頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『小さなころに置いてきたもの』黒柳徹子

2019-10-31 | books
昔のことをよく覚えてる、徹子さんらしいエッセイ。短いものが沢山ある。とっても面白かった。

様々な人との交流や印象に残ったことが面白おかしく描かれている。お喋りなホロヴィッツや、徹子に恋心?を抱いた赤塚不二夫の話など、へーそーなんだー、と思わず何度も呟いてしまった。オススメ。
 

今日の一曲

椎名林檎で、「公然の秘密」



では、また。


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『わが母なるロージー』ピエール・ルメートル

2019-10-29 | books
パリで爆弾が爆発する。犯人のジャンはすぐに自首する。「第一次大戦の不発弾を沢山拾って、七箇所に仕掛けた、毎日どこかで爆発する、場所を教えて欲しければ、母親の釈放、五百万ユーロをよこせ」と要求した。「その女、アレックス」のカミーユ警部はどこかおかしいと思う。政府を動揺させた事件は・・・

面白かった。全200頁余り。字が詰まってないので、実質150頁ぐらい。あっという間に読み終わる。

ややこしい爆弾事件。ジャンの恋人を殺した罪で刑務所にいる母親を釈放させたいというのがおかしい。しかし、動機が分からない。分かるのは本当にラストのラスト。まさかそういうことだったのか。しかしよく考えるとそれしかないと思い至る。巧い。流石。

 

今日の一曲

MONKEY MAJIKと岡崎体育で、「留学生」



では、また。


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店名にツッコんでください226

2019-10-27 | laugh or let me die
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2019秋ドラマちょいとレビューその3

2019-10-25 | film, drama and TV
「G線上のあなたと私」・・・婚約者に恋人が出来て寿退社が不幸のどん底になった波瑠。兄に婚約者がいたのに別の女性に妊娠させて、婚約破棄させたのを苦く思う大学生が中川大志。専業主婦が松下由樹。三人がショッピングセンターのバイオリン演奏に魅せられて、大人のバイオリン教室に入ることになる。というコメディ。何ということもないのに、でも面白い。波瑠と松下の掛け合いが熟練芸人のよう。

「死役所」・・・死んだ者を一旦受け入れ、死の手続きをする役所の話。面白いのかそうでもないのかまだ判断できず。

「モトカレマニア」・・・5年前に別れた高良健吾のことが忘れられない新木優子。失業していたがやっと見つけた不動産屋での仕事。そこで働いていたのは高良だった。脳内妄想など女子の気持ちが何ともコミカルに描かれていて意外な収穫。

「ミス・ジコチョー 天才天ノ教授の調査ファイル」・・・途中で脱落。

「ひとりキャンプで食って寝る」・・・三浦貴大が、一人でテント張って一人で飯を食う。というようなことを淡々と描写するテレ東らしいドラマ。一人でキャンプ、すごく憧れる。マイペースで旅してキャンプしてみたい。しかしテクニカルな描写は、それほどなかったので拍子抜け。でも来週は夏帆が主役になるという、隔週主役制らしいのでまた観る。

「ドクターX 外科医大門未知子」・・・借金だらけの東帝大学病院。助けてもらうのは投資ファンド。そこからやって来たのは副院長になる市村正親。AIを使った新しい手術を導入しようとし、米倉涼子と対立する。相変わらずのクオリティ。

「グランメゾン東京」・・・パリのレストランを首になった木村拓哉が、鈴木京香と組んで東京で店を出そうとする。その過程で昔の同僚の沢村一樹、及川光博を誘うが、即断られる。木村君はあまり好みではないが、ストーリーは悪くない。尾上菊之助がシェフをするレストランにミシュランの調査員がやって来るエピソードなんかも興味深かった。しかし、星一つ二つであんなに人が右往左往するのは面白い。


今日の一曲

Elise Trouwで、Everlong by Foo Fighters と“What You Won’t Do for Love” by Bobby Caldwellのカバー。




では、また。


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『暗殺者の追跡』マーク・グリーニー

2019-10-23 | books
超優秀な暗殺者コートランド・ジェントリーはCIAに呼ばれてプライベートジェットでアメリカへ。その途中でイギリスに立ち寄ったとき、襲撃事件は巻き込まれる。同乗していた囚人が拉致されてしまった。ロシアのスパイからCIAに鞍替えをする途中のゾーヤはCIAの施設で軟禁状態にあった。そこでロシアの将軍である自分の父親が殺された現場の写真を見せてもらう。それをきっかけに施設から脱走しようとすると、その施設を何者かが襲った。ゾーヤは何とか逃げた。一見無関係の囚人拉致事件とゾーヤの脱走。これらの結びつきが明らかになると・・・

今までのグレイマンシリーズで最も読みやすいような気がした。動機や手段が納得できるものだったからだろうか。

そして、メチャクチャ面白い。面白すぎる。上下巻3日で読んでしまった。

ものすごく大掛かりなテロを行おうとする話なのだけれど、これがまた恐ろしい。今後どこかで実施されるかも知れないと思うと枕を高くして寝れない、、、(ということはない。)

ピンチの創り方とピンチから逃れる術、どちらも絶品だった。

 
 
今日の一曲

miletで、"inside you"



では、また。


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『罪と祈り』貫井徳郎

2019-10-21 | books
警官を定年退官している亮輔の父辰治が殺された。何か過去の出来事が関係してるのではと調べ始める・・・昭和も終わろうとする頃、バブル真っ盛り。不動産屋の手先、地上げ屋が強引な手口で土地を売らせていた。辰治らが住む浅草界隈で同様だった。不動産業者に一泡吹かせようと考えて・・・

ううむ。これは巧かった。

過去の事情が段々と明らかになってゆくその感じがぞくぞくする。そしてその真相に迫ってゆく現代のパートも巧い。
 
大方の事情が分かりつつも、一番肝心な事はなかなか分からない。殺人の動機は何か?ラストで、そういうことだったのかと崩れ落ちた。拍手拍手。

 

今日の一曲

ニガミ17才で、「ただし、BGM」



では、また。


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『ケイトが恐れるすべて』ピーター・スワンソン

2019-10-19 | books
ロンドンで一人暮らしをしているケイト。会ったことのない又従兄弟のコービンが仕事でロンドンに行くので、半年住まいを交換しようと提案され、ボストンに行くことにした。コービンの住まいは三階建てのドアマンがいるような豪華なアパートメント。何人かの住人と知り合いになった。すると、隣人のオードリーが殺されてしまった。住人によるとコービンとオードリーは恋愛関係にあるはずなのに、コービンはそれを否定する。なぜ?殺したのは彼なのか?

ケイトは強迫神経症気味で、周囲に対していつもビビっている。この不安定な語り手の存在がユニーク。それと章を替えて、コービンが語り手になるのだが、真相(なぜ交際を隠したのか)(誰が殺したのか)について明らかになると、思わず、そう来たかっ、とつぶやいてしまった。ちょっと長いかなーとは思ったけれど、なかなかの秀作だった。

 

今日の一曲

Matchbox Twenty - She's So Mean



では、また。


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『欺す衆生』月村了衛

2019-10-17 | books
隠岐は、横田商事(被害総額2千億とも言われる豊田商事事件を連想させる)で詐欺を仕事としていた。しかし社長が殺されてからは、文具メーカーで働いていた。すると昔の仲間因幡にまた詐欺ビジネスを始めようと誘われる。そして原野商法から詐欺で大儲けをし、横田商事の残党を仲間に加え、新たな詐欺を考え、やくざの蒲生と付き合うようになり・・・

とても面白かった。

様々な詐欺の手口も興味深いが、何度となくピンチに見舞われる がどうやって切り抜けていくのか、ドキドキしながら読んだ。特にラストのトリプルピンチが特にエキサイティングだった。

 

今日の一曲

Tuxedo - Number One



では、また。


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2019秋ドラマちょいとレビューその2

2019-10-15 | film, drama and TV
「同期のサクラ」・・・建設会社に入社した時に同じ研修グループだった者たちの物語。高畑充希が頭がかたいが正論を言う。冒頭、彼女は脳挫傷で意識不明だという9年後が描写され、この9年で一体何があったのかと想像する。まだそんなに面白くはないが、今後に期待。

「時効警察はじめました」・・・オダギリジョーが趣味で時効を迎えた事件を解決する。久しぶりに復活したけれど、以前と変わらないハイテンション、小ギャグの連発。事件そのものよりも小ギャグが好きだ。

「4分間のマリーゴールド」・・・救急救命士の福士蒼汰は血の繋がらない姉菜々緒に恋心を抱く。未来が見える福士は、彼女が28歳で亡くなると知る。テーマが何なのかまだよく分からないのと、姉の誕生日を祝う四人兄弟の仲の良さが不自然なくらいだけれど、先が気になる。

「俺の話は長い」・・・屁理屈ばかり言う生田斗真はニート、息子に甘い母原田美枝子と二人暮らし。口うるさい姉小池栄子、その夫安田顕、娘清原香耶の三人が家の建て替えで実家に3ヶ月暮らすことになった。清原が学校に行ってないとか、義父安田との関係がビミョウとか、仕事せず理屈ばかり言う生田とか、自分のために他人に荷物を捨てさせる小池とかポイントがあちこちにあって、それがいいんだか悪いんだかまだ不明。不思議な魅力はある風。

「ニッポン・ノワール ー刑事Yの反乱ー」・・・目が覚めたら捜査一課のマドンナ広末涼子の死体が。ここ数ヶ月の記憶がないハチャメチャ刑事は賀来賢人。第一容疑者として疑われ、命を狙われ。ちょっと無茶苦茶なストーリーだけれど、なぜか気になる。



今日の一曲

Maroon 5で、"Memories"


では、また。

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店名にツッコんでください225

2019-10-13 | laugh or let me die
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2019秋ドラマちょいとレビュー

2019-10-11 | film, drama and TV
「スカーレット」・・・戦後金のない父北村一輝、家族と信楽の町で知り合いの家で暮らす。三姉妹の長女は勉強は苦手だが絵を描くのが好きでしっかり者、後の戸田恵梨香になる、子役がなかなかいい。

「チート〜詐欺師の皆さん、ご注意ください〜」・・・警察に協力して詐欺師を摘発するチームがチート。本田翼はそのメンバーであり、また売れないアイドルもやってる。ストーリーよりもビジュアル優先気味。

「リカ」・・・小池徹平が外科医をしている病院に強烈なコネでナースとして入ってきた高岡早紀。彼の気を引くためにあらゆる汚いことをする。ホラー+ミステリー。なかなか面白い。

「シャーロック」・・・犯罪コンサルタントのディーン・フジオカが事件を解決。初回の医師死亡事件、あまり面白くなかった。

「まだ結婚できない男」・・・阿部寛は仕事は出来るが、性格に難があって結婚できない。そんな様をコミカルに描く。久しぶりに復活したけれど、やはり面白い。稲森いずみや吉田羊に対して彼が心を動かされるかと言うと、、(ビジュアル的にややビミョウど言うと怒られるだろうか、、)
だからと言って隣人の深川麻衣とまさかどうにかなるということでもないのだろうな、、、

「生田家の朝」・・・前作同様のテッパンの楽しさ。小さな息子が、母の尾野真千子に突然「おふくろ」と呼び始めるなど、ありそうで笑える設定がものすごく巧い。


今日の一曲



では、また。


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『落日』湊かなえ

2019-10-09 | books
長谷部香は映画監督。小さい頃隣に立石一家が住んでいた。。引越した後、立石家は息子が父母、妹を殺害した。甲斐千尋は脚本家の卵。立石家の妹沙良とは同郷で、彼女のことを多少は知っていた。監督からその事件のことを訊かれ、脚本を書くよう依頼される。監督がこの時間に拘る理由は、そして真相は・・・

人物の描き方に、初期の湊かなえっぽい硬さはあるものの、ラストで明かされる真実にはなかなか驚かされた。 

自分が見ている他人は、実は全然違う人なのかもしれない。

 


今日の一曲

Joe Bonamassa & Beth Hart で、"I'LL TAKE CARE OF YOU"



では、また。


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『百舌落とし』逢坂剛

2019-10-07 | books
「百舌事件」を通して多くの者が死んだ。生き残りの倉木美希は警察庁から公共安全局へ出向、大杉は相変わらず探偵をしている。同志の東部ヘラルドの残間が何者かに拉致され、民政党の幹事長三重島の悪事を記事にするよう脅される・・・

ううむ。勿体無かった。

前の作品の続き的側面がかなり強いのだけれど、すっかり忘れているので、分からないことが多すぎた。新しい事件も起こるのだけれどもやはりねー。

百舌シリーズは、もう少し時間をおいて最初から読み返したい。

 


今日の一曲

Manchester Orchestraで、"The Silence"



では、また。


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『AI vs 教科書が読めない子供たち』新井紀子

2019-10-05 | books
人間がAIにとってかわると思ってるけど、AIに出来ないことは多い。しかし、AIが代わりに出来る仕事は今後取って代わる可能性が極めて高い。という話と、著者はAIを東大に合格させるというプロジェクトを進めていたので、その過程で、中高生の学力調査も行っていた。そこで分かったのは・・・

これは本当に面白かった。

大学生の数学基本調査で、「偶数と奇数を足すと次のうちどうなるか?その理由も説明せよ a:いつも偶数になる b:いつも奇数になる c:奇数になることも偶数になることもある」 正解率は34%しかなかったとのこと。

中高生の問題では、文章は教科書と新聞のものを使用して、「仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに広がっている。 
この文脈において、以下の文中の空欄に当てはまるのは?
オセアニアに広がっているのは①ヒンドゥー教 ②キリスト教 ③イスラム教 ④イスラム教」で、
全国中学生の正答率は62%、高校生は72%。中学生の3分の1が正解できないという驚くべき結果に。

また、「Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある。
この文脈において、空欄に当てはまるのは? 
Alexandraの愛称は①Alex ②Alexander ③男性 ④女性」
中学生は38%、高校生は65%が正解率だった。

教科書や新聞の内容を理解できないわけであるから、将来ちゃんとした日本語でレポートを書かないとか、仕事のメールを理解出来ないということに当然なるのだろう。

小学校で英語を教えるとか、アクティブラーニングをやらせるとか、というようなこと以前にやるべきことがありそうだ。

また、名門の中学校に入れたから子供の読解力が向上するというよりも、名門の中学に入れるような時点で読解力はきわめて高いので、その後遊んでいても高3になってから勉強するだけで名門大学に合格出来る。というようなことらしい。


 


今日の一曲

The Rolling Stonesで、"Wild Horses"


では、また。
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『罪の轍』奥田英朗

2019-10-03 | books

漁師としては半人前の宇野寛治、窃盗を繰り返し、礼文島にいられなくて東京に出てきても窃盗を繰り返す。宇野が絡んでいるのか、起きるのは元時計商業の殺害事件と、そして誘拐事件・・・

長い。読んでも読んでも終わらない。

そして、587頁もある本の半分くらい読み進むと起きる誘拐事件。なんか聞いたことのある話だな、吉展ちゃん事件のことじゃないかと思い至る。

完全なるオリジナルの物語でこれだけ重厚長大な話を描けるのなら凄いのだけれど、現実に起こった事件を翻案しているとなると、話は別。読んでいてもどうせ結末はああなるんでしょ?と予想してしまうわけで。

知ってる話なのに何度聴いても楽しめる落語のようなエンターテイメントもあるのだから、元ネタが分かっても純粋に楽しめることもあるのだろうけれど、ひたすら長くて面白くないわけじゃないのだけれど、正直疲れてしまった。


罪の轍

奥田 英朗



今日の一曲

Red Hot Chili Peppersで、"Dark Necessities"



では、また。
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