福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

下顎の左右的ズレを伴う反対咬合

2023-09-30 | 歯並び、矯正の話

たまたまですが、同日に2名の、乳歯列の反対咬合の患者さんの矯正治療をスタートしました。
年齢は二人とも4歳で、乳歯列安定期です。



もちろん前歯は反対咬合ですが、下顎が向かって右側にズレていて奥歯の噛み合わせも上下逆の傾向があります。
反対咬合では、上の歯並びの前後径だけではなく幅も小さいことがあって、このような患者さんも1パターンです。



こちらの患者さんも反対咬合に加えて、軽度ですが下顎のズレがあります。
年齢的に下顎形態の非対称はありませんので、早期治療での噛み合わせ改善は意味が大きいと考えます。
例えば同様な状況で放置して、思春期成長期になると骨格的非対称性が出て来ます。
例えば将来的に永久歯列での全体的矯正が必要になった場合、下顎のズレは厄介になります。
お二人とも、マウスピースタイプの矯正装置、プレオルソタイプ3での治療スタートで、3か月~6か月で治癒と予測しています。



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噛み合わせは早めに治す1例

2023-09-15 | 歯並び、矯正の話

反対咬合で噛み合わせが深い患者さんでは、下顎が前方誘導されている要素が強いので、早期の改善が望ましいと言えます。
乳歯列では4歳頃が望ましいのですが、装置を上手く使ってくれるかどうか微妙な年齢でもあります。




まさに4歳になったばかりの反対咬合の患者さん。
しっかり逆で、早期改善が望ましい例。





顎関節がまだまだ出来上がっていませんので、下顎もここまで後退します。
プレオルソ(タイプ3)の使用が上手にできて、3カ月ほどでほぼ良好な噛み合わせになりました。
その後、噛み合わせ安定のため、さらに3か月使用してもらい、スタートから6か月後が以下です。
適応症と治療協力度の判断が適切であれば、プレオルソでは、これくらいの治療期間が平均的です。





この時期に改善して、永久歯の生え変わりを待つのが理想的です。
ただし、この噛み合わせ治療は、飽くまでも第1ステップで、下顎成長が終わる10代半ば頃までは経過観察して、途中何らかの介入が必要かも知れません。
永久歯になると、歯のサイズによっては歯並びの問題も出てくることもあり、これも適時な介入が必要なことがあります。


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早めの噛み合わせ改善が望ましい例

2023-09-02 | 歯並び、矯正の話

永久歯前歯部分が逆に噛んでいる、反対咬合または交叉咬合で、一部早期アプローチが望ましい例があります。





本日来院の2例ですが、いずれも、下の前歯間に上の前歯がはまり込んだようなかみ合わせになっている小学生の患者さんです。
このような場合、下の前歯の噛み合わせ負担が大きくなる外傷性咬合になり、グラグラが見られることがあります。
最初の例では、下の前歯が外側傾斜して、年齢の割には歯茎のラインが低い状態です。
根が露出するようなことはありませんが、噛み合わせ改善して内側移動すれば、グラグラや歯茎のラインは改善します。
後の例では、この後生えて来る上の側切歯のスペース不足が予測され、上の歯並びの拡大も必要かも知れません。
外傷性咬合がなければ、その時期まで待って、上の前歯4本の歯並びかみ合わせの改善をします。
この2例の場合、早めの噛み合わせ改善が望ましい例と考えます。
マウスピースタイプのプレオルソ(タイプ3)を本日からスタートで、使用状況が良好であれば3か月ほどで改善すると予測しています。



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小学生の反対咬合治療のタイミング

2023-08-26 | 歯並び、矯正の話

日本人に八重歯が多いのは、反対咬合系が人種的に多いことと関連していて、過去のブログでも度々述べています。
上顎前突系でも反対咬合系でも、外観から見た頭部の前後径や側方から見たプロファイル、そして奥歯部分の前後的位置関係(噛み合わせ)とリンクしていることが多く、治療前診断に多いに役立ちます。
また、反対咬合系では永久歯生え変わり時期、下の歯並びはOKでも上の前歯部分がデコボコ(特に側切歯が内側や捻転)は良くあって、まだ生え変わり前の犬歯の位置不良を伴うことも多々あります。
そのような例では、犬歯や第1小臼歯が生え変わる時期まで若干待って、治療スタートを行なっています。
そのような典型例が以下です。





小学校高学年に入りました。
側切歯が内側で、予測通り犬歯が位置不良で生え替わって来ました。



奥歯噛み合わせの反対咬合傾向は弱く、上の歯並び前方が小さいというパターンです。
噛み合わせズレが小さいのは、治療予後は悪くないと予測されます。
上の歯並び全体にブラケット装着で、この時期は上の歯並びのみのアプローチで歯並び噛み合わせの改善を行います。
治療期間は多分1年以内でしょう。
その後、患者さんの下顎成長期がやって来ますので、4年後くらいに全体矯正が必要か検討することになります。
歯並びのみだと、これも典型で、下はOKです。



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開咬の一例

2023-08-17 | 歯並び、矯正の話

開咬とは、主として前歯部分が上下噛み合っていない例のことです。
水平的(前後的)開咬では、出っ歯系の傾向に伴って、上下前歯間に下唇が入ってしまうケースが一般的です。
垂直的(上下的)開咬では反対咬合系の骨格や嚙み合わせ、舌の位置が低位で突出癖があることに関連しています。
垂直的開咬は、矯正治療がもっとも難しい部類に入ります。



10代後半の患者さんで、噛み合わせが気になるとのこと。
顎の成長は終了している年齢で、開咬はなかなか重症で、これでは前歯でモノが噛めないのは明らかです。
舌も前方に突出しやすいので、滑舌も悪くなります。
思ったより反対咬合系の骨格、噛み合わせではなく、ちょっと安心です。



上下の噛み合わせをつくるためには、抜歯矯正で前歯を内側移動する必要もあるかも知れません。
半年ほどは、抜歯せずに噛み合わせの改善程度を評価して、その後の方針を再検討します。
ただし、開咬は治療終了後の後戻りが起きやすいので、将来的には前歯で程々噛めるという状況で落ち着くかと思います。
患者さんの口唇や舌のバランスなどが出来上がっている年齢で、開咬と口腔周囲筋との関連があることも多く、限界を感じて悩ましいところです。
ちなみに上の前歯1本は神経の処置をされており、変色があります。
矯正治療後に、内部からホワイトニングの予定です。



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部分矯正でOKか検討する

2023-08-16 | 歯並び、矯正の話

高校生の女子の患者さんで、下の前歯のデコボコがあります。





かつて、上の前歯のデコボコの部分矯正治療を行って、現在は保定装置も終了しています。
その時期にも下の前歯にデコボコはありましたが、反対咬合系のバックグラウンドが疑われましたので、噛み合わせの変化を考え、あえて経過観察としました。
その後年齢的に下顎成長期も終了して、現在のかみ合わせで安定と判断されます。
犬歯以降の噛み合わせがほぼニュートラルで、下の歯並び以外は良好です。また、噛み合わせの深さも平均的です。
下の前歯6本は、歯の高さや傾斜の違いも含んでデコボコですが、理論的にはこの部分の歯並びを改善すれば、歯並びかみ合わせとも良好になります。
なので、この患者さんは下の6本または8本のみの部分矯正からスタート予定としました。



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前歯の歯並びかみ合わせの改善時期

2023-08-09 | 歯並び、矯正の話

小学生後半の患者さんで、犬歯などの側方歯が生え変わる時期です。



向かって左上の側切歯が生えてきた時点で、上下逆になっていました(交叉咬合)。
このような事例では、まだ交換していない隣の犬歯の位置不良が多々あります。
早めに交叉咬合を治療することで、犬歯位置の悪化の可能性があること、また犬歯が出て来ても八重歯的になることも予測されます。
上下前歯の捻れ等で、外傷性咬合になっている場合は例外的に早期の改善をしますが、上の写真のように犬歯が出て来て以降に、犬歯も含めて歯並びかみ合わせ改善が望ましいと考えます。
上の前歯のデコボコが強い場合、相対的に上の歯並びが小さく、反対咬合系のかみ合わせとリンクしていることも少なくありません。
この患者さんも、そのような傾向があります。



生えかわりも終盤の年齢です。
この歯並びをそのまま放置しておくと、奥歯の生え変わり以降に前方移動して、デコボコが悪化する可能性があります。
このような要素を考えると、上の歯並びの第1期矯正治療は、この時期が望ましいですね。
第1小臼歯まで8本にブラケットを装着で、9か月前後で改善すると予測しています。



下の歯並びも若干デコボコがありますが、永久歯列になり顎の成長発育が落ち着いたところで、全体的な矯正を考えればOKです。



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反対咬合系の歯並びかみ合わせ治療

2023-08-05 | 歯並び、矯正の話

反対咬合系の女子の患者さんで、下顎成長が落ち着く10代半ばまで経過観察していました。



上下の歯並びのガタガタは重症でなく、嚙み合わせ良好であれば、歯並び改善はイージーケースです。
かみ合わせ的に下顎が前方かつ右側のズレ、上の歯並びの向かって右側へのズレがあって、上下真ん中の不一致があります。





左右とも下顎前方ですが、程度の左右差があります。
上顎小さめなので、歯並び改善すると、上の前歯は前方傾斜傾向が出て来ます。
抜歯をしないで上下真ん中を一致させることは難しいでしょうし、上の前歯の前傾度が、抜歯せずに口唇との調和など許容範囲に収まるか、というところがポイントです。
また、理論的には上下歯並びを良くすれば反対咬合になりますので、3次元的にどのようにカモフラージュして、前歯の噛み合わせをほぼ正常にするかも工夫が必要です。
仕上がりの理想的には、抜歯矯正が無難ですが、とりあえず非抜歯でスタートとしました。



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成長期の噛み合わせ改善

2023-07-31 | 歯並び、矯正の話

歯科医によってコンセプトの違いはあるかと思いますが、歯並びは後でどうにでもできるので、永久歯列になるまでに噛み合わせの問題を改善することを優先しています。





小学校中程の患者さんで、永久歯前歯に加えて犬歯付近まで全く噛み合っていません。
このような開咬は、骨格や舌の位置の不良とかも関連して、矯正治療では最も厄介です。
反対咬合系の骨格ともリンクしていることが多く、骨格成長の考慮が必須です。
この患者さんも同様でした。
成長期の介入でどこまで改善効果があるかは、予知性が小さいと言えます。
プレオルソ(成長期用のマウスピース装置)で開咬治療に特化したタイプを使用しました。
使用は良好で1年3ヵ月経過。





犬歯や小臼歯がどんどん生え変わる年齢になりました。
なので奥歯付近は上下スペースがありますが、前歯部分はほぼ噛み合って来ました。



上の前歯の若干のデコボコのせいで、上下噛み合わせはタイトではありませんが、改善効果は明らかです。
あえて、一旦装置使用はストップして、成長発育と噛み合わせの変化を経過観察することにしました。
永久歯列でトライしてもこのような改善は期待できないので、今後の下顎骨成長に伴う変化には要注意ですが、この時期にアプローチした意味があったのではと考えています。
ちなみに、今後噛み合わせの悪化があまり見られなければ、上の前歯のデコボコの改善は piece of cake です。


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またまた、上の犬歯が生え変わりにくい例

2023-07-29 | 歯並び、矯正の話

昨日今日で、上の犬歯の位置が良くない患者さんが3名。



犬歯部分が、他の永久歯や反対側と比べて生え変わりが遅いので、X線チェックしました。
犬歯はグラグラは始まっていなくて、ほどほど根が残っています。
犬歯が側切歯側に位置しているためスムーズに生え変わらない可能性があります。
犬歯は多分ズレて出てくるので、その段階で乳歯が残っていれば、抜歯で解決です。



この患者さんは中学3年性で、第2大臼歯(いわゆる12歳臼歯)が出てこないのと、乳歯が1本残っているとのことで、数年ぶりに来院されました。
パノラマ撮影してみると、全体的に歯の形成や出るのが遅い患者さんで、第2大臼歯は待てば出てきます。
問題は、向かって左上犬歯が、後ろの第1、第2小臼歯の間付近に埋まっていることです。なので、いまだに乳犬歯が残っているわけです。
この患者さんは出っ歯傾向もありますが、もともと歯並び噛み合わせには主訴はありませんので、将来を考えると少なくとも犬歯を良い位置に移動するのが望ましいですね。
繰り返しの来院や費用も必要なので、どこまで必要性を認識して頂くか、というところです。
犬歯が出て来ても来なくても、そのままにしておくのは、勿体ないですね。



こちらは歯並び噛み合わせ治療のご希望で11歳です。
奥歯の生え変わりがどんどん進む時期ですが、向かって右上の犬歯が、やはり後方に第1第2小臼歯間までズレていて、乳犬歯が残っています。
前の患者さんと違うのは、位置がズレているものの、犬歯の先が出始めていることです。
下の前歯が1本位欠如してさらに出っ歯傾向が強く、それが来院の理由です。
多分将来的には抜歯矯正にはなりますが、その前に犬歯を定位置に移動する矯正からスタートです。
上記のような例は特殊ではありませんので、一般的な上の前歯のみのデコボコ症例でも、まずは出てくる前の犬歯位置のチェックが必須です。



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