福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

予測と判断

2013-10-27 | 歯並び、矯正の話

乳歯の時期には歯並びが良かったのに、永久歯が生え始めたらデコボコで心配、とか矯正をしなきゃならないんですか? という相談は多々あります。
最近の子どもたちは歯並びが悪くなったという研究データはありませんので、虫歯減少時代で、保護者の方が歯並び噛み合わせにも関心が大きくなっている証拠でしょう。
今日の口腔衛生学会でも、大学生や社会人新人の20歳代はじめの人たちで最も相談したいことは歯並び噛みあわせや、歯の色に関することである、というデータが報告されていました。
何でデコボコに? というと、乳歯の大きさと永久歯の大きさの相関関係がそこまで大きくないということがあります。たとえば永久歯間の相関性は大きいので、前歯の大きさから奥歯の大きさを予測して将来的な見通しを立てることができます。前歯が大きければ奥歯も大きいわけです。
ですから1歳6か月や3歳児健診で、将来どうなるよ、と予測できないのが実情です。時々当院の患者さんでも、集団健診で将来矯正が必要になるね、とか言われましたという相談もありますが、それは健診した歯科医師のフィーリングによるものと受け取った方が良いでしょう。
乳歯の歯並び噛み合わせはそれ以降に比べると個人差が小さいので、やはり永久歯の前歯や第1大臼歯が出てこないと、将来像は予測できないというのが、わたくし的には正直なところです。





例えば、小学校低学年くらいで、下の前歯が生え変わってこれくらいデコボコというのは平均的範囲内です。
歯並びの幅がある程度拡大したり、永久歯が徐々に外側に移動して改善する時期です。
下の前歯がデコボコな場合、上の前歯もデコボコになるかも知れませんし、それに加え、出っ歯系、受け口系、噛み合わせの深い浅い、前歯の傾斜、第1大臼歯の前後関係など、永久歯情報が増えてくる時期です。
その情報がある程度増えて、やっと将来像が見えてきて、早期治療が有効なのかどうかが判断されます。
部分的問題なのか全体的問題の一部の表現型なのか?
早めに治療するほど予測が多くなり先が見えない、遅く治療開始するほど成長発育を利用できない。私たち歯科医師も悩ましいところです。





ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

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学会続き

2013-10-27 | できごと

今日は九州口腔衛生学会が福岡で開催され、参加いたしました。口腔衛生と予防歯科とはかなり意味が近いとは思いますが、この学会は国民、市民、集団に対してどのように歯科保健活動を行い普及させていくか? という部分が主流の学会です。
社会歯科学的な学会ですね。ですから、歯科医師会、大学、行政の関わりが重要なわけです。いわゆる個々の虫歯や歯周病予防については、全国の口腔衛生学会や小児歯科学会、歯周病学会でカバーされています。
私も一応校医もしていますので、集団を対象に指導やアプローチをする必要性もありますし、社会レベルとまではいかないでも、福岡市歯科医師会が市民に向けてどのような活動や発信をしているか知っておくのは役立ちます。






会場は今回も福岡県歯科医師会館。小ぢんまりした学会ではありますが、やはり小児歯科分野の知り合いが多かったようです。
小児歯科医局の後輩で現在は鹿児島大学予防歯科に勤務しているN先生に、先週の小児歯科学会に続き再会しました。
彼女は学会入会希望受付の係をしていましたが、比較的余裕があって、すっかり話し込んでしまいました。






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