頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『民宿雪国』樋口毅宏

2011-03-31 | books

『民宿雪国』樋口毅宏 祥伝社 2010年

水道橋博士がえらく褒めていたので読んでみた。

新潟の民宿雪国のオーナーの息子が死んだので墓前にやって来た友人、吉良はXXXX… 不倫相手の夫に追いかけられて行った民宿雪国ではXXXX… 昔民宿雪国で働いたことのある者たちの証言によると… 

なんじゃこりゃ!思いもかけない展開、何気なく登場する有名人、グロイのに読みやすい文体、その全てがあいまって何とも言えない怪作となった。

面白くないのかと言えば、むしろひどく面白い。ミステリー+ホラー+グロテスクというような単純足し算では表せない。

丹生雄武郎(にうゆうぶろう)という民宿雪国の経営者にして世界的な画家の一生が本作のテーマである。しかしながら、一筋縄でいかないのは、どういう風に収斂するかよく分からない前振りがあちこちにあって、この前振りに翻弄されてしまうからだ。

うーむ。樋口毅宏の別の作品も気になる。

「さらば雑司が谷」でデビュー、話題に。いかがなものかと思うタイトル「日本のセックス」が第二作。エロかと思ったら、途中からリーガルサスペンスになるらしい。三作めが本作で四作目は「雑司が谷R.I.P.」

長生きはしてみるものだ。まだまだこんな本読んで楽しめるんだからね。ひっひっひ。

では、また。


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こだまでしょうか

2011-03-30 | laugh or let me die

遊ぼう

っていうと

そんなの関係ねえ

っていう。


ごめんね

っていうと

ダイジョブダイジョブ

っていう。


もう遊ばない

っていうと

おっぱっぴー

っていう。



こだまでしょうか。

いいえ

こじまです。



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ドラマ「大切なことはすべて君が教えてくれた」最終回

2011-03-29 | film, drama and TV

うーむ。衝撃的な始まり方をした割に、NHK的な終わり方だった。いや、最近のNHKは自由な感じなので、昔の、昭和のNHK教育テレビのようだった。

私の想像でしかないが、このドラマが面白い!と思って観ていた人の多くは「旧来からあるモラルなんて無視しちゃえ」とか「先が読めない展開が面白い」と思っていたのではないだろうか。

だとすれば、そういう(私を含む)視聴者のためには、最終回ももうちょっとモラルに反する展開があったりとか、最終回もその中で先が読めないと1時間見続けるのが楽しめたと思うのだが。

若者と話すと、テレビは観ても、ドラマは全く観ないですね、という子が結構多い。確かに、日本のドラマは、毎週楽しみで楽しみで、というような作品が減ってしまった。ドラマ以外の娯楽にあふれているということもあるけれど、ドラマの質もやはり下がっていると思う。

映画や音楽、小説、舞台など他の娯楽についてはあまりそう思わないのは私だけだろうか。

では、また。

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『月は無慈悲な夜の女王』ロバート・A・ハインライン

2011-03-28 | books

「月は無慈悲な夜の女王」ロバート・A・ハインライン 早川書房 1976年
The Moon Is A Harsh Mistress, Robert A. Heinlein 1966

2076年、月は地球の流刑地であり、地球に穀物を輸出していた。搾取から独立へ、立ち上がったコンピューター技術者マニー、デ・ラ・バス教授、美女ワイオミング、そして人口知能マイク。起こせ革命…

大人になってから初めて読む巨匠のSF大作。ずっとSFは毛嫌いしてきてミステリ系ばかり読んできたので、SF読みなら「え?これまだ読んでなかったの?」というような作品を読んでいない。しかしここ数年目が覚めて、突然SFの面白さが分かるようになり、時間を見つけて読んでいる。短編よりも長編の方が好み。

これが66年に書かれたのか!と驚く。月は地球の植民地にはまだなっていないけれど、コンピュータマイクはグーグルのサーバーのようだ。

また教授の台詞がいい。


革命は大衆を同志にすることで克ちとられはしないのだよ。革命は、ごく少数の人々が実行することのできる科学なのです。それは正しい組織を持ってるかどうか、とりわけ、意志の疎通如何にかかっているのです。そして、歴史における適当な時期に、実行するのです。正しく組織されており、うまく時期が合っておれば、それは無血革命ということになるのです。無器用にあるいは時期尚早なときに行われると、その結果は、内乱、群集による暴力行為、追放、恐怖です。失礼な言い方を許していただきたいが、現在のところはどうも無器用に行われてきました。(116頁より引用)


初めて読むハインラインだと思っていたけれど、「夏への扉」は読んだことを思い出した。しかし書棚にないので誰かにあげてしまったのだろうか。

タイトルもカッコいい。


われわれ月世界の市民は前科者であり前科者の子孫です。だが月世界は厳格な女教師なのです。その厳格な授業を生き抜いてきた人々には、恥ずかしく思う問題などありません(368頁より引用)



厳格な女教師とここでは訳され、タイトルでは同じa harsh mistressが無慈悲な女王と訳し分けられている。これが巧い。

月で暮らすということは過酷なことであって、自然と習慣やモラルは地球のそれとは変わってくるというのが本作のテーマの一つである(と私は受け取った。色んな受け取り方があると思う)

停電の中暮らすとか、不便な中暮らすということは、月で暮らすということとどこか通じるものがあるのだろうか。SFに政治とか哲学を大幅に盛り込んだ本作を読みながら思った。

では、また。





月は無慈悲な夜の女王 (ハヤカワ文庫 SF 1748)
クリエーター情報なし
早川書房
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まだまだ

2011-03-27 | days


窓を開けると、すぐに眼が痒くなる。

今年は花粉症がひどい。外出するときはマスク常に着用してる。

外国に住んでいる人が、この時期久しぶりに日本で過ごしていて、彼いわくは、花粉症がつらい。いつまで続くのかとのこと。

桜の花が咲く頃には止むと思いますよ、と答えたけれど、あっていただろうか。


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パバロッティとジョー・コッカー

2011-03-26 | music

たまにはこんなおじさんたちの歌声はいかがでしょうか。






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『ローマ人の物語』から脱落

2011-03-25 | books

「ローマ人の物語」がどうにもこうにも頭に入らない。2巻まで好調に進んできたのに、3巻になってから、めっきりさっぱり進まなくなった。読んでも読んでも頭に入らない。ストーリーのせいか、文体のせいか。

いや、私の頭のせいだろう。小難しい話が頭に入らないのだから、自分の知的レベルの低さがその原因に違いない違いない。うんうん。

それでも我慢(我慢しなきゃいいのに)して、3巻読みきった。4巻に入ったら、深夜に読むとすごく面白いと思うのに、翌朝にはとてもつまらなくなる。そんな自分が意味不明。

本を読むのに苦痛を感じながらしなくてもいいだろうから、4巻途中で脱落す。

なので、積ん読山脈の中から、ちょいと古いSFを崩してきた。この中から次は読もう。本屋行っても新刊あまり出てないしね。

では、また。




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名古屋の印象2

2011-03-24 | travel

先日の名古屋ばなしの続き。単なる、私の見た名古屋女性の印象。

女性の化粧率(?)、ばっちりメイクをしているとか髪をきっちりとセットしている人の割合が東京横浜より高いように見えた。結婚式の帰りの女性たちはもれなく、頭を高く盛り上げていた(あれ、どうなのかな~?)しかしギャルっぽい人は少ない。

頭盛り上げは別とすれば、比較的私の好みのタイプの女性が多いような印象を受けた。(きっちりメイクが好きというわけじゃないけど、自分をちょっとキレイに/かわいく見せよう戦線から早期引退しちゃった人や、逆にギャルメイクはあまり好きではない)

ああそうですよ。どうでもいい話ですよ。

さらにどうでもいい情報を付け加えると、銀座や六本木、歌舞伎町、伊勢佐木町の歓楽街で出勤中の女性を見かけると思わず「ひゅーひゅー」と口笛を吹いてしまいたくなるほどキレイな人がいたりするが、名古屋では栄町近辺であまりそういう人は見かけなかった。これについては定点観測を続けないと有益な統計データとは言えない。

今読者が「そんなんきいてないわ」と小さくつぶやいているのが聴こえた。そう。ほんまにどうでもええ話だった。まあその辺も自粛を自粛してアップしてみた。

では、また。



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はじめての名古屋

2011-03-23 | travel


いつも通過してばかりで行ったことのない名古屋に行ってきた。

関東とは違い、飲食店、スーパー、デパートは活発に営業しており、消費の縮小が全国に及んでいるわけではないと分かった。もう既にあちこちで色々な人が書いているように、意図してお金を使わないようにするべきじゃないだろう。しかし、欲しい物が売っていないとか、お店が開いていないということもあるだろうけど。

ガソリンは全く問題なく給油できた。コンビにでも売っていないものはほとんどないけれど、単一の乾電池はビックカメラでも売っていなかった。

向こうでも「たのしい~な~か~ま~が~ポポポポ~ン♪」CMは多発していた。東日本だけではないのだな。

人々は思ったほど、「みゃーみゃー」言っていなくて、みそかつときしめんとういろうの店ばかりあるのかと思ったら、むしろそうじゃない店の方が圧倒的に多かった(当たり前か)

まあそんなどうでもいい印象にて失礼。


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ただいま

2011-03-22 | days


久しぶりに横浜の家に戻ってきた。名古屋で感じたことなどはまたあらためて。


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明日から名古屋へ

2011-03-19 | days

停電が余震が怖いので、関東を抜け出して、

ではなく前々からの約束があって名古屋に行ってくる。

たまたま車のガソリンは満タン(並んだわけじゃなく)なので車で行く。名古屋にご実家のあるMさんにきいてもらったら、名古屋ではガソリン売り切れにはなっていないとのこと。

新横浜や東京駅では今日、いかにも実家に帰ります支度の人が多く、関東脱出を図る人は少なくないよう。だとすれば東名高速は混むのだろうか?

ガソリン不足の中、何車乗ってるんだよ!不謹慎だよ!と言われるかと思ったら周囲からは特に何も言われなかった。

まあそんなわけで、特に世相にツッコむわけでもなく、

では、また。

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社名

2011-03-17 | days







大塚製薬も大塚家具も知ってるけど、大塚製薬家具もあるんだ。

知らなかった…

えっと、

この先のオチを考えているのですが、全く思いつかないまま、

失礼致します。

では、また。



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2011-03-16 | days





震災があって、報道が連日あって、直接の被害のない地域でも妙にわさわさとしている。買いだめしたり。

まあできることとやるべきことはやって、あとは専門家に任せて普通に生活したい。

仕事が休みになったりしたので、せっせとキックボクシングのジムに行っている。

その結果、足がこんな風になった。

これはキックボクシングという格闘技のせいじゃなく、私が下手なので当てる場所がおかしいのである。

なのでイタイイタイなどと言っていられない。

足だけに痛みを

フットばす…


では、また。



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『ローマ人の物語II ハンニバル戦記』塩野七生

2011-03-15 | books

「ローマ人の物語 II ハンニバル戦記」塩野七生 新潮社 1993年

第一巻の続きは、ハンニバル率いるカルタゴVSスキピオ率いるローマによるポエニ戦役がその中心となる。

私はあまり戦争内の戦術、特にこちら側から騎兵が、あちら側から歩兵がというようなことを地図に表したものにあまり興味が持てない。ゆえに、いわゆる「戦争論」は、哲学的な部分のみ読んで、地図(戦術図?)のようなものは読み飛ばしている。


歩兵も騎兵も、アレクサンダーにとっては、戦場という盤の上で戦術に応じて動かすコマであった。彼は、歩兵に向けて騎兵を投入したり、歩兵団を騎兵にぶつからせたりしている。彼の関心は、貴族出身者の多い騎兵の自負心の尊重などにはなく、一に、自軍の持つ力をいかにすれば効率よくかつようできるか、にあった。これが、戦場での彼の勝因であったのだ。
天才とは、その人だけに見える旧事実に、気づく人のことである。(単行本第二巻173頁より引用)


こんな箇所にグッと来る。




ローマ人の物語〈2〉― ハンニバル戦記
塩野 七生
新潮社
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大きな震災

2011-03-14 | days


大規模な震災が発生しました。私は無事です。むしろ被害がなくて驚くくらいです。私個人のどうでもいい状況は置いておいて、被災された方の冥福、安否の不明な方の無事をお祈り申し上げます。

今日から関東地方は停電があるそうです。それが不便だとかフザケルナと言うのは簡単ですが、自分が便利に生活しているのは<誰かが><何かを>しているからであって、そして未来永劫ずっと<誰かが><何かを>してくれるとは限らないということをあらためて認識するいい機会だと、私は思っています。

横浜市内の友人の多くが金曜日に停電だったそうです。私個人宅ではまだ停電も断水もないのですが、○○がないとどうなるか、今までいかに○○に頼った生活だったのかよく分かるんだろうと想像致します。

しかしながら、何事も命あってのことです。自分が生きているということを噛み締め、そして自分の命は今日尽きるかも知れないと思い、今日一日を充実したものにしたい、そう考えています。

では、また。




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