福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

乳歯外傷の影響が大きい例

2020-07-15 | 歯のけが

3歳頃に上の乳歯前歯の外傷があって、その後症状なしでしたが、その部分の歯茎が腫れてきたということで、1年ほど前に初診来院されました。
X線検査で、外傷を受けた乳歯の根が残存して嚢胞化、永久歯が出にくく上方にズレている像を認めました。
乳歯を抜歯した後、嚢胞が縮小化して永久歯が出れるように誘導する、オブチュレーターという装置を装着して経過を観察しました。
半年ほど装着後、埋まった永久歯が出てくる傾向がみられ、ある時期からオブチュレーターを外して経過を観ました。




向かって右側の中切歯は、側切歯とほぼ同時で遅れて出てきました。
X線でも分かっていましたが、中切歯が捻れて出てきています。
ちなみに、向かって左側の永久歯前歯は正常に生え変わって、出て来ている途中です。

出ては来ましたが、上の向かって右側の2本の前歯は下の歯との噛み合わせが悪く、降りてこれない状況です。
歯が出てくれば、コントロールはできますので、部分矯正治療のスタートとなります。
まずは、裏側からの装置で上下の歯がロックされた状態を改善します。
捩れや傾斜の改善は、前歯4本にブラケット装着すれば治癒しますが、前歯4本がしっかり出てきて、根の部分もほぼ完成するまで、暫く待ちます。
未成熟な歯を、あまり早めにブラケットで動かすと、根の部分の形成に悪影響がでることがあるからです。
この患者さん矯正治療で治癒はしますが、外傷後の定期的なフォローが出来ていたら、ややこしくはならなかったと思います。
例えば左右の生え変わり非対称であれば、適時に生え変わりにくい側の乳歯抜歯で永久歯は誘導できます。
乳歯外傷後は一旦落ち着いても、基本的に生え変わり時期の評価が重要になります。



ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

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