福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

乳歯の外傷歴にご注意

2023-04-23 | 歯のけが

2、3歳頃に、乳歯で上の前歯をぶつける事故は結構あると思います。
外傷パターンとしては、歯が欠けるよりもグラグラになることが多く、中程度以上だと2週間ほど固定すればOKです。
ただし固定の有無に関わらず、外傷後数か月〜半年で変色してくることがあります。
変色は神経が悪くなりつつある所見ですが、元に戻ることもあります。
変色が定着しても、X線的に根の先に炎症像がなく、相当部位が腫れたりなければ経過観察でOKです。
一部根の治療が必要になる例もありますが、処置の有無に関わらず永久歯との交換時期に問題が出ることがあります。
なので、上の前歯が交換する7歳前後では適時にX線で評価するのが重要です。



乳歯では外傷後の炎症の影響で、根が短くなったりします。
その結果、まだ永久歯が降りて来ないのに早めにグラグラが始まったりします。
その割には、最終段階で乳歯根の吸収がスムーズに進まず、生え変わりが遅くなります。
上の写真では、向かって右は正常に乳歯が脱落していますが、左は乳歯の根が長いままです。
永久中切歯は、もともと乳歯の後ろ側に位置していて、乳歯根を吸収しつつ前方に移動します。
なので、このような場合では永久歯が前方に移動しにくく、後方にあることが多いようです。


   

こちらも左側が、乳歯外傷歴ありです。
左の写真の9か月ほど前の評価では、左右の永久歯の出具合に左右差はないので、経過観察です。
先日の定期健診でのX線で明らかに根の吸収の左右差が出てきています。
視診でも、乳歯の内側から永久歯が出始めています。
この時点で経過観察は終わりで、向かって左側の乳歯は抜歯です。
下の前歯は通常でも永久歯が内側から出てきて並ぶこともよくあって、一部を除き、そのままでも通常に生え変わり歯並びにも影響は出ません。
上の場合は、外傷歴と関連することが殆どで、内側から出てきたままだと、前歯の噛み合わせに影響が出てくることもあります。
それ故、抜歯になる例は多いと言えます。
日曜朝のお家カフェタイム、ブログアップ中のBGMは80年代のシティポッププレイリスト。
大滝詠一とかピッタシです。


ふたつき子ども歯科  http://fc-dental.jp.net

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