司馬遼太郎の原作をむさぼるように読んだのはいつのことだったろうか。まだ私が尋常学校に通っていた頃だから大正三年・・・この件もう続けなくていいかな?
11月29日から五回の放送。その後は福山雅治の「龍馬伝」だから幕末維新好きでイケメン食いの女子にはたまらないだろう。
初回は秋山兄弟と正岡子規の幼少期から青年期20歳ぐらいまでを描いていた。観ていておっと思ったのは、廃藩置県によって武士が失業したこと。言われてみれば当たり前なのだが意識したことがなかった。その時代の強い上向きのほとばしるような熱い思いが伝わって来る。学校に行きたくても行けなかった時代と学校に行きたくないのに行かないといけない今、どっちが幸せなのだろうか。
菅野美穂が正岡の妹役で17歳ぐらいを演じているが何ら違和感がない。ミヤネ屋の丸岡いずみアナは「奇跡の38歳」と呼ばれているそうだが、菅野美穂も「ミラクルな32歳」である。
秋山好古こと阿部寛が弟との共同生活で茶碗がたった一つであることについて「身辺は質素な方が良い」と説く。身の回りのモノ(物理的に存在するモノ、精神的なモノ)を今年になって急速に整理・譲渡・売却・廃棄している私は「だろ?そうだろ?」と小さくつぶやいてしまった。
全体的にやや説教くさいというか教育的に良い方向に作られていることが気にならないこともないが、小さい小さい。熱く焦げるようなモノをかつては腹の底に抱いていたわしら、そして熱いモノを持ちたいと願う若者たち双方にとって大収穫となるドラマだった。
いやいや。さすがNHKだね。え?
N ナニモナイトキハ
H ヒトリデ
K コレヲミトケバイイ
坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)司馬 遼太郎文藝春秋このアイテムの詳細を見る |