福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

歯を抜かない矯正歯科治療 その2

2009-09-15 | 歯並び、矯正の話

歯並びのデコボコがあって、上下の奥歯の噛み合わせが前後左右的にズレていない場合、顎が小さいというよりも歯が大きすぎという患者さんの方が圧倒的に多く、これは統計的にも数字で出ています。
当然、当院でも矯正相談で同様の患者さんが多い状況です。
歯のデコボコを綺麗に並んだ状態に改善するには、普通歯を小さくするわけにはいきませんので、歯並びの幅や前後径を拡大することで解決しようとします。
いわゆる顎自体を大きくすることは矯正装置では実質不可能ですが、歯並びを大きくすることは可能です。ただし前後的に拡大すると前歯が前方に傾斜してしまいますので、歯並びは良くなっても上下の歯とも前突してしまうという問題があります。
それを出来るだけ軽減するために歯並びの幅を拡大するという方法を使うわけです。だだし、上と下では骨の構造に違いがあって、下顎の拡大はあまり大きくできず、拡大しすぎると外側に傾斜して噛み合わせが不安定になります。一方上顎は奥歯を後方に移動する、幅を拡大することが比較的簡単にできます。
ですから下顎の歯並びの状態をどこまで変えることができるかが、ポイントなんです。ここで歯が大きすぎると、変化させうる限界を超えるわけで、途中の歯(通常は第1小臼歯が多い)を抜いてスペースをつくり、歯を移動して並べざるを得なくなります。
歯の移動や周囲の骨の改造が起こりやすいのが成長期で、拡大も限界があるとはいえ、より反応があるわけです。当院で歯を抜かない治療の割合が多い理由は、私が特別のテクニックを持っているわけではなく、成長期を利用するということなんです。
今日の話は、ちょっと業界向けでしたかね~?

これは、バイヘリックス装置といって、上の歯並びを側方に拡大する装置。
通常は拡大でスペースをつくった後、マルチブラケット装置(各歯の表面に金属やセラミック製のブラケットを接着して歯を移動する、もっとも一般的な装置)で綺麗にします。



ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam/
                           http://www.futatsuki-dental.com/

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