福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

Ectopic eruption (異所萌出)

2016-12-11 | 口の中の問題

今日のタイトルは歯科専門用語。普段は英語の方が良く使われますが、和訳すると異所萌出と何だかね~?という言葉。
典型的には、6歳臼歯(第1大臼歯)が出ようとする歳、手前の乳歯の奥歯(第2乳臼歯)に引っかかって出にくくなるだけではなく、第2乳臼歯の根を吸収してしまうことがあります。
その結果、生え変わりの時期よりはるかに早くグラグラして来たり、抜けてしまうことがあります。
上の奥歯に発生する確率が高く、通常は第1大臼歯が出て来にくい状況が発見され、X線診査で分かることが多いんです。
しかし、途中引っかかりが自然に改善されて、その後問題なく第1大臼歯が出てくれば、X線的チェックをしないまま、ある種見逃すこともあり得ます。

そして1~2年して、突然第2乳臼歯が虫歯も無いのに欠けたり抜けたりして、ectopic eruption があったんだ、と分かることがあります。
問題は何かというと、第1大臼歯がなかなか出ないことや、出てきたけど前の乳歯が早々に抜けて、その後出てくる第2小臼歯のスペースが無くなるということなどです。




この患者さんは8歳ですが、右上乳歯の奥歯が欠けたということで来院されました。
当院かかりつけの患者さんですが、今まで虫歯もなく、第1大臼歯も問題なく出てきていましたので、X線チェックの既往はありませんでした。
問題の乳歯は根が早めに(内部)吸収を起こして、歯が薄くなって欠けてしまったと思われます。





左右対称に出現することも多々あるので、反対側もチェックしましたがこちらは問題なしでした。
治療選択は抜歯しかありませんが、あとの永久歯が出て来るまで2年前後あると思われます。その間スペースを保っておく装置、保隙装置を装着しての管理が必要となります。




ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ザ・クリスマス | トップ | お酒が集まる »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿