福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

日本人に八重歯が多いわけ

2015-08-13 | 歯並び、矯正の話




この患者さんは永久歯との生え変わり後半で、上の両側犬歯が外側から出つつあり、このままだといわゆる八重歯になります。
また、上下前歯の噛みあわせが逆で、これも大きな問題です。





日本人は人種的に歯のサイズが大きい、骨格的に上顎が小さいまたは下顎が大きい受け口傾向の割合が多いという特徴があります。
この患者さんは、下の前歯はほぼ良好な歯並びですが、上は明らかにデコボコになりそうです。
なぜか? 歯の大きさと歯並び(または顎)の大きさのバランスで考えると、下は調和がとれているが、上はそうでないということです。歯並びの幅も前後径も小さいということです。
この患者さんは時期的にはまだ第1期治療で、まず上の歯並びの幅も前後径も拡大して歯並びと噛み合わせを改善するのが最初の目標です。
もうしばらくすると、思春期の発育が始まり下顎の発育もスパートします。その前にまずは噛み合わせを改善することで、下顎成長をある程度抑制できると考えられます。
この患者さんの場合、もっと早めで良かったとは思いますが、まだ遅くはありません。今でしょ!(中途半端に古いフレーズ)





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小児の入れ歯

2015-08-13 | 口の中の問題

2、3歳頃は転んだりぶつかったりで、上の乳歯、前歯部分を打撲することがあります。
乳歯の場合、歯が欠けたり折れたりというよりも、グラグラになったりズレたりという頻度が高いという特徴があります。
このような場合、隣の歯と連結して固定することで、結構保存できます。ただし神経血管部分がダメージを受け、歯の変色や根の周囲の炎症が起こることがあります。いわゆる歯の見える部分が欠けた場合、意外と根の部分はダメージを受けないことが多く、折れ方が重症であれば神経の処置は必要になりますが、歯としては保存できます。
根の部分が折れたり、縦方向に割れた場合は、さすがに保存が難しく、抜歯になることがほとんどです。もちろん完全に抜けてしまった場合も、乳歯では保存不可が通常です。
乳歯が保存できなかった場合、永久歯が出てくるまで使う子ども用の入れ歯があって、乳歯義歯とか可撤式保隙装置と呼ばれています。
前歯が数本ないと、見かけはもちろんですが、滑舌が悪くなったり隣り合った歯が倒れてきて、後で出てくる永久歯のスペース不足も発生しがちです。
奥歯でも虫歯が重症で抜歯になった場合、同様の装置があります。





この患者さんは2歳時に外傷で来院されました、当初保存を試みましたが再度外傷して、残念ながら脱落。





歯型をとって、小児用入れ歯を入れました。やっと3歳になったばかりですが、上手に使用できています。
乳歯の時期は歯並びの発育、永久歯との交換がありますので、通常ブリッジ状の装置は作製しません。
作製したこともありますが、歯が小さく接着面積が小さいせいか、外れやすいという欠点があります。ですから1本欠損でもかさ張りますが、このようなプレート型のいわゆる入れ歯になります。






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