永久歯反対咬合での第1期治療はすべての反対咬合の患者さんが対象ではありません。
かみ合わせが浅くて、下顎が前に誘導されている要素が小さい場合は、早期治療の効果は小さく、治療しても後戻りが多くなります。
一見軽症に見えますが、下顎の高さの発育が大きくなると、全体的な矯正治療の難易度も高くなります。
この患者さんは、小学校後半で、しっかり逆に噛んでいて、噛むと下顎が前に誘導されます。
歯並びデコボコや捻じれがないので、プレオルソ(タイプ3)の適応症例です。
装置使用2か月で前歯2本は改善して、側切歯の改善が不充分なため、さらに3か月使用してもらいました。
使用状況が良好で5か月後が以下です。
ちなみに、上の歯の捻じれやデコボコが大きい場合は、歯並びに部分的にブラケット装着する装置選択が、治療効果が確実です。
側切歯の上下関係がっや不安定ですが、一旦終了して経過観察としました。
下顎の左右的ずれも改善して、これは早期治療の大きな効果です。
そのまま放置して成長期に入ると、下顎形態のの左右非対称が発生し治療が結構難しくなります。
また、反対咬合系の患者さんは上の歯並びが小さめのなのが普通です。
この患者さんは側方歯と呼ばれる3番目4番目の歯が生え変わる時期で、3番目すなわち犬歯が出てくる時期に側切歯のかみ合わせが悪化することは想定内です。
経過観察後プレオルソで改善できる程度か、さらに待ってブラケット適応するか検討予定です。もちろん思春期の下顎成長も考慮は必須です。
このような永久歯列完成、成長発育が落ち着くまでの期間を考慮して、意味ある第1期治療をするのが適切と考えます。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam