去してコーティングするなどの治療選択がありますので、患者さんが動かないように押えて、機械で歯を削る治療はほとんど無くなりました。
一方で咬合育成とも呼ばれていますが、永久歯が出てくる時期にかけて、健全な歯並び噛み合わせになるようサポートするということが小児歯科で重要になってきていると思います。
例えば今日の患者さんですが、上の前歯間に過剰歯という余計な歯が逆向きに埋まっていて、新たに出てきた上の前歯間に大きなスペースがみられます。このタイプの過剰歯は自然には出てきませんので、この時期に摘出することで、自力での歯並びの改善が期待できます。Rくんは今まで虫歯もなく麻酔や削る機械の経験がなかったのですが、今日の小手術は広い範囲の麻酔や骨を削る処置などもあったにもかかわらず、よく頑張ってくれました。
またAさんは乳歯のころから舌が前方に出る癖と下唇の緩んだ状態があって、前歯が噛み合っていない状態でした。上下の永久歯前歯が出てきた現在、まずは舌が前方に出にくいような装置を入れてほぼ噛み合わせが改善されました。さらに、装置がなくてもこれを安定させるため、舌の正しい位置を覚え、唇の緩みを改善して自然に口が閉じれるよう、筋機能療法というものを始めました。
患者さんも保護者の方もこの治療に興味を持ってもらったこともあって、まず最初の4メニューを1か月頑張ってくれました。本人も舌の位置を意識しているようで、すでに口を自然に閉じれる傾向が見られるとのこと。嬉しい報告です。
今日は次の1か月の新たな4メニューを開始です。
これは、いわゆる矯正治療も含め、いろいろある咬合育成のうちの2例ですが、私にとってはこれがネオ小児歯科なんです。もちろん虫歯や歯肉炎の治療も当然ですが、定期健診と予防をベースにしているというのも当たり前というか普通なんです。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam/
http://www.futatsuki-dental.com/