福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

小児歯科での患者さんとの対応

2007-10-20 | 子どもとの付合い

「他院でいやがって治療ができないので、小児歯科専門はどうかと思って来ました」というような保護者&小児患者さんが結構来院されます。
そのような患者さんが続くと「ここは、他の歯医者でできない子どもが来るところ~?」と一瞬思うのですが、「小児歯科だから当たり前なんだ、専門性を認めていただいて実は有り難い」と思い直します。
当院で診療してみて、そのような全ての子ども達がドラマチックにお利口にできるかというとそうでもないのですが、かなりリラックスして、歯科の環境に慣れてくる場合が多いように思います。
他の歯科医院が、小児患者さんにどのような対応をしているかは保護者の方の話の範囲でしかないのですが、どうも、むし歯と見たらどの患者さんも原則どおり治療を試みるのではないかな~?と思うことがあります。そこで嫌がって抵抗することに対して体を押えて治療することになり、歯医者側からすると治療ができません、子ども側からすると極端に歯科を怖がるという悪循環が出来てくるのではないでしょうか。
私自身のスタンスなのですが、1、2歳の乳児はさておいて、ある程度物事を理解して協力する能力を持つ3歳後半以上の年齢では、診査や処置を急がず、ある程度時間をとって説明やトレーニングを行う余裕を歯科医&スタッフが持つということです。もちろん保護者の方の余裕と同意が必要ではあります。
子どものある程度の納得なしに性急に進めると、子どもとしては「少し待ってくれたら自分で頑張れたのに」 というような不本意な気持ちを持つように思います。一方で子どものペースのみですとなかなか処置が進まない場合もありますので、若干気長に、でも飽くまでも歯科医側が主体で、子どもが出来た事柄を褒めて勇気づけたりして処置を進めるやり方が無理がないようです。
また治療内容ですが、特に乳幼児ではむし歯=治療ではなくてむし歯=ストップ&予防という考えで、定期的健診を前提に、一気に治療せずとも段階的処置で問題ないことも多々あります。この場合、お口全体の虫歯予防も含め、家庭でのハミガキ、フロスや家庭用フッ素を使った予防ケアを実行してもらうことも重要と考えています。
歯のみ見ると治療だ~ということになりますが、時間軸のなかで子どもの変化、予防計画や処置の経過を観察していくと、広がりのある治療選択ができます。

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