頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『遥かなる未踏峰』ジェフリー・アーチャー

2011-01-31 | books

「遥かなる未踏峰」(上下)ジェフリー・アーチャー 新潮社 2011年
PATHS OF GLORY, Jeffrey Archer 2009

「そこに山があるからだ」と答えた、ジョージ・リー・マロリー。エヴェレストを世界で最初に登頂を果たしたのは彼なのだろうか。彼の生い立ちから振り返る、小説の形をした評伝。

ふむふむ。あっという間に読み終えた。もっと登攀のシーンがあるかと思っていたのだが、それが少なくそれ以外のことは斜め読みしたため早く終わってしまった。山以外の彼の人生に読み甲斐を感じれば評価は高く、そうでないと低くなると思う。私の評価はまあまあ。

あるいは、100年近く前の英国の古きよき男たちの心意気を読む小説だとするといいのかも知れない。





遥かなる未踏峰〈上〉 (新潮文庫)
ジェフリー アーチャー
新潮社
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『図書館の神様』瀬尾まいこ

2011-01-29 | books

「図書館の神様」瀬尾まいこ マガジンハウス 2003年

友人から薦められて読んだ。

高校の国語教師早川清。中学高校とバレーボールに熱中し、大学でもバレーボールを続けるつもりだったのに、ある事件をきっかけにやめてしまった。そんな彼女は今、文芸部顧問。やる気のない顧問と、やる気のあるたった一人の部員垣内。不倫相手の浅見と、大学生の弟拓実。ちょっとずつ成長しつつある主人公は…

お?これ意外な収穫。なんで図書館の神様というタイトルかいまひとつ不明だけど(図書室は出てきても図書館は出てこない。神様とは、文芸一般のメタファーなのかな?)

本当は運動神経抜群なのになぜか文芸部で頑張っている垣内くんがいい。弟=包容力の人がいい。こんな<いい男>に囲まれると、女は<いい女>へと変身してゆくのではなかろうか。

いい女がいい男をつくる、ってあまりないけど、いい男がいい女をつくる、って結構あるんじゃないだろうか。根拠が・・・うーん。よく分からない。

では、また。



図書館の神様
瀬尾 まいこ
マガジンハウス
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『オリガ・モリソヴナの反語法』米原万里

2011-01-28 | books

「オリガ・モリソヴナの反語法」米原万里 集英社 (文庫2005年 単行本2002年)

1960年プラハのソビエト学校に入学した志摩。楽しく厳しい学校生活の中で特に異彩を放ったダンス教師の名はオリガ・モリソヴナ。年齢不詳、ド派手、口が悪い。しかしダンスの教え方は天下一品。彼女に影響を受けダンサーになりたかった志摩は夢破れて翻訳家に。過去にさかのぼり、オリガ・モリソヴナとはいったい何者だったのかを探る旅に出ると、思わぬ真実が…

いやいやいや。これはすごい。本当にすごい。読みながら何度もため息をついてしまった。これが小説なのか、フィクションなのかと思うと尚更すごい。

何がすごいか。

・極上のミステリーである。謎が解かれたと思ったら次の謎が。謎のマトリョーシカ状態。

・志摩をはじめとする人物造形がいい。キャラは立っているし、説明がうまいので、人物への感情移入がスムーズに行われる。

・リアリティがガシガシと目に突き刺さってくる。激動の東欧+ソ連の1930年代が、目の前に現れるのがすごい。

先に解説を読んだら、亀山郁夫さんはいくらなんでも褒めすぎだろうと、思った。しかしそんなことはなかった。

正真正銘、褒めすぎても褒めすぎにならない、おススメの作品だった。



※以下蛇足 バレエについて

本筋とは関係ないところで、「亜紀バレエ団の藻刈富代はバレエに不向きな股関節の持ち主にも拘わらずプリンシパルの座を射止めたのは、藻刈の父親がリハーサルスタジオをプレゼントしたからだ。才能のないダンサーが親のおかげで主役になれる」ということが書いてある(文庫版148頁)バレエにはあまり詳しくないので、詳しい友人にこの部分を見せて「これって草刈民代のことじゃないの?これって牧阿佐美バレエ団のことじゃないの?」と訊いてみたら、そうだろうとのこと。ネットで調べたら、草刈民代は女優としては評価できるけど、バレエダンサーとしては評価できないとの記述を見つけた。

http://yomotan.blog28.fc2.com/blog-entry-1024.htmlより

●志摩が帰国後所属していた「亜紀雅美バレエ団」。での愚劣な風習。他のバレエ団も似たり寄ったりだろうけど(Kバレエは違うと思いたい)。

●亜紀バレエ団で、「藻刈富代」が凡庸な才能とバレエには全く不向きな股関節の持ち主であるにも拘わらずプリンシパルの座を射止めたのは、藻刈の父親がバレエ団に都内一等地のリハーサルスタジオをプレゼントした見返りだというのは、すでに日本バレエ界の常識になっていた。団を維持するための必要悪として団員たちも諦めている。

「Dance Magazine」はタイコモチ記事しか載らないし、批評家は「美しい」「有名な」バレリーナだ、と巧妙に逃げた文章しか書かない(書けない)。「オリガ・モリソヴナの反語法」は、タミヨの「真実」を暴いた唯一の活字媒体ではなかろうか…。米原万里…惜しい人を亡くしました

>>日本を代表するバレエダンサーの一人として海外でも高い評価を受ける草刈

だーかーらー…orz
このニュースのコメント観ると、だまされている人が多くてびっくり。

わたしがタミヨさんを嫌だなぁと思うのは、技術的な欠陥もさることながら、踊りに感情表現とか情感が全く感じられないことなんです。表情も常に同じ、ぼーっとした感じ。これで引退後は女優って…。

実力不相応の「日本を代表するプリマ」と紹介され続け、真にバレエを理解している人たちの(おそらくは)「しょーがねぇなー」という無数の視線に常にさらされて、20年以上も主役で踊り続けられる神経は、パタリロもびっくりのナイロンザイル製でしょーか。それならあのつかみどころのない表現力にも納得がいきます。なんちて。



http://dorianjesus.cocolog-nifty.com/pyon/2008/10/post-a8cf.htmlでは、

草刈さんの引退について。日本を代表する国際的なバレリーナ、というのはいくらなんでも嘘でしょう、というのがバレエを観たことがある人の感想なんじゃないかと思います。バレエを一般の人に広めた功績は大きいと思いますが、日本を代表するバレリーナという名称は、森下洋子さんと吉田都さん以外に相応しいひとはいないのではと思います。

「これ以上はプロとして納得いく演技ができないと判断」って、ずっと前からそうだったわけですし。何しろ、9月の頭に観たレニングラード国立バレエの「華麗なるクラシック・バレエ・ハイライト」での「パキータ」を観て、草刈さんが下手なのは知っていたけど、まさかここまで、とは思わなくて衝撃を受けたほどでしたから。下を向いた膝、軸足に巻きつくピケ、飛べない、回れない、フェッテ省略、パキータのハープのヴァリエーションは他のダンサーが踊る。そして愛しのコールプの苦しそうな顔…。

昔、若かりし頃の小嶋直也さん、堀内元さん、志賀三佐枝さん、斎藤友佳理さんといった錚々たるメンバーに混じって草刈さんがよれよれの「ライモンダ」を踊るテレビ放映を見ましたが、あの頃から進歩していませんね。

ミハイロフスキーの、ワガノワ出身者もたくさんいて、理想的なX脚、アンドゥオールした長い脚のバレリーナたちを後ろに従えて踊るというのは、なかなかの肝の座り方だと思いました。

草刈さんは、あの美貌ですし、上半身はきれいですし、身長も日本人にしてはあるほうなので、立ち役だったら良いのではないかと思いましたが。「ア・ビアント」の冥界の女王はとても似合っていたし。トーク番組などで観ると、さっぱりした気持ちの良い性格で、頭の回転も速いようですから、そういう方面でも活躍できそうですね。

このサイトに来る方の検索ワードを見ていたら、「草刈民代」「米原万里」「藻刈富代」で検索してくる方が必ず一定数いるんです。何のことかわからない方には、ぜひとも米原万里さんの「オリガ・モリソヴナの反語法」という本を読んでいただければと思います。この本は、その話は抜きにしてもめちゃめちゃ面白いです。


引用は終わり。

私はバレエに全く造詣がないけど、みんなキビシーなあ&そうだったんだなあ。

ブックレビューにバレエの話でござった。

では、また。




オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)
米原 万里
集英社
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尿酸値

2011-01-26 | days


先週の内科での再検査。

問題の尿酸値は 7.5だった。

高めではあるが、薬は飲まなくてよいとのこと。

ふぅ。

あとは、サッカーアジアカップ準決勝は最後すごかった。

まさかPK全部止めるとは。

と、最近短文ばかりで失礼しております。

では、また。


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『乙女の日本史 文学編』堀江宏樹・滝乃みわこ

2011-01-24 | books

「乙女の日本史 文学編」堀江宏樹 滝乃みわこ コンペイトウ書房 2010年

大変面白かった「乙女の日本史」 今度は、日本の文学を乙女の目線で語る。

万葉集から源氏物語はもちろん、枕草子、落窪物語や近世、近代の文学を独特の読みやすい文体で書いてくれている。

著者の堀江さんという人は33歳男性。なぜゆえに乙女の目線で語ることができるのか謎。私が泥酔するとおかま言葉を駆使するのと同様の特技だろうか。たぶん違うだろう。

本が本当に力を持つのは、読んだ後に何かをしようという気持ちにさせることだと思う。読後、今昔物語集をぜひ読みたいと思った。紹介されていたエピソードが実に面白かったから。

現代の文学より、年月という摩擦に耐えた古典のほうが読むに値するものなんだろうなあ(毎日古典を読んでるとは言えないけれど、まあ時間を見つけて読んでおります。でも現代文学は読むけどね)

では、また。





乙女の日本史 文学編 (コンペイトウ書房)
堀江 宏樹,滝乃 みわこ
実業之日本社

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国分佐智子が林家三平と婚約

2011-01-23 | days

2006年3月の「クール・ビューティ」という記事はこのブログが始まって2本目の記事。ここで国分佐智子さんについて熱く語って、以来何度か言わせていただいた。

大好きだと。

ずっと、車の助手席を空けてきたのに。
ずっと、ベッドにもう一つ枕を置いていたのに。
ずっと、婚姻届にハンコを押して持ち歩いてきたのに。

ずっとずっと。

嗚呼涙が涙が…

いやいや。結構本当に落ち込んだぞ。しかし、あの家の嫁になるとは。意外。しかし、今後三平の嫁としてメディアに登場することが多くなることを期待。そして願わくは離婚…いやいや。人の不幸を願ってはならんよな。


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そう言われても

2011-01-22 | travel


見て後悔するか見ないで後悔するか
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健康診断の結果来たる

2011-01-19 | days

ずっと高めではあるけど、見なかったふりをしていた。それは尿酸値。

7.0までが正常値とされているとかなんだけど、7.2とか7.8とかで推移していた。要注意レベル。

年末に受けた健康診断の結果が郵送されてきた。今回、8.9

B判定を通り越してF判定。実はたぶんもう痛風発症してるに違いない。とても我慢強いだけのことなのだ!はっはっは

冗談は置いておいて、痛風はとても痛いらしいので、仕方なく内科に行って来た。また血を採られて結果は後日。


ちっ。年明けて、いいことねえなー。


ああ、クリニックの受付のお姉さん三人のうち二人がべらぼうにカワイかった。それがいいことだった(のか)

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ドラマ「大切なことはすべて君が教えてくれた」

2011-01-17 | film, drama and TV

男性高校教師(三浦春馬)が、知らないで自分が教える高校の生徒(武井咲)とセックスしてしまった。婚約者であり同僚(戸田恵梨香)との関係は…担当するクラスの生徒同士の性行為が発覚し…

うーむ。意外と悪くない。今クールではあまり積極的に見たいと思うドラマがなかった。その中では「冬のサクラ」とこれは気に入った。

教師という立場と一人の男性として揺れ動く三浦春馬の心がいい。そして小悪魔のように見える武井咲がいい。天海祐希の娘役だった「GOLD」とはだいぶ喋り方も違っている。戸田恵梨香がそれほど可愛く見えない(ように撮影しているのだろう。)

ドラマ「高校教師」を思い出してしまうけれど、それは教師&生徒のラブだけじゃなく、視聴者を生徒にしてドラマが先生のように説教をしようとしていないという共通点もある。

来週も録画して見よう。
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『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』米原万里

2011-01-15 | books

「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」米原万里 角川書店 2001年

著者が9歳から14歳まで住んでいた、チェコのプラハ。ソビエト学校での個性的な同級生たち。ルーマニア人で生粋の共産主義者っぽい発言をする割にゴージャスな家に住むアーニャ、運動が苦手なギリシャ人リッツァ、絵の天才のユーゴスラビア人ヤスミンカ。米原さんが当時を思い出すとどうもおかしいと思ういくつかのこと。そしてそれから30年も経ってから分かった真実とは…

いやいやいや。どうしてこの本を読んでなかったんだろう。文句なしに面白い。頁をめくる手が止まらない。激動の東欧を描くだけでも面白ネタ満載なわけだけれど、米原さんの文章の巧さったらない。60年代のプラハが目の前に蘇る筆力の持ち主なんだね。

子供の頃のことをこんなに鮮明に覚えているのも驚異的だ(うろ覚えで後は想像力で埋めているのだとしたら、その想像力が凄い。凄すぎる)そして、当時&現代の状況を暖かくそして冷たく、バランスのとれた目線で見てくれていて、それが読んでいてなんとも心地いい。

作品は三部構成で、リッツァ、アーニャ、ヤスミンカについてそれぞれ描く。219頁ではヤスミンカの父親がなぜパルチザンに加わることになったのか、彼の先生の思い出が書かれている。ここを読んで不覚にも目頭が熱くなってしまった。ヤスミンカの父、先生、そしてそれを描く米原、その三人に感謝。

米原さんは残念ながらこの世にはもういない Only The Good Die Young. 彼女のユーモアを解する心と真面目さゆえ、ある意味、私の理想の女性像である。私が死んで、万が一天国に行けることになったら、そこで米原さんと色々お話ししたいものだ。




嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)
米原 万里
角川書店
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読めず

2011-01-14 | books


評判の高い、「サラの鍵」タチアナ・ド・ロネと「ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイ」オレン・スタイン・ハウアーがなぜか読めない。頭に入ってこない。

前者はナチスによるユダヤ人迫害を現代と当時を行き来しながら描く小説。後者は現代スパイ小説。

自分の調子のせいだろう。そう。作品はわるくないわるくない。わるいのは自分。わるいのはいつも自分。





サラの鍵 (新潮クレスト・ブックス)
タチアナ・ド ロネ
新潮社

ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイ (上) (ハヤカワ文庫NV)
オレン・スタインハウアー
早川書房
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ブログを書く日、書かない日

2011-01-13 | digital, blog & twitter

ブログを書く気に全くなれないとき。それは、

1.体力&気力がないとき。
2.現状に満足なとき。
3.ネタが思いつかないとき。

ブログを書く気満々なとき。それは、

1.暇なとき。
2.不満がたまっているとき。
3.内側から何かが湧き出るとき。

まあ当たり前のことどすな。
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『フランキー・マシーンの冬』ドン・ウィンズロウ

2011-01-12 | books

「フランキー・マシーンの冬」(上下)ドン・ウインズロウ 角川書店 2010年
THE WINTER OF FRANKIE MACHINE, Don Winslow 2006

62歳。サン・ディエゴで、釣の餌屋、レストランのリネンレンタルと仕事をいくつも掛け持つフランク。実は元マフィアで、元凄腕の殺し屋。元妻と娘と、恋人との間を日々巡り忙しくしていたが、昔の絡みでどうしてもやらなくてはいけない汚い仕事をする。すると何者かが自分を嵌めたことが分かる。一体全体誰が彼を嵌めたのか。フランクが昔を思い出しながら…

いやいや。なんというか。いかにもドン・ウインズロウだ。彼にしか書けないんではないだろうか。読みはじめればノン・ストップ。どこに向かうか分からない暴走機関車だ(死語?)

フランクの超ストイックな人物造形がいい。フランクのようなじじいになりたい。一番ぐっと来たのを引用させてもらう。嵌められたのが分かり、なんとか逃げた箇所。


 疲れた体と曇った頭は命取りになる。鋭く考え、鋭く動かないといけないのだから、次になすべきことは、ベッドに入って眠ること。それは意志の問題だ。被害妄想を断ち切り、理詰めに考え、ここが安全であることを信じる。アマチュアは一晩中悶々として、音がするたびに飛び起き、ありもしない気配におびえる。
数多くの獲物を追い、しとめてきた経験から言うと、追われる人間にとって最強の敵は自分の脳みそだ。連中の目には、そこにないものが見え、さらに致命的なことだがそこにあるものが見えない。疑心暗鬼に陥って、絶えず不安にさいなまれ、とうとう追い詰められたときには、ありがたい気持ちにさえなる。(上巻120頁より引用)



フランクが昔を思い出しながら、出てくる思い出ばなしがいい。古きよきラス・ヴェガスがいい。今のようにディズニー・ランド化する前がいい。私が1988年に行ったラス・ヴェガスはもうどこにもないと思っていた。しかしここにあった。ニクソン前後のちょっとした歴史がいい。ジミー・ホッファその他実名で出てくるのがいい。

子供には読ませたくない逸品だった。








フランキー・マシーンの冬 上 (角川文庫)
ドン・ウィンズロウ
角川書店(角川グループパブリッシング)


フランキー・マシーンの冬 下 (角川文庫)
ドン・ウィンズロウ
角川書店(角川グループパブリッシング)



Amazon.comでGail Cookeという人がうまくまとめてくれている。



 How can you not like Frankie Machine? As he says, "It's a lot of work being me,"(東江一紀訳は「自分流に生きるのは骨が折れる」) and that's quite true. However, that's what makes him so attractive - he's a persnickety cook who drives to five different stores to get the exact brand of ingredients he wants for a single dish. Only the best for him. He's a man who believes that "Quality of life is about the little things - doing them well, doing them right."

He's 63-years-old, owns a California bait shop, the O.B. Bait and Tackle. Everyone who knows him loves him. Life is good,. He has time for surfing with a pal, even if some refer to them as geezers, and he hopes to put his daughter, Jill, through medical school. But that is now. Then is something quite different.

When Frankie is ambushed he gets away in one piece, but the big question is why? In a series of flashbacks we learn that Frankie was once a hitman for the West Coast Mafia. He was an A-1 assassin, true to the mob code, and true to his word. He never was a squealer, so why aren't they leaving him alone? His memory is darn good and Frankie knows there are quite a few who have reason to want to be sure he is permanently silenced.

It's not long before some killings occur and for a while Frankie finds himself running from everyone - the mob and the cops.

Don Winslow has created a killer with a very human face, a plot that surprises, and a narrative often filled with humor. Frankie is a true gent and we can't help pulling for him. The Winter of Frankie Machine will be a movie next year starring Robert De Niro, and this reader will be first in line at the box office.

Highly recommended.
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休んでた

2011-01-11 | digital, blog & twitter

久しぶりにブログ休んでいた。

1.ネタが切れた。

2.旅に出ていた。

3.PCが壊れた。

4.日本語を忘れた。


たぶん全部当たっている。

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『逝きし日の面影』渡辺京二

2011-01-07 | books

「逝きし日の面影」渡辺京二 平凡社 2005年

アイヌ、ロシア、日本の異文化接触の歴史を描いた「黒船前夜 ロシア・アイヌ・日本の三国志」が大佛次郎賞を受賞したばかりの渡辺京二が世に知られるようになったのがこの作品。

明治時代のはじめ頃、近代化以前の日本文明を描く。礼儀正しく、親切で、自分の善意からした行為には対価を求めず、笑顔・・・かつての日本人はそんな国民だった。

ということを膨大な数の海外の文献(あるいは訳されたもの)を紹介して、それに独自の視点を加えるというだけの本なのに、なんでこんなに読ませるのだろう。文庫サイズで1900円とは高い。しかしそれだけ出した価値はたっぷりあった。葦書房というところから出たのは単行本は長らく絶版だったそうだ。

産業革命は実は英国にはなかったというのも面白かったし、外国人の目から見て当時の中国の方が良かったという意見と日本の方が良かったという意見それぞれあった(ということを調査するのはなかなか大変だろう)のも面白い。幸せそうな日本の農民の姿から江戸時代に農民は圧政で苦しんでいたというのが間違いだという説もとても興味深い。



「労働者の住、居、寝の三用件」は、「草ぶき屋根、畳、それに木綿蒲団数枚」がみたしてくれる。穀類、魚、海草中心の食事は、貧しいものにも欠けはしない。それに「人や環境が清潔この上ないといった常態は、何も金持ちだけに付いて回るものではなく、貧者のお供もする」(130頁より、アメリカ人シッドモアの言葉を引用)

おのれが幸せである者は、また人を幸せにする者である。ここに輝いていたのは、日本の古き庶民世界の最後の残照であった。(188頁より引用) 




うーむ。失われてしまった日本の良さはもう取り戻せないのだろうか。





逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)
渡辺 京二
平凡社
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