福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

先天歯

2013-10-17 | 口の中の問題

乳歯は通常下の真ん中の歯から生え始め、7か月頃が平均的です。
この部分の歯が生まれた時にすでに出ていたり、生後間もなく出てくることがあります。これは先天歯と呼ばれ、通常は余計な歯(過剰歯)ではなく、乳歯が早く出て来ている場合がほとんどです。
早く出てくれば来るほど、歯の形成が未成熟なまま出てきたと解釈されます。歯の形が小さかったり、色が悪かったりするエナメル質形成不全を伴う場合も良くみます。根のほうも形成があまりされていない状態ですので、グラグラがあったり脱落しまう場合もあります。グラグラが著しく周囲の歯肉にも炎症が強い場合、脱落して誤嚥する可能性もありますので抜歯適応となります。先天歯でも生後数か月たつと根が形成され、周囲骨も落ち着いてきますので、そのまま通常の乳歯として機能することができます。
赤ちゃんは、哺乳時に舌を前方に出すような吸い方をしますので、下の写真のように舌の裏側に潰瘍ができて授乳障害がみられることもあります。また母乳の場合、お母さんの乳首が痛いと言うような状況もあります。このような場合は乳歯の先部分にコーティング材を付けて丸くするのが歯にとっても刺激はありませんので、適切な処置ではないでしょうか。





先日先天歯のことで来院された患者さんですが、ある大学病院で、余計な歯だからそのうち抜歯になるだろうと言われ、とりあえず歯の先部分は削って滑らかにしてもらったそう。
今時の歯科にしては、クラシックなやりかたかな?  基本過剰歯の場合はほとんどないのですが、過剰歯かどうかは低年齢ではX線でも判別が簡単ではありませんので、処置を急ぐ必要はないでしょう。
写真ですが、WEB版の口腔病理基本画像アトラスから引用させていただきました。







ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

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