東洋人は人種的に反対咬合の割合が多く、乳歯の時期からの相談も少なくありません。理論的には早期ほどいいのでしょうが、治療となるとお口の中に装置を使用するわけで、あまり低年齢では使用不可です。
例えば2歳でそのような相談があった場合、当院ではどのように将来的見通しを説明しているか、お話しします。
まず、乳歯が全部出揃っていない時期では奥歯が無いので、基本皆噛み合わせが深く、顎関節も未完成で不安定ですから、下顎は前方に動かしやすい状況です。この時期通常のかみ合わせでも下顎を前に出すような仕草が見られることがありますが、それで噛み合わせが悪くなることはないので、ご心配なく。一方でどうも逆に噛み合っているな~と思われる場合でも、奥歯が出揃ってしばらく3歳過ぎまでは自然治癒が期待できます、これは噛み合わせが上がることで必然的に下顎が後退しやすくなるからと思われます。
それ以降で反対咬合ですと通常乳歯の時期にはそのままのことが多いようです。生え変わり前の3歳後半から5歳頃までが乳歯での治療時期になります。乳歯の時期の治療結果が永久歯に引き継がれるのが望ましいわけですが、下の写真のようにどちらかというと噛み合わせが深く、噛みあうことでズリッと下顎が前方に誘導されるような例が、治療効果が大きいと言えます。すなわち治療で下顎の位置が後ろに改善され、噛み合わせが深いゆえにその後の安定度も高いわけです。
「イ~」 してね、というと、自分で無理せずここまで移動できます。良い意味で顎関節形態が未完成な故ですね。
奥歯で噛ませると、がっつり逆で、噛みあうことで下顎が前方に誘導されています。
年齢と噛み合わせ状態、そして装置を使用できるという条件が揃ったときに、実際の乳歯時期の治療が可能で、意味あるわけですね。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam