哲司39歳、銀行員、出世コースから外れ、外資に勤める妻の年収の方が多くなった。うつ状態になり休職することになった。三重の田舎に家を建てた母が死に、その家の始末に来た。喜美子39歳、息子に死なれ、あちこち転々としていた。たまたま会った哲司を助け、家の片付けを手伝うようになった。自称オバチャン
ある種の完璧な小説だった。
ヒッチハイクをする喜美子を説明するプロローグ、悩みを抱えた哲司。彼を助けてあげる喜美子。こうなったらいいな、こうなったらいやだなと読む者を振り回すストーリー。素晴らしい。
喜美子は理想のタイプの女性だなと思うのと、どんな事があっても、人間は再生できる、やり直せると深く思った。
今日の一曲
山下達郎で、"GET BACK IN LOVE"
では、また。
山下達郎で、"GET BACK IN LOVE"
では、また。
亜希、1歳の息子の子育てにキリキリ舞い。仕事復帰したいのに難しい。茗子は仕事でリーダーとなるが妊娠する同僚たちに振り回される。二人が読んでるのはHikariのブログ。ブログ主の投稿を読んで心配になり・・・
子育ての難しさ、育休を取られ迷惑する女性社員の気持ち。女性じゃないのに本人になったような凄い臨場感。苦しいと思いながら読んだ。男性必読の大傑作
今日の一曲
Alabama Shakesで、"Don't Wanna Fight"
では、また。
Alabama Shakesで、"Don't Wanna Fight"
では、また。
男が二人続けて猟奇的に殺される。レイプ事件の復讐か?ジャーナリスト木部美智子が調査していくと警察とほぼ同時に容疑者に行き着くが眼の前で自殺される。そして新たに判明するのは・・・
執拗に推理、仮説、周辺描写が繰り返される。松本清張のようだ。
真相は、面白いと言えば面白いし、無理矢理だなと言えば無理矢理。ただストーリー展開や丁寧な描写には好感。
今日の一曲
Brittany Howardで、"Stay High"
Brittany Howardで、"Stay High"
では、また。
愛媛の島、青埜櫂高校生、他人を頼るだけの母と暮らす。同級生の井上暁海、父が恋人と暮らし、母はずっと鬱状態。付き合う、櫂と暁海、漫画原作者を目指す櫂、そして遠距離恋愛・・・
2日で読み終える頁数なのに、勿体なくて5日かけて読んだ。
今年のNO1候補であるとともに、マイ恋愛小説オールタイム・ベスト。櫂、暁海、北原先生、登場人物へのリスペクトが止まらない。これだから小説はやめられない。
※下にネタバレあり
今日の一曲
The 1975で、"I'm In Love With You"
The 1975で、"I'm In Love With You"
※以下ネタバレ
東京に出て櫂は大ヒット。しかし作画担当の未成年男子との不適切行為によって絶版。暁海は櫂との遠距離恋愛は成就できないが刺繍作家として活躍。高校の先生と結婚。櫂の作画者が自殺、櫂は胃がん。最期を看取る。
では、また。
東京に出て櫂は大ヒット。しかし作画担当の未成年男子との不適切行為によって絶版。暁海は櫂との遠距離恋愛は成就できないが刺繍作家として活躍。高校の先生と結婚。櫂の作画者が自殺、櫂は胃がん。最期を看取る。
では、また。
安納みゆき、中高一貫校に通う息子が行方不明。富山の友人宅にいることが分かった。富山に行く。長年会話してない鉄オタの夫範太郎が一緒に行くと言い出した・・・
険悪な仲になっている夫婦が珍道中を経て、良好になってゆくのかを読むという意味ではサスペンス。息子の成長を読むという意味では冒険小説。
面白いというより、自らを省みる小説だった。
今日の一曲
Sébastien Izambardで、"Have I Told You Lately"
では、また。
Sébastien Izambardで、"Have I Told You Lately"
では、また。
イタリア語通訳の抱腹絶倒エッセイ。めちゃくちゃ面白い。前に読んだようだが初めてのように楽しめた。(何も覚えていないのが怖い)
1970年東京外語大の学生のとき、イタリア人30人をアテンドして東京、日光、箱根、伊勢志摩、京都、神戸、大阪を12日間回る地獄がデビューだったという話が一番印象的だった。その後通訳技術も日本の名所案内もうまくなっていったはずなのに、貰ったチップは最初が一番多かったというのは何やら含蓄深い。
今日の一曲
Led Zeppelinで、"Moby Dick"
Led Zeppelinで、"Moby Dick"
では、また。
桐ヶ谷京介は美術解剖学を専攻し、服飾メーカーと熟練の職人を繋ぐブローカー的仕事をしてる。10年前の未解決事件で被害者少女の着るワンピースを見て、警察の分からなかったことを推理した・・・
布、糸、生地、プリント、縫製という未知の世界をこれでもかと披露してくれる。面白かった。
ここまで自分の知らないことだらけのミステリーを読むことはまずない。刺激的だった。
今日の一曲
TOMOOで、「オセロ」
では、また。
TOMOOで、「オセロ」
では、また。
先祖を探す邑楽風子。その過程でトラブルが発生したり、自分の過去を知ったり。
珍しい切り口が新鮮、全体としてはまあまあ。第三話の、10歳ぐらいの少年に何かが憑く話と四話の、寿町暮らしの男が無戸籍なので戸籍を取得したいという話はすごく面白かった。
今日の一曲
中森明菜で、"LIAR"
では、また。
中森明菜で、"LIAR"
では、また。
ワイオミング州猟区管理官ジョー・ピケットシリーズ。死んだはずの里子のエイプリルから家に電話があったらしい。どうやらギャングとギャングの息子に拉致されて移動しているようだ。ギャングのステンコは重病、息子のロバートは超強硬の環境保護論者。エイプリルを探して・・・
相変わらずのクオリティ。ただギャングなのに息子に言いなりのステンコと、カーボンオフセットにこんなにも夢中なロバートの気持ちはよく分からない。まあそういう人もこの世にはいるのだろうけれど。
今日の一曲
Gary Moore — The Messiah Will Come Again
では、また。
Gary Moore — The Messiah Will Come Again
では、また。
55歳本間、コレステロール値が高いと言われるが、ジョギングは昔膝を痛めたので気が進まない。部下の女子社員に勧められたのは自転車。そしてロードバイクの世界に魅せられていく。
既に知ってる情報が多いのとほぼ想像通りに進むストーリーは安心できるものの、ちむどんどんはしない。しかしこれからロードバイクを買いたい、乗ってみたいという人にはオススメ。
今日の一曲
Limp Bizkitで、"My Way"
では、また。
Limp Bizkitで、"My Way"
では、また。
ぼくは他人の心が読めて、ちょっといいことをしてきた。そして大学生になり、オムライス屋でバイトしている。新しく入ってきた常磐さんは他の人と打ちとけない。そして誰かの声が聴こえてきて・・・
とても良かった。エスパーの話かと思ったらそっち方面でもなく、でも何の話かと訊かれると困る。
全て普通で取り柄のない青年の成長物語に、エスパー風のスパイスが混じってるという感じ。
今日の一曲
INXSで、"Never Tear Us Apart"
では、また。
INXSで、"Never Tear Us Apart"
では、また。
怪異な話を聞いてあげる三島屋シリーズ。呪われた者に現れる虻の話、なかなか結婚しようとしない兄の所に出現する土鍋の話、池から引き上げた土左衛門の話。
相変わらず面白いのだが、長い。特に虻の話が長かった。一つ一つの話を短くして、5篇ぐらいにして欲しかった。
今日の一曲
Jacob Collierで、"All I Need"
では、また。
Jacob Collierで、"All I Need"
では、また。