頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

店名にツッコんでください138

2016-08-30 | laugh or let me die
コメント (4)

映画「シン・ゴジラ」

2016-08-28 | film, drama and TV
知り合いの4人が「面白かった。オススメだよ」というので内容はよくわからないまま観てきた。

もしゴジラが東京湾に出現し、上陸したらどうなるか。政府の対応はどういうものになるだろうかを、リアルに描いた、というのが簡単な説明。

面白かったなどという陳腐な感想は許されないぐらいの出来だった。スーパーハイパーウルトラ面白かった。日本でこんなすごい映画が撮れるのか。庵野監督天才。

首相や大臣たちの首脳のあたふたぶり、うまくモノが決まらない感じ。3・11の時の首相官邸もこんな感じだったのではないだろうか。この官邸内がものすごくリアルに描かれている。

そして、ゴジラ。ゴジラファンでは全然なかったのだけれど、そういうことは関係なかった。ある種のパニック映画(タワーリング・インフェルノとか)であって、パニックを引き起こすモノとしてゴジラが使われているだけ。ゴジラ映画というくくりからははみ出していると思う。でも、ゴジラの描写はスゴイ。スゴ過ぎる。

色々語りたいことはあるのだけれど、ネタバレを避けて、細かいことは書かない。

日米同盟とか、安全保障とか臨時法制とか考えさせられるネタがふんだんにある。

そしてラストシーン。私は○○という意味だと解釈していたけれど、他の人は全然違う解釈をしているようだ。

観終わった後、語り合いたくなること必至。「スター・ウォーズ」とか「ゴッド・ファーザー」とか「七人の侍」とか、映画好きの間では「観ているのが当たり前」の作品になるだろう。いや、普段映画を観ない人でも「観てよかったー」と叫ぶにちがいない。



コメント (2)

『一瞬の雲の切れ間に』砂田麻美

2016-08-26 | books
不倫している千恵子。しかし彼、健二から連絡が来なくなった。しばらくしてから言われた。「妻が車で人をはねてしまった」… 息子を亡くした女性、吉乃や健二、健二の妻の美里。それぞれからの視線で描く物語。

映画「エンディング・ノート」(まだ観てない)でデビューした監督による小説。

あまり期待しないで読んだのだけれど(なんで読み始めたか忘れてしまった)、これがなかなか良かった。

それぞれの立場の機微も味わい深いし、記憶に残る言葉も多い。

「ずっと恨んでた分、時間がかかりましたけど、何年か前に読んだ本の中に、大人になったら、たとえ自分は何一つ悪くなかったことでも、全てはあなた自身の責任だって書いてあって。それでなんか色々納得いってなかったものが、ストンて落ちたっていうか、普通、”あなたは何も悪くない”って人を慰めるじゃないですか。でも、自分の責任だって言われたら、逆に安心したんですよね。もう誰のことも責めなくてもいいんだって」

うーむ。これは意外とそうかも知れない。

「俺が悪いんだろうって、わかってるんだよ。たいがいのことは。美里も、事故で亡くなった少年も、その母親も、広太も、他の人もさ、俺がこんな風に自分勝手で他人の気持ちに無関心な人間じゃなければ、もっと幸せな人生を送れたかもしれないのに。わざとじゃないんだよ。人並みに心配したり、優しくしたり、相手の心の中を想像しようって気もあるんだよ。俺にだって。けど、俺に関わった人はみんな何かしら迷惑を被って、傷ついている。それで腹を立てたりしない代わりに、気がついたらみんあ俺からちょっとずつ距離を置いているのがわかるんだけど、その時にはもう遅いんだよ。謝りたくても、悪いところは直すって言いたくても、我に返ると、みんなずっと遠いところに行っちゃってるんだ」

これは、私のことを言っているのか?私のことなのか?きっと私のことだ。

「あなたは自己完結できる人だと思ったの」
「自己完結?」
私が尋ねると、黒木さんは一度口に運んだレンゲをそっとテーブルに置いた。
「これまで少なくない数のアシスタントを雇ってきて、優秀な人もそこそこの人も、みんなたった一つのことが原因で仕事を辞めることになった。それは、常に対象に自分を投影しながら問題を解決しようとしたことに原因があると私は思う。その問題自体が持つ意味を考える”前”にね」

自己完結か。確かに。確かに。

一瞬の雲の切れ間に

今日の一曲

一瞬の雲の切れ間に。雲と言えばクラウド。Pink Cloudで「からまわり」



では、また。
コメント

『記憶の渚にて』白石一文

2016-08-24 | books
古賀純一はアトピーに効く「トモコの石鹸社」の代表をしている。業績は好調。純一の兄は、世界的に有名な作家手塚迅。その兄が自殺したという連絡が入り、純一は東京に向かった。救急に連絡してくれた女性は偽名で、どこの誰だか分からなかった。兄はなぜ自殺したのだろうか。その女性が何者か調べ始めた。すると、出て来る新興宗教の姿… 兄の手塚迅と弟の純一はまるで過去にいた人物の同じような行動をとっている… 

うーむ。いつもの白石ワールド。しかも分量が多いので、長時間咀嚼できる。

展開がとても意外な方に進む。しかもかなり好みの方角に。新興宗教を批判するようなものかと思ったら、全然違う。あくまでも物語の中にある部品にすぎない。幾層にも物語が重なる。

しかし、この作品の面白さをうまく説明できない。すまぬ。

私たちには、「自分が忘れていた、勘違いしていたんだ」とすぐに記憶の方を訂正する癖がついているが、実は、そうしたケースの何パーセントかは自身が忘れたり勘違いしていたのではなく、世界の方が違う形に変化してしまったのではないか?

誰もが自分自身のためのセルフメイドの時間を持っていて、人や事物との関わりとは、そうしたそれぞれの固有の時間のぶつかり合いであったり、重なり合いであったりするに過ぎず、そもそも唯一絶対の時間などどこにも存在しないのだ、と。

次々に別の人格として生まれ変わる「私」は、言ってみれば「生まれ変わる」ための装置ないしは容器のようなものに過ぎない - そう考えてしまえば、自らの生まれ変わりにとりたてて意義や意味を考える必要はなくなる。装置や容器それ自体に目的などなくても一向に構わないからだ。

記憶に関する小説であることだけは確か。

記憶の渚にて

今日の一曲

記憶の渚。PUFFYで「渚にまつわるエトセトラ」



では、また。
コメント

『啼かない鳥は空に溺れる』唯川恵

2016-08-22 | books
結婚を考える女性二人。彼女らには娘をコントロールしたがる母親がいた。なんら無関係の二人の人生が交差する。そして、事件が起こる・・・

これは意外と面白かった。

近年見かけることが多くなった「母娘」の関係をテーマにした小説。本作はそれだけがネタではないけれど、重要なパーツになっている。

二人の女性の母親が対照的で、片方が「娘に文句ばかり言い、然る」タイプ、もう片方は「娘と一緒にランチに行くのが楽しみ」なタイプ。一見全然違うように見えるけれど・・・という展開がなかなか。

そして、結婚。どういう要素があると結婚したくなるのか、どういう要素が発生すると結婚したくなくなるのか。結婚とは物質と物質でできた化合物なわけで、そこにはある程度普遍的な法則があるはず。それが何なのか考えながら読んだ。

啼かない鳥は空に溺れる

今日の一曲

優しさをもって殺すと歌う、Selena Gomezでで、"Kill Em With Kindness"



では、また。
コメント

『テロ』フェルディナント・フォン・シーラッハ

2016-08-20 | books
ドイツで航空機がハイジャックされ、7万人がいるサッカー場に突っ込もうとしている。急発進した戦闘機に乗った中佐はすぐにハイジャックされたエアバス機の近くに来た。指令を待つ。この機をミサイル攻撃せよとういう。しかし、そんな指令はでない。もう今攻撃しないと、7万人が犠牲になるという瞬間、中佐はミサイルを発射。乗客160名は亡くなった。そして裁判になる。160名を殺害し、「有罪」なのか、より多い7万人の命を救ったのだから「無罪」なのか・・・

裁判という舞台における演劇のような形式で進む。

そして、ラストは有罪、無罪両方のラストが用意されている。どちらかを選ぶのは読者なのだ。

私は有罪だと思ったけれど・・・

「海亀のスープ」の話とか「ハーバード白熱教室」のサンデル教授の話なども根本的は同じネタ。同じネタなのにもかかわらず、何度考えても簡単には結論がでない、「面白ネタ」なんだろうと思う。

テロ

今日の一曲

なんとなく、ケツメイシで「さらば涙」



では、また。
コメント

『スケアクロウ』マイクル・コナリー

2016-08-18 | books
ロスアンジェルス・タイムズの記者、ジャック・マカヴォイのシリーズ。新聞社の経営が厳しく、マカヴォイはレイオフされることになった。期限の残り12日で何かいい記事を書きたい。

無実の罪で逮捕されたとして、容疑者の祖母が電話をかけてきた。記事を書いたのはマカヴォイだが、それは単に警察発表をそのまま記事にしただけだった。しかしどこか引っかかるものを感じ、祖母に会いに行った。担当の弁護士から話も聞けたが、どうやら冤罪くさい。顔にビニール袋をかぶせられ、車のトランク内で発見された女性の遺体。同じような事件はないだろうか・・・ 調べていくと、実は連続犯がいた・・・

うーむ。うーむ。なんという恐ろしい話だろうか。そしてコナリーはどうしてこんなに好みの小説を量産できるのだろう。

犯人が誰だかはすぐに分かる。非常に危険な人物。コンピューターの天才が、異常な嗜好を持つとこんなことになってしまうのか。

コナリー作品の中では、かなり不気味な話だった。

スケアクロウ(上) (講談社文庫)スケアクロウ(下) (講談社文庫)

今日の一曲

本とは関係なく。水曜日のカンパネラで「桃太郎」



きっびだーん おにおじたーいじ が耳から離れない。

では、また。

コメント

店名にツッコんでください137

2016-08-16 | laugh or let me die
コメント (4)

『かたづの!』中島京子

2016-08-14 | books
秀吉、家康、秀忠の頃。青森の南部藩。最も力の強い三戸の南部宗家の利直はありとあらゆる方法で、八戸に対してプレッシャーを与えてくる。気を許せば、領地がとられてしまう。利直の姪の祢々(ねね)が八戸の当主になった。彼女が細心の注意を払って、利直のプレッシャーをはねのける。彼女が昔出会った、羚羊(かもしか)が不思議な力を使って彼女を助けてくれる。戦争をしないで勝つにはどうすればいいのか…

最近読んだ本の中で、いやいや、今年読んだ本の中でもぶっちぎりのナンバー1。ものすごく面白かった。

一本しか角のない羚羊のことを、「かたづの」と呼ぶそうで、それがタイトルになっている。動物が語ったり、不思議な力を使うので、ファンタジーと言えばファンタジーなんだけれど、ファンタジーの持つ甘さが控えめなので、そこがいい。

作者のインタビューを読むと、どうやら登場人物たちは実在だし、事件など実際にあったことが下敷きになっているらしい。女性が大名になっていたとは。

また、東北起源説のある「河童」 これが左甚五郎の手からどう登場していったか。それだけでなく、祢々との関わりもあって、この話はとてもかわいらしかった。

しかし、やはり、兵隊の数から言っても絶対に叶わない宗家に、いかに戦争をしないで「勝つ」か。その創意工夫が一番読ませる。

すごい小説だった。

かたづの!


今日の一曲

本とは関係なく、Donald Fagenで"I.G.Y."



昔よく聴いたものでした。では、また。
コメント

『拾った女』チャールズ・ウィルフォード

2016-08-12 | books
1954年の作品。サンフランシスコのカフェで働いていた俺。夜遅くやって来た女性客は、小柄で美しいブロンドだった。相当酔っぱらっている。しかも文無しだった。そんな彼女と恋に落ちてしまった俺。衝動的に仕事を辞め、そして一緒に暮らすことにした。彼女はひたすら酒を飲む。彼女と一緒に落ちてゆく人生…

いわゆる典型的な「ファム・ファタール」もので、彼女によって人生を狂わされていくかわいそうな男の話だと思って読んでいた。

しかししかし、終盤思いもしない展開が(まさか、そうきたか) さらにその展開にひねりが加わる(なんだとっ)  そしてラストの2行(ううむ)

なんというか、とんでもない小説だった。ミステリーと言えばミステリーだし、ノアール的な雰囲気もたっぷりなんだけれど、そういうカテゴリーに収まりきらない怪作だった。

「あたしたし、どうなっちゃうの、ハリー」ヘレンがため息をついた。
「さあな」
「意味のあることなんか何もないような気がしない?」
「ああ、そうだな」

ヘレンのような女。会いたいような、会いたくないような。

拾った女 (扶桑社文庫)

今日の一曲

ファム・ファタールはヘレン。Helene Fischerで、"Atemlos durch die Nacht"



では、また。
コメント

「鬱屈精神科医、占いにすがる」春日武彦

2016-08-10 | books
現役の精神科医が、自分の内面をこれでもかと吐露するエッセイ(エッセイと言っていいのか…)

笑えるというような面白みはゼロなのだけれど、なぜかついつい読んでしまう。書いた人が精神科医であるとか占いに行ってみるというタイトルにあることよりも、自分の内面をここまで描けるのかと感心する。しかも(もちろん?)ミットモナイ内面である。自分のことをシニカルに言う人はいるけれど、それでもどこか自己防衛しているように聞こえる。この人はノー・ディフェンスだ。ナジーム・ハメドのようだ。(知らない人はググって下さい)

表現もなかなか。

どうも原宿なんて場所は好きになれない。若い人が多いから嫌なのではなく、イケてると自分で信じたがっている連中の思い上がりや居直りや虚勢が微粒子となって大気汚染物質みたいに漂っている気がしてならないのだ。


まず、わたしの人生における人間関係は「わたしと母」- ただそれだけで成り立っている。父はどうした。兄弟姉妹はどうした(ひとりっ子である)、妻だっているだろう(子どもは最初からいない)、知人もいるだろうとツッコミを入れたくなるだろうが、根っこの部分においては「わたしと母」しかいない。

自分がマザコンだと認める人はそんなにいないだろうが、この人の場合、マザコンを通り越した「アブノーマル」の域にいると思う。

おそらくわたしの年収は彼らエキスパートたちの大概よりも高いだろう。だが精神科医なんて仕事はもっとも難易度が低い。それだけで気まずくて仕方がない。

この人の話を読むと、難易度が高くないと、思わなくもない。どうなのだろう。

わたしが普段の治療で用いている診断名を示しておく。わずか六つ。治療を行うといった立場からすれば、経験的に六つで事足りるのである。
(1)統合失調症 (2)(躁)うつ病 (3)神経症 (4)器質性精神病(認知症を含む)ないしは症状精神病 (5)パーソナリティー障害 (6)依存症

WHOとか他の人は10ぐらいに分類しているそうだ。

イヨネスコという劇作家のエッセイにあったという記述は、

死なないこと。そういなればもうだれも人を憎んだりしなくなるだろう。もうだれも妬んだりしなくなって、愛し合うようになるだろう。無限にやり直しができるようになって、時折りなにかが実現されるようになるだろう。百度に一度、千度に一度は成功が訪れて、数が多いほど成功の可能性が出るだろう。われわれには無限に運だめしをするだけの時間的余裕がないということをわれわれは知っている。憎しみはわれわれの不安の表現であり、時間が足りないことの表現である。妬みはわれわれが見捨てられはしないか、滅ぶべき人生において、すなわち、生においても死においても見捨てられはしないかという恐怖の表現である。

なるほど。

ココロに引っかかる表現があちこちにある。必ずしも読む人を癒したり笑わせたりする本じゃないけれど、なんだか色々考えさせてくれる。

そして、これほどまでに自分の内面をバラしてくれる本を読んだことがない。著者がすごくいい人なのか、すごく嫌な奴か判断に迷う。

鬱屈精神科医、占いにすがる

今日の一曲

本とは関係なく。この人たちの曲の全部が好きというわけじゃないけれど、この曲とパフォーマンスは好き。アイドルとメタルの融合(そう言えばこのブログ、前に「アホと知の融合」とかサブタイトルに入れてたっけ)が見られる、BABYMETALで「ギミチョコ!!- Gimme chocolate!!」



では、また。
コメント

『3時のアッコちゃん』柚木麻子

2016-08-08 | books
短編集。会社で会議がうまく進まないで悩んでいる三智子にアドバイスするアッコちゃん…<3時のアッコちゃん>  ブラックな職場に勤めるOLにスムージーを飲ませるアッコちゃん…<メトロのアッコちゃん>   神戸に転勤になった。独特の関西ノリになじめない女性がなじんでいく…<シュシュと猪>  就職活動で東京から大阪に来たが梅田駅で迷ってしまった…<梅田駅ワンダーランド>

あのいつものアッコちゃんシリーズの感じ。ある程度期待してしまうので、その期待を裏切るわけじゃないけれど、可もなく不可もなしって感じ。


3時のアッコちゃん

今日の一曲

3時と言えば、B.B. Kingで"Three O Clock Blues"



では、また。
コメント

『陸王』池井戸潤

2016-08-06 | books
日本中のあちこちにある斜陽産業の一つ、足袋屋が新事業を始めようとする。それはランニング・シューズ。薄いソールをわざと使って、膝の故障が起きないようにする。ソールの素材探し、アッパーの素材探し。実業団の陸上チームで故障している選手に、シューズを履いてもらいたいが、そう簡単にはいかない。大手メーカーの妨害、金を貸してくれない銀行。前途多難…

弱小メーカーが大手メーカーをぎゃふんと言わせる。銀行は悪い奴。「半沢直樹」「ルーズベルト・ゲーム」というドラマで何度も見せてもらった、「ザ・判官びいき」の世界と全く同様の世界。

すごく読みやすいし、こんな予定調和にグッと来てはあかんと思いつつグッと来てしまう。売れているのも当然だろう。

ソールのクッションの効いたシューズではなく、裸足に近いぐらい薄いほうがかえって膝にいい。なぜなら、踵から着地しなくなるから。という話は、クリストファー・マクドゥガルの「BORN TO RUN」に書いてあった。作者もインタビューでこの本を読んだと言っていた。にもかかわらず、参考図書にもあげてないし、登場人物にもこの本のことを言及させていないのが、奇異に思った。(その本のレビュー。

この本を読んだ知り合いに訊いたら、そんなことどうでもいいじゃんと言われた。そんなもんなのかなー。

今日の一曲

陸と言えば、ランド。Genesisで"Land Of Confusion"



では、また。
コメント

店名にツッコんでください136

2016-08-04 | laugh or let me die
コメント (4)

『剣より強し クリフトン年代記第5部』ジェフリー・アーチャー

2016-08-02 | books
激動の20世紀を駆け抜けるクリフトン年代記はもう第5部まで来た。

1960年代、バリントン海運は念願のバッキンガム号の処女航海にこぎ着けた。しかし、IRAが爆弾テロを狙っている。会長のエマはピンチ。さらに宿敵レディ・ヴァージニアに告訴された。ヴァージニアと結んだ者が取締役になり、さらに副会長の席を狙っている… エマの兄、ジャイルズは選挙を迎える… エマとハリーの息子セバスチャンは、ファージング銀行で出世階段を昇る。しかし、大変なことが起こり、会社を辞めざるをえなくなる… スターリンの元専属通訳が書いた暴露本。ソ連内で焚書処分になり世には出ていない。しかしたった一冊存在するらしい。これを世に出したい…

というような感じのてんこ盛り状態。

海で波に飲まれるのは苦手だけれど、物語の波には飲まれたいという未読の方はぜひ第一作から読まれたし。

剣より強し(上): クリフトン年代記 第5部 (新潮文庫)剣より強し(下): クリフトン年代記 第5部 (新潮文庫)

今日の一曲

曲に飲み込まれる感じ。上原ひろみで"Time Difference"



では、また。
コメント