福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

過剰歯の話

2006-07-19 | 口の中の問題

「過剰歯(かじょうし)」という言葉を聞いたことがありますか。多分歯学部の学生も3年生位までは知らないでしょう。これは歯の発生形成の問題で、通常の乳歯や永久歯とは違う余計な歯ができてしまう現象で、人口の数%あります。上の2番目の前歯(側切歯)や5番目の歯(第2小臼歯)などが無い、先天欠如とは逆の現象です。過剰歯がよく発生するのが、上の前歯真ん中部分の裏側あたりです。歯の方向が様々で通常の歯と同じ向き(下側)を向いていることもあるのですが、横、斜め、逆なども多く、骨の中に埋まったまま出てこない場合が多くあります(埋伏歯)。
どんな問題が起こるかというと、上の前歯が出るのが遅くなったり、前歯がねじれたり、前歯間に大きな隙間ができたりと、歯並び噛み合わせへの影響が出てきます。ですから、小学校低学年で歯の出具合がおかしいと来院され、X線を撮ってみて発見される場合が多いようです。
過剰歯を外科的に摘出することで、歯並びへの影響はある程度まで改善されていきます。場合によっては、以降に矯正治療が必要になります。過剰歯を摘出する時期ですが、過剰歯の位置が永久歯の根の部分に近い場合、永久歯前歯が出てしばらくは根の部分がまだ形成途中ですので、手術のダメージを避けるため根が出来あがるまで2年くらい待つこともあります。また、外来手術を頑張れる患者さん自身の年齢も、当然考慮することになります。
ちなみに、歯並び噛み合わせに影響がないであろうというときは、そのまま経過観察で良いと思われます。近い例ですが、私自身、親知らず1本が完全に埋まったままで何の症状もありませんので、放置しています。

  

上下の前歯が永久歯。上の前歯がねじれているとのことで来院。

X線で調べると、上の前歯間に上向きの過剰歯がはまり込んだ状態でした。

 

 

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