福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

歯の着色

2009-09-07 | 口の中の問題
乳幼児で、「上の前歯に色が付いていてむし歯ではないですか?」という相談は少なくありません。色が付いていると言っても、表面に色素や歯垢が付着している場合、外傷などで神経が死んでしまい歯の色自体が黒っぽく変わる、変色などもあります。
もちろんむし歯での着色もあるわけですが、むし歯初期は一般的なむし歯の色のイメージである褐色~黒色にはならず、白濁した不透明な色になります。それが進行すると歯の表面に穴が開いてきて茶色っぽく見えてくるわけです。
乳幼児前歯はむし歯になりやすい部位ではありますが、いわゆる食物色素系の着色の場合が多くむし歯とは全く関係ありません。茶渋に近いものでどちらかと言えば茶褐色系です。ハブラシでは除去しにくいのですが、歯科医院専用のクリーニングジェルなどで比較的簡単に除去できます。
さらに黒っぽい着色は、多分色素産生菌によるものと思われ、付着は上の前歯のみでないことも多いようです。この黒色系色素はなかなか頑固で、除去に苦労します。ただしこれもむし歯とは無関係です。
さらに黄色っぽい着色が特に歯の生え際近くに付きやすい患者さんがいますが、これは要注意です。他の色素と異なって、歯垢が張り付いて膜状になったものに色素が沈着しています。ハブラシでも除きにくい状態になっていますが、これを除去すると歯の表面が白濁して初期むし歯が見えてくることが珍しくありません。歯みがきのし方にもよるでしょうが、個人差があるように思います。
当院では、PTCとかPMTCとか言われる歯のクリーニングを基本的に全患者さんに行っていますが、虫歯予防の観点からは、黄色系の着色は特にクリーニングが必要ではないでしょうか。



この患者さんはむし歯リスクは低く、歯の生え際に外来性の色素が付着しやすいようです。歯垢の付着は多くありません。



ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam/
                             http://www.futatsuki-dental.com/
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