福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

永久歯外傷の特徴

2022-10-13 | できごと

乳歯と永久歯では外傷のパターンが異なっています。
いずれも上の前歯の外傷が圧倒的に多いんですが、乳歯ではグラグラしたり位置がずれて埋まったりするパターンが多いんです。
永久歯では出始めでは乳歯と近いパターンですが、通常、歯が欠ける事例が多くなります。



この患者さんはX線のみですが、上の前歯2本が結構欠けて、神経がわずかに露出した状況でした。
ぶつけた時の衝撃は、欠けることで残りの歯にはあまり伝わらないので、歯のグラグラは殆どありません。
外傷後すぐの来院だったので、覆髄といって、まずは神経を守るコーティング処置をして経過をみます。



こちらの患者さんは、同じく上の前歯2本を打撲して、グラグラがありました。
2週間ほど歯をつなぐ固定処置をして、撤去したところです。
グラグラは無くなってますが、若干かけた先端部分が過敏になっていましたので、コンポジットレジンで修復しました。
欠けが小さい分、歯自体にはダメージがあってグラグラが発生したと判断でき、どちらかと言えば典型ではありません。
今後、神経が悪くなったり、歯が変色する可能性はほぼありません。
最初の例は、欠けた部分は一旦コンポジットレジンで修復しますが、半年くらいはコーティングが成功するか経過観察です。
神経をとる必要があるかもしれませんので、グラグラはなくとも安心はできません。
乳歯では歯が欠ける例は少ないのですが、グラグラを固定して一旦治癒しても、外傷直後のグラグラの程度が大きい場合は、その後の歯の変色や神経が壊死するというパターンが観られるのが一般的です。
通常は外傷治癒後半年ほどはその可能性があります。
その場合、永久歯との交換がスムーズに進まないこともあるので、交換までは適時にフォローが必要と言えます。
因みに当院の患者さんで言えば、小学校高学年以降くらいでは、自転車による転倒事例も増えます。


ふたつき子ども歯科  http://fc-dental.jp.net

コメント
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