頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

店名にツッコんでください221

2019-08-18 | laugh or let me die
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『震える山』C・J・ボックス

2019-08-16 | books
ワイオミング州猟区管理官ジョー・ピケットシリーズ第4作(第2作は未訳、電子書籍で出るらしい) 尊敬する先輩管理官ウィルが44マグナムをくわえて自殺した。自分の担当区域を離れ、ウィルが担当していた場所をしばらく担当しろと命じられた。ウィルが担当していたのはジャクソンという所で国立公園の入り口でもあり、宅地開発計画がありとてもややこしい場所だった。ウィルが自殺するわけがないと調査を始めるジョー。違法な猟をする者、開発を強引に進めようとする業者、誘惑してくる人妻。そして親友ネイト(前作参照)を殺そうとする者がやって来た・・・

大自然、孤高の男、人物造形、ストーリー展開。全てが完璧。しかも前作より読みやすく、しかも感情移入し易くなっている。多分、善人も悪人も、何故そういうことをしてしまうか、理解出来るからだろうと思う。

ジョーは奥さんメアリーベスや娘達と離れてしまうので、彼女らの話は少し薄まってしまうけれど、過去3作の中でベスト。12作目まで和訳されているので今後バッケンレコードを更新する可能性は充分にあるけれど。

翻訳ミステリーシンジケートのサイトに、シリーズの紹介があった。

読むのがもったいないので、他にすぐ読まなければならない本がない時とか、旅行中なので軽くて、確実に面白い本が読みたい時に読む。まったく同じポジションにいるのがマイクル・コナリーだった。

 

今日の一曲

Base Ball Bearで、「すべては君のせいで」



では、また。


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『訴訟王エジソンの標的』グレアム・ムーア

2019-08-14 | books
ひょんなことからウェスティングハウスの顧問弁護士になった若手ポール。エジソンのエジソン・ジェネラル・エレクトリックから300件以上訴えられている。どうすれば、エジソンに勝てるか?発明界の巨人に挑む姿を描くドキュメント風小説。
 
 
かなり事実に基づいているらしく、こんなことがあったのか驚きながら読んだ。(一応、エジソン=悪辣なヒール、ポールとウェスティングハウス=善人的に読み取った)
 
 
人物造形やストーリーが素晴らしいのだけれど、長い。レストランで何を食べたかなど瑣末な描写はもう少し控えて、三分の二ぐらいに抑えてくれればさらに良かった。
 
 
 
 
今日の一曲
 
Official髭男dismで、「宿命」
 
 
では、また。
 
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『いるいないみらい』窪美澄

2019-08-12 | books
子供を作る/作らない、欲しい/欲しくないというようか葛藤を抱える夫婦や独身の話ばかりの短編集。ちょっと苦手な話かと想像していたけれど、意外に面白かった。

子供を持つべきかというのは、(一部の)人類にとって普遍のテーマなのかも知れない。(一部の人は、深く考えず、持つのが当たり前と考えたり、持たないのが当たり前だと考えたり)

もし自分が◯◯という考えや感覚を持っていたとして、そうではない立場で考えたり感じたりすることが出来るってことは、小説の醍醐味の一つかも知れない。


 


今日の一曲

古臭い感じもするけれど、同時に今聴いても色あせない。The Whispersで、"In The Mood"



では、また。


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『119』長岡弘樹

2019-08-10 | books
消防士を主人公にする連作短編集。鮮やかに人命を救助する、というよりも人間臭い面を描いている。

最初はあまり頭に入って来なかったけれど、途中から加速して面白くなってきた。

消防士薀蓄があちこちにあり、それもまた良かった。

 
今日の一曲

スピッツで、「優しいあの子」



では、また。


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『ニコライ遭難』吉村昭

2019-08-08 | books
1891年来日したロシアの皇太子ニコライを、巡査の津田がサーベルで頭を切りつけた大津事件。事件より前のニコライの日本での過ごし方や、事件後の政府高官たちが、津田を死刑にしようと暗躍する様を描くドキュメント小説。
 
とっても面白かった。
 
ニコライが来る時に流れたデマが、実は西郷隆盛が生きていて西郷がやって来るのだというのが面白い。ロシアで西郷を見かけたという噂が流れたそうだ。西郷に帰ってきてもらっては困るので、ニコライ(=西郷?)をやっつけなくてはならないと考える輩がいるので、警戒が厳重になったとか。
 
ニコライは日本滞在を大いに楽しんだそうでその辺も面白い。
 
最大の読みどころは、松方首相や大臣の西郷従道たちが、津田を死刑にしようとするところ。ニコライは死ななかった(国に帰ると殺されちゃうけどね)ので、謀殺未遂にしかならない。その場合最高で終身刑。それだとロシアに怒られそう(世界最大の陸軍大国だし)なので、死刑にするために、刑法116条の天皇や皇太子に対する場合を適用しようとした。しかし、大審院長の児島は日本の皇室にしか当てはまらないとして、政府と闘う。
 
結果は歴史の教科書に書いてあるけれど、それをただ読むだけと、前後のエピソードを色々読むのでは、だいぶ違うわだなと改めて思った。
 
 
 
 
 

今日の一曲
 
Madonnaで、"Holliday"
 
  
では、また。
 
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『劇画ヒットラー』水木しげる

2019-08-06 | books
 
先日そごう美術館で「水木しげる 魂の漫画展」を観た。10代の頃から猛烈に絵が上手いのに驚いた。鬼太郎以外の漫画にも興味を持ったので読んでみた。
 
 
元々は浮浪者だったヒットラーが、戦争に行き、政党に加わり、一揆を起こし、投獄され、そして党首に、総統になり、ヨーロッパを恐怖の渦へと巻き込んで行く。
 
全276頁で、第二次世界大戦に突入するのは196頁になってからなので、ドイツ国内で権力を握るまでに詳しい。
 
 
知らない事が多く、意外にも面白かった。ナチスの高官の名前が多数登場するので、子供が読んでも分かりにくく、大人向け劇画だった。
 
 
 
 
 
 
今日の一曲
 
 
David Bowie で、"Modern Love"
 
 
 
 
では、また。
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店名にツッコんでください220

2019-08-04 | laugh or let me die
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『緋の河』桜木紫乃

2019-08-02 | books
秀男は釧路に生まれ、自分が女性的な言葉を使ったり、服を着たいという願望を隠し切れず、小さいうちから変人扱いされ父親からは叱られる。東京ではゲイボーイという仕事があると知り、家出をし、札幌でお店に入ることが出来た・・・

かなり面白かった。時代背景、主人公の造形、ストーリー展開、全てが好み。

カルーセル麻紀をモデルしたそうだけれど、作者のインタビューを読むと、家族構成など、変えている部分は多く、本人から聞いたエピソードでも使ってないものは多いそうだ。

カルーセル麻紀は、昔テレビでよく見かけた。毒舌なのと、性転換のパイオニアというぐらいしか記憶にない。彼女、あるいはこの時代の性同一性障害の人たちはこんな苦労をしたのだろうと想像させる。彼女はとても強い人だったので、皆がそうだとは言えないだろうけど。

また、性的に秀男が男性に気持ちを寄せたり、寄せられたりする箇所の描写が抜群に巧い。気持ち悪いと感じることはなく、むしろとてもエロチックだと感じた。

小説新潮で第2部の連載が始まった。続きはぜひ読みたいと思っていたので、嬉しい。

 


今日の一曲

Khatia Buniatishviliで、「モーツァルト ピアノ協奏曲23番」



では、また。


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2019夏ドラマちょいとレビュー3

2019-07-31 | film, drama and TV
「セミオトコ」・・・暗く社交性のない木南晴夏、食品会社勤務。あるときセミが人間(山田涼介)になり、7日間だけ木南を癒してくれると言う。これが意外と良かった。暗いけどいい人役の木南が巧い。「トクサツガガガ」の小芝風花のオタクな感じと同様に。山田くんは美少年過ぎてあまり好きではなかったのだけれど、貼ってあったポスターに写る人間になったので、人工的な美がそれっぽくハマっている。


「べしゃり暮らし」・・・高校放送部の人気者間宮祥太朗、人呼んで「学園の爆笑王」。放送中に転校生の渡辺大知が関西出身と知ってブースに連れ込みアドリブで喋らせると、これが面白かった。ぶ色んな事があって、文化祭の漫才コンテストに二人で出場することにした、というような高校生漫才コンビの話。テンポがよく、笑いのネタもいい。初回は今期ベストクラス。


「これは経費で落ちません!」・・・多部未華子は経理部で、厳しく営業マンたちの経費の精算している。終業後、友達と飲みに行くのではなく、一人の家に帰る。会社内のトラブルを解決する、頼り甲斐のある真面目女子。意外と悪くなかった。経理部長や営業部長のキャラがステロタイプっぽかったりするけれど。



今日の一曲

レルエで、「火花」



では、また。


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『おっぱいがほしい!男の子育て日記』樋口毅宏

2019-07-29 | books
ラジオクラウドで、去年の水道橋博士のメルマ旬報を聴いていたら、小説家樋口毅宏がゲストで、奥さんがヤリマンだというような話をしていて、興味を持ち読んだみた。


樋口の「タモリ論」をTwitterで褒めていた東大出の弁護士三輪記子(テレビに出てるらしい)と意気投合し、結婚する。しかし、2回婚約破棄したことがあるとか、あるいは外を歩くと、元セフレに出会う妻に唖然とする・・・

弁護士の妻は忙しく、家で子育てに邁進する夫の苦労をリアルに描く。

正直子育て部分よりも、奥さんとの闘いが面白かった。こういう奥さんとは絶対結婚したくないという、反面教師を実演してくれてる。結婚なんてまだまだという若人にぜひ読んで欲しい。逆に、子育てで疲れはてている、妻、夫に読んで欲しい。素晴らしいエッセイだった。





 今日の一曲

菅田将暉で、「キスだけで feat. あいみょん」



では、また。
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『Red』島本理生

2019-07-27 | books
塔子は夫、娘、義理の父母と同居している。夫は悪い人ではないのかも知らないけれど、子育てを手伝ってくれることはなく、女性を見下した発言が目につくようになってきた。友達の結婚式で再開したのは、学生の頃バイトしてた先の社長。不倫相手だった。昔とは違う会社にいて、そちらで働かないかと誘われる・・・

小さな子ども、仕事、理解のない夫、という三つを抱えた女性の物語。女性じゃないけど、共感できるし、ストーリーもかなり面白い。

性愛描写がかなり多いので、電車内で読む時に、隣の人から見えないように本を狭く広げていた。

夫の描写が絶妙で、暴力をふるうようなことはないけれど、結局自分本位で相手に気遣いが出来ない、こんな人あちこちにいるよな、思いながら読んだ。

 「幸せっていうのは、君にとって、そんなに単純なものなんですか?そうやって君が、雑誌やテレビで見聞きしたような倫理観をつなぎ合わせたことばかり言うのは、ただの思考停止だよ」


 


今日の一曲

ドラマ「ルパンの娘」の主題歌、サカナクションで、「モス」



では、また。


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『大好きな町に用がある』角田光代

2019-07-25 | books
旅エッセイ。一編当たり、5頁ちょっと。すごく同感できるのもあるし、軽くスルーしてしまうのもある。  

面白いと思ったのは、自分は香港と相性がいいという表現。なるほど。私だと、東北の太平洋側とは相性が悪く、日本海側(秋田、山形、青森)とは相性がいい、みたいなことがある。

あとは、タコは冷凍すると柔らかくなるとか、金気を嫌うので、楊枝で食べた方が美味いということ。知らなかった。


 

今日の一曲

雨のパレードで、"Summer Time Magic"



では、また。


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2019夏ドラマちょいとレビューその2

2019-07-23 | film, drama and TV
「Iターン」・・・広告会社のムロツヨシは上司の悪口を言ったのがバレて、地方に左遷。請け負った消費者金融のチラシの電話番号を間違えて、組長の田中圭に500万払え、と脅されていたら、別の組長古田新太の仕事もミスっていて、拉致され、舎弟にさせられる。というハチャメチャな話。原作の福澤徹三は別の作品が面白かったので、今回も続けて観てれば面白くなるのかも知れない。
 
「ボイス 110緊急指令室」・・・妻を殺された敏腕だけど暴力刑事が唐沢寿明。音で分析する真木よう子と協力して事件を解決してゆく。ストーリーは悪くないけど、唐沢の荒っぽい演技と、真木の顔が昔とは違っていて、双方に違和感あり。横浜が舞台になるドラマがとても多いけど、なぜだろう?横浜から遠い人はどんなイメージを持つのだろう。
 
「TWO WEEKS」・・・殺人で服役し、ホストのような暮らしをする三浦春馬の元に、元カノの比嘉愛未が。二人の間の娘が白血病になったと言う。骨髄の検査をしたらドナーとなれることが分かった。手術は2週間後。しかし、何者かに後頭部を殴られ、気がついたら包丁を持って女性の遺体の側にいた。逮捕されてしまった。ストーリーは悪くないのだけれど、三浦は好青年に見えてしまうし、検事役の芳根京子も合わない。
 
「凪のお暇」・・・周囲に流され、会社の同僚にいいように使われる黒木華。可愛そうかと思っていたら、実は会社で人気の高橋一生と付き合っていた。しかし、会社で高橋が同僚に、彼女はセックスがいいだけで、ケチ臭くて嫌だと言ってるのを聞いてしまう。そして会社を辞めて、郊外に越し新しい人生を送る。なかなか面白かった。凪をいじめるOL三人組の言動がリアル。高橋は黒木と別れてせいせいしてるかと思ったら、彼女のアパートにまでやって来るし、未練たらたらだと分かった。男の複雑な心境(?)の描写に期待。今期のベストの予感。
 
 
 
今日の一曲
 
 
ドラマ「Heaven?~ご苦楽レストラン~」の主題歌、あいみょんで、「真夏の夜の匂いがする」
 
 
 
では、また。
 
 
 

 
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店名にツッコんでください219

2019-07-21 | laugh or let me die
コメント (4)