頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『霜月記』砂原浩太朗

2023-09-30 | books
町奉行の父が行方不明となり若くして後を継いだ総次郎。名奉行と誉れ高い祖父と大商人の番頭殺害事件を解決する。


父失踪事件との関連など、ミステリーとしても巧く、時代物としても渋く面白い。


 

今日の一曲

Official髭男dismで、「日常」


では、また。


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『自由研究に向かない殺人』ホリー・ジャクソン

2023-09-28 | books
大学受験の準備に忙しいはずの女子高生ピップ。自由研究の題材として選んだのは、5年前17歳のアンディが行方不明になり、恋人のサルが自殺したので彼が犯人だと断定された件。サルはそんなことをする人じゃないと知っているから。サルの弟のラヴィの協力を得て、捜査を始める。出て来る出て来る怪しい容疑者が・・・

三部作が完結したそうなので読んでみた。ミステリーとして面白いだけじゃなく、正義とか友情とか、人として大事なことは何か思い出させてくれた。


 

今日の一曲

椎名林檎で、 「⾛れゎナンバー」



では、また。


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『百年の子』古内一絵

2023-09-25 | books
出版社百周年記念誌編集部に飛ばされ不満たらたらの明日花。今では認知症の祖母が実はその出版社で働いていた。

小学館の歴史を小説化してるよう。本好きにはたまらない。



 
今日の一曲

サザンオールスターズで、「Relay〜杜の詩」



では、また。



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『桜の血族』吉川英梨

2023-09-23 | books
マル暴刑事の夫が撃たれた。元マル暴刑事だった妻が敵を討つために、警察へ復帰。分裂中の巨大暴力団、どちらにもつかない注目を集める組。放火事件からベトナムマフィア登場。そしてヤクザを好きになる私。

「仁義なき戦い」を文章で読んでいるみたいな、熱い。先が読めない。ラスト近辺のどんでん返し、すごく好み。続編楽しみ。


 

今日の一曲

Official髭男dismで、"Chessboard"


では、また。
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『わたしたちに翼はいらない』寺地はるな

2023-09-21 | books
昔自分をいじめていた男と再会した男、気の合わない夫と別れた女、マウント取りたがる男と結婚した女。彼らの人生の交錯を描く。

結婚生活のウエットな部分をネガティブな方面から描く。楽しくはないが、楽しめた。

 

今日の一曲

miletで、"Hey Song"



では、また。


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店名にツッコんでください317

2023-09-19 | laugh or let me die
店名にツッコんでください317
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『サクラサク、サクラチル』辻堂ゆめ

2023-09-17 | books
染野は高3。小学校受験、中学受験に失敗し、東大合格させようとする親の期待と過剰な干渉を受ける。あまり学校に来てない星さんに話しかけられる。彼女も染野とは違う形で親から虐待されていた。

染野の親がホラー並みに怖い。しかしすごくリアル。ラストでは意外な方向に進む。こういうラスト嫌いじゃない。

 

今日の一曲

The Rolling Stonesで、"Angry"


では、また。


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『暗殺コンサル』イム・ソンスン

2023-09-14 | books
韓国、多額の資金を受け取り「会社」のために暗殺を請け負う男。最初は、それと知らず、資料を受け取って、その者が死ぬことを織り込んだ詳しい小説を書いていた。

不思議なタイプの小説。主人公の内面と殺人が淡々と描かれる。途中からやや哲学的?な感じになり、あまり好みではなくなってしまった。

 

今日の一曲

Van Halenで、"Humans Being"



では、また。



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『イラク水滸伝』高野秀行

2023-09-12 | books
イラクの湿地帯に興味を持った我らがタカノ。イラクの歴史、現代イラクの問題、湿地帯を行く舟を作る、食べる。

超危険な所に行くハイパー勇気と好奇心。スゲー、スゴすぎる。タカノは天才だと改めて思う。


 

今日の一曲

緑黄色社会で、「マジックアワー」




では、また。



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『言語の本質 ことばばどう生まれ、進化したのか』今井むつみ

2023-09-08 | books
オノマトペとは何か、そのアイコン的なことや子供の言語習得から言語とは何かを考える。

何となく考えていたこと、全く考えてもいなかったことがドバドバ入って来る。面白い。愛聴してるポッドキャストの「ゆる言語学ラジオ」で紹介された、子供の言い間違えも、言語を考える上で示唆深い。

 

今日の一曲

Eaglesで、"In The City"



では、また。


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『リスペクト R・S・P・E・C・T』ブレイディみかこ

2023-09-06 | books
ロンドン、予算削減のためホームレス専門ホステルから出て行けと言われた人たちが闘う。2014年に実際にあった事件をもとにした小説。

労働党の緊縮財政批判やアナーキズムなどブレイディみかこらしい作品。ストーリーを楽しむというより社会科学を学ぶ本ぽい。真面目臭さがあまり好みではなくザザッと飛ばして読んだ。

 

今日の一曲

サザンオールスターズで、「歌えニッポンの空」



では、また。


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『八月の御所グラウンド』万城目学

2023-09-04 | books
京都で行われる女子全国高校駅伝大会に補欠としてやって来た坂東。とても方向音痴な彼女が、という話。大学生が朝6時から開催されるおかしな野球大会に参加させられ、という話。

なかなか面白かった。共通するのはある種の超常現象なのだけれど、むしろそれ以外のストーリーや登場人物の造形が良かった。


 

今日の一曲

緑黄色社会で、"Starry Drama"



では、また。


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『海が見える家 旅立ち』はらだみずき

2023-09-02 | books
四部作のラスト。父が遺した千葉の家に住むことになった文哉の自給自足生活。行き詰まって、以前に会った罠猟師の住む北関東へ。吹っ切れた文哉が進む道とは。

大変良かった。ネガティブな話が最初続いていたが、途中からは明るい気持ちで読めた。

 

今日の一曲

久しぶりに聴いたら、やっぱりいい。Everything But The Girlで、"Before Today" "Missing"


Nothing But The Girlじゃなくて、 Everything But The Girlというネーミングも好きだ。

では、また。


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