頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『ハグとナガラ』原田マハ

2023-01-30 | books
昔からの女友達二人が、色んな事情を抱えつつ、あちこちを旅する連作短編集。

軽くさらっと読めた。旅とはいったい何なのかなんて考えさせられた。


 

今日の一曲

Jeff BeckとRod Stewartで、"People Get Ready"



では、また。



コメント

『君のクイズ』小川哲

2023-01-28 | books
優勝賞金一千万円のクイズ番組の決勝。最終問題でアナウンサーが息を吸いまだ言葉を発しないうちに答えを言い、正解した対戦相手本庄絆。あっけにとられた敗者三島は、何故こんなことがあったのか論理的に考える。

ラストはあまり好みの展開ではなかったけれど、その直前の何故何も言ってないのにクイズの正解が分かったのかという最大の謎の答えはとても面白い。ラストのラスト以外は素晴らしかった。

 

今日の一曲

Yellow Magic Orchestoraで、"COSMIC SURFIN'"



では、また。



コメント

『真珠湾の冬』ジェイムズ・ケストレル

2023-01-26 | books
1941年ホノルル、真珠湾攻撃直前、アメリカ人男性と日本人女性が殺害される。男性は提督の甥だった。刑事は容疑者らしき男を追いかけていた香港へ。そして思いもよらぬ人生に。

面白かった。殺人事件の真相よりもマグレディがまさかそんなことになってしまうという驚きの方がインパクト大だった。


※ネタバレ


真珠湾攻撃に関する文書を起草する東郷外務大臣の秘書としてタイプライターで打っていた女性が内容をアメリカ側をもらすかも知れないとして殺された。マグレディは香港で容疑者に迫るが、マグレディの上司から情報を得て、先にマグレディを香港警察に逮捕される。当時の香港は日本に占領され、彼の身柄は東京へ。外務省職員の高橋に救われる。彼の姪が被害者であり、殺人事件をマグレディに解決して欲しいから。高橋の家に匿われるが外に出られない。高橋の娘サチと恋仲になるが、憲兵に姿を見られたため殺す。サチは急にマグレディを受け入れられなくなり長野に疎開。戦後になってアメリカに帰国、謎を解いた。

 

今日の一曲

Vaundyで、「まぶた」



では、また。


コメント

店名にツッコんでください305

2023-01-24 | laugh or let me die
店名にツッコんでください305
コメント (4)

2023年1月ドラマちょいとレビューその4

2023-01-22 | film, drama and TV
「星降る夜に」・・・小さな産婦人科の医師吉高由里子。ソロキャンプをしていたら、星の写真を撮っていた北村匠海と知り合いになる。彼は遺品整理の仕事をしていて聾唖であった。母親の葬儀で彼と再開した。不真面目そうだけど真摯に仕事に向かっているのを知る。ラブストーリーにこれからなっていくであろう雰囲気。なかなか良かった。

「夕暮れに、手をつなぐ」・・・婚約者に会うため福岡から上京してきた広瀬すず、彼に婚約破棄される。鳴かず飛ばずの作曲家は永瀬廉。スマホが水没しそうになったのを広瀬に救ってもらう。そして偶然東京のホテルで出会い、彼女の命を救う。そして偶然同じ下宿で暮らすことになる。広瀬の訛の強さ、あっけらかんとした性格にやや違和感を感じる。そして偶然が多すぎる。

「スタンド UP スタート」・・・竜星涼は人生でうまくいっていない人に起業を促す投資会社を経営。初回は銀行から左遷された小手伸也に、スタートアップ企業と銀行の橋渡し役を提案する。アイデアはなかなか面白い。竜星がいい人すぎるのがちと気になるが。

「しょうもない僕らの恋愛論」・・・デザイナー眞島秀和、仕事に充実感を失いつつ。20年前好きだった女性から、SNSに友達リクエストが来る。了解すると会いたいと言われ、会うと20年前の彼女がそこにいた。その人は彼女の娘で母は亡くなったと言う。眞島と彼女と昔からの友人矢田亜希子のやり取りから、止まっていた時間が動き出す。まだ導入部なので判断保留。

「リエゾン こどものこころ診療所」・・・自分に発達障害があると自覚のある研修医松本穂香、ミス連発で病院をクビに。昔通っていた郊外の小児科に行ってみると、名前が変わり、山崎育三郎の児童精神科クリニックになっていた。ここで研修を受けることにした。発達障害などに興味があるので、今後もっとネタが沢山出てくるのを期待する。

「探偵ロマンス」・・・後に江戸川乱歩となる平井太郎(濱田岳)はまだ売れない作家志望。名探偵だった草刈正雄と組んで、事件を解決していくらしい。まだ何とも分からない。




今日の一曲

佐野元春で、「さよならメランコリア」



では、また。



コメント

『光のとこにいてね』一穂ミチ

2023-01-20 | books
団地住まい、貧乏で干渉する母と暮らす果遠。金持ちではあるが冷たい母と暮らす結珠。二人は偶然出会う。別れてしまうがまた再会する。

今年ナンバーワンかも知れん。素晴らしかった。

違った形ではあるが、毒母に育てられた二人。二人の内面、人生、すごく考えさせられる。



※ネタバレ

母が不倫してた結珠。貧乏な家の子の果遠は奨学金をとって結珠の通ってる名門校に入学。しかし母親の不始末で果遠は夜逃げ。結珠は小学校の先生になるが学級崩壊で休職して和歌山に越す。そこでは果遠がスナックのママをしていた。

 

今日の一曲

TOMOOで、"Cinderella"



では、また。



コメント

2023年1月ドラマちょいとレビューその3

2023-01-18 | film, drama and TV
「100万回言えばよかった」・・・やっと付き合えることになったシェフをしてる彼氏の佐藤健が死んでしまった。残された井上真央は彼を探す。別の殺人事件の捜査担当の松山ケンイチは佐藤健の幽霊の姿が見える。ラブコメかと思ったら、サスペンス、かと思ったらファンタジー。意表を付く展開でなかなか面白かった。

「大病院占拠」・・・射殺事件でトラウマを抱え休職中の刑事櫻井翔。たまたまいた病院で立て籠もり事件が起こり、携帯電話がつうじないなかトランシーバーで警察と連絡をとる。人質には神奈川県知事。作り物っぽい非現実感が漂うけど、今後は気になる。

「ハマる男に蹴りたい女」 ・・・強引にやり過ぎてビール会社で左遷され辞めてしまった藤ヶ谷太輔。妻もいなくなった。姉の紹介で、関水渚ら女性3人が住む下宿(シェアハウス?)の管理人となり、家事全般をすることになった。特に面白いと思えるポイントは発見できなかった。

「6秒間の軌跡」・・・花火師の親子、橋爪功と高橋一生。父が急死。本田翼が個人オーダーの花火を依頼してくる。そして住み込みで働きたいと言い出す。今後どうなるかさっぱり分からず、判断保留。

「罠の戦争」・・・多忙な大臣秘書の草彅剛。息子が何者かに突き落とされ重体。その件は事故だと納得しろと言う大臣。本当は大臣の息子が受け取ったのに、支援者からの献金を懐に入れたことを、事故だと納得するなら許すと言われる。受け入れるふりをして、大臣への復讐が始まる。非常に面白かった。最近の政権への皮肉があるし、先が気になる。

「ダ・カーポしませんか」・・・多重債務を抱え自殺しようとする者達の前に現れる武田鉄矢。8名が参加するゲームへ誘う。全員集合生命保険に加入。ゲームごとに一人が死に、保険金を他者が受け取るというもの。面白いような、つまらないような、陳腐なような、斬新なような、保留。


今日の一曲

YELLOW MAGIC ORCHESTRAで、"RYDEEN"




では、また。


コメント

『十二月の辞書』早瀬耕

2023-01-16 | books
北海道の大学の研究者南雲は、昔の彼女栗山(現在は売れっ子イラストレーター)から15年ぶりに電話を受ける。彼女の実の父親が死んだ。彼が残した彼女の絵を、彼が残した家の中から探して欲しいとの依頼をされる。

面白い箇所がすごく多い。スルーして読めず、ひっかかる表現が多いので、読むのに時間がかかってしまった。(ひっからないで早く読める本が「良い本」なのか、時間をかけて楽しめる方がコスパがよいので「良い本」なのか?)絵を隠す動機や、その絵を本人に見せようとしない動機など、人間の心理にはリアリティを感じるのが難しかった。しかし理系的蘊蓄、絶妙な会話など読みどころも多かった。同じ本を読んだ人と読書会を開きたい。

 

今日の一曲

Arctic Monkeysで、"There’d Better Be A Mirrorball"



では、また。


コメント

2023年1月ドラマちょいとレビューその2

2023-01-14 | film, drama and TV
「三千円の使い方」・・・割りと無駄遣いしてしまう葵わかなが、節約に目覚める。原作を読んだはずなのに何も覚えてない。そんなに悪くない。節約がテーマだとスポンサーが付きにくいかと余計な心配を。

「ブラッシュアップライフ」・・・市役所勤務の安藤サクラ。幼馴染は夏帆と木南晴夏。安藤が事故で死んだかと思ったら、33歳の記憶のまま赤ちゃんから人生をやり直すことに。バカリズム脚本らしい、あるあるの会話が凄く巧い。今シーズンナンバーワン。

「女神の教室〜リーガル青春白書」・・・裁判官から左遷され大学のロースクール教員になった北川景子。司法試験合格のことばかり考える生徒や教員に反感を持つ。法律用語が難しい。ストーリーはやや陳腐気味だけどまだ観る。

「ワタシってサバサバしてるから」・・・自分がサバサバしてるって言う人がとってもネチネチしてるという話。主人公丸山礼が嫌な感じがするだけのドラマ・・・では終わらないことを祈る。

「今夜すきやきだよ」・・・蓮佛美沙子は婚約中、彼が家事をやれと言い出して違和感満載、インテリア会社勤務。トリンドル玲奈は恋愛できない絵本作家、料理上手。結婚式で再開した二人。気が合うことが分かったので一緒に暮らすことになった。全く期待してなかったのに、悪くない。

「夫を社会的に抹殺する5つの方法」・・・馬場ふみかは専業主婦。バワハラ夫は野村周平。夫を抹殺する方法を教えるという封筒が投函された。こんなに美人で優しい妻を攻撃する夫にリアリティがない(何でそうなるというヒントでもあればいいけど)しかし次回が気になる。


「リバーサルオーケストラ」・・・西さいたま市のダメオーケストラに、ドイツで活躍していた指揮者田中圭=市長生瀬勝久の息子、を呼ぶ。市役所で働き、家でバイオリンを教えてるのは門脇麦。天才バイオリニストだったのに10年人前で弾いてない。彼女をオケに招聘する。悪くないが、ストーリー展開が遅い。彼女がオケに入ることは分かっているのだから、そこまではもうちょいと速く進めて欲しい。

 

今日の一曲

Official髭男dismで、「ホワイトノイズ」



では、また。


コメント (2)

『バールの正しい使い方』青本雪平

2023-01-12 | books
しょっちゅう転校している少年礼恩が解く、嘘ばかりついてる子の謎、クラスに馴染めない子と水着泥棒の謎、なぜか呼び出された五人の謎、転落死した子の謎、入院してる子の謎の連作短編集。

少年の内面的文体と内容があまり自分には合わないかなと思って読んでいたら、途中から俄然と面白くなってきた。ラストはややこしいけど悪くない。

 

今日の一曲

Liam Gallagherで、"Stand By Me"



では、また。



コメント

2023年1月ドラマちょいとレビューその1

2023-01-10 | film, drama and TV
「警視庁アウトサイダー」・・・所轄の刑事課に西島秀俊は左遷された元マル暴、濱田岳は謎の刑事、上白石萌歌は警視副総監の娘。設定は変わっているが、変わってるだけで、事件解決はそれほど面白くなかった。

「ヒヤマケンタロウの妊娠」・・・途中脱落

「忍者に結婚は難しい」・・・郵便局員の夫、薬剤師の妻。実は伊賀と甲賀の忍者なのに、お互いはそれを知らない。そして粗雑&几帳面で性格が合わない。初回は国会議員を殺す側と警護する側に回った・・・あちこちで宣伝してるのでよほど自信があるのかと期待した。ハードルが上がってしまったのでそれを上回ることはなかったけど、悪くもなかった。

「来世ではちゃんとします3」・・・セフレが5人いる状態から、今回は純愛路線ぽい。相変わらず面白い。↑の忍者ドラマでは郵便局員と薬剤師の夫婦の家がなぜか巨大な一軒家で広いリビングというリアリティのなさ。来世ちゃんは、どの人の家もアパートで、すごく親近感を感じる。

「あなたは私におとされたい」・・・よくわからない投資会社の新宿支店と銀座支店に勤める夫婦。美人な新入社員が意外と仕事ができる、だけじゃなく上司に媚びてきて・・・先が読めてしまう。

「どうする家康」・・・情けない若き家康の姿。後に大物になるからこその落差。期待してたけど、物凄く面白いというほどではなかったけど、まだまだ観る。初回に膨大な登場人物が登場するが誰が誰だかもちろん覚えられない。字幕をオンにして観ているがそれでもなかなか。

「Get Ready」・・・妻夫木聡、藤原竜也、松下奈緒の闇医師チーム。高報酬で難しい手術を手掛ける。オペに至るまでのプロセスが長い。あまり面白くはなかった。有名な役者を使い金をかけても大して面白くないという例になるのか。まだ来週は観るけれど。


今日の一曲

Chilli Beans.で、"lemonade"




では、また。



コメント

『方舟』夕木春央

2023-01-08 | books
山奥の謎の地下施設を見物に来た者たちが事故で閉じ込められてしまう。多くの部屋があり何年も使われていない。そして殺人事件が。誰が?

犯人が判明した後にとんでもないどんでん返しが。素晴らしい。まさかそう来るとは。いつからか本格ミステリーはほとんど読まなくなってしまったけどこれは面白かった。

 

今日の一曲

ATARASHII GAKKO!(新しい学校のリーダーズ)で、 "NAINAINAI"


では、また。


コメント

店名にツッコんでください304

2023-01-06 | laugh or let me die
店名にツッコんでください304
コメント (4)

『文にあたる』牟田都子

2023-01-04 | books
校正を仕事をする著者のエッセイ。1編が数ページ。柔らかい文章が心地よい。

久しぶりに国語辞典を買いたくなった。

 

今日の一曲

Rage Against The Machineで、"Sleep Now in the Fire"


では、また。


コメント

『豪球復活』河合莞爾

2023-01-02 | books
プロ野球大投手矢神は肘を故障し手術。成功したのに投げられなくなってしまった。そしてリハビリしてたLAで行方不明に。ブルペンキャッチャーの沢本がハワイで発見した時は記憶喪失に。日本球界に復帰できるのか。過去の殺人事件の真相は。

ミステリーとしてはB級。途中でネタが分かってしまった。野球小説としては超A級。非常に面白かった。矢神が所属していたのは東京ティーレックスというチーム。金持ち球団でFAでどんどん選手をとってくる、選手は使い捨て、球団社長も監督もクソ野郎。私の大嫌いなあのチームしか思いつかない。きっと作者も大嫌いなのだろう。

 

今日の一曲

Beckで、"Old Man"



では、また。



コメント