頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『行きつ戻りつ死ぬまで思案中』垣谷美雨

2023-06-29 | books
書いてあることの90%はその通りだと思う。残り10 %は全く受け入れられないという、白か黒かしかない稀有なエッセイ。

自分と全く同じ考えを読んでも意味がなく(自分が自覚のない事を指摘してくれるならいいけど)(昔付き合った人はあまりにも自分と感性が似すぎていて自分と付き合ってるような感じが気持ち悪いと思い、別れてしまった)自分と違いすぎる考えを読んでも全く消化出来ない。白と黒の狭間のグレーな部分がすごく大切。小説でもエッセイでも映画でもそういうことを自分が求めてるんだと分からせてくれた。サンキュー


 

今日の一曲

imaseで、"Nagisa"



では、また。



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『永遠と横道世之介』吉田修一

2023-06-27 | books
カメラマン世之介38歳、吉祥寺の下宿であけみさんと、大学生や書店員らと共に暮らす。亡くなった昔の恋人二千花の思い出あり、その他雑多な身辺雑記風小説。

面白かった。上巻はあまりドラマティックなことはないが、下巻にややドラマあり。基本的にいい人で、リラックスしていて多くの人に好かれる世之介から学ぶこと多し。

 
 

今日の一曲

Superflyで、「春はグラデーション」



では、また。



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店名にツッコんでください313

2023-06-25 | laugh or let me die
店名にツッコんでください313
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『わたしのいないテーブルで』丸山正樹

2023-06-23 | books
手話通訳士の荒井。ろう者の娘が料理中に聴者の母親を刺す傷害事件発生。黙秘する娘の心を開けるのか。

傑作。同じ日本という国で生きていても、話せるか聴こえるかでこれほどまで意思伝達出来ないのかと驚く。デフ・ヴォイスシリーズ今後も続くことを心から望む。


 

今日の一曲

The Japanese Houseで、"Sunshine Baby"



では、また。


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『刑事何森 孤高の相貌』丸山正樹

2023-06-21 | books
デフ・ヴォイスシリーズのスピンオフ。頑固だが正しいことをする何森刑事の連作短編集。障害のある娘が一階で暮らす二階で母親が殺された事件。自供するが当てにならない犯人。現金強奪犯のうち捕まった唯一の犯人は記憶喪失になってしまった。

三番目の「ロスト」はちょっと長いかなとは思うけれど、全体として読み応え抜群。警察ミステリーとしてよく出来てる。


 

今日の一曲

GoGo Penguinで、"Everything Is Going to Be OK"



では、また。



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『カンブリアIII 無化の章 警視庁「背理犯罪」捜査係』河合莞爾

2023-06-19 | books
前作の続き。超能力者の逮捕を警察庁が禁止した。特殊八係が考えた、伊沢を逮捕する方法は。伊沢の息子高山宙はどこに。やくざ、都知事との関係。


これもまたすごく面白かった。超能力をあるものだと認めてしまえば、あとは正統派警察ミステリー。都知事のキャラが腹立たしいほど立ってる。


 

今日の一曲

TWO LANESで、"Ascend"



では、また。


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『コメンテーター』奥田英朗

2023-06-17 | books
自由すぎる精神科医伊良部シリーズ第四作。バラエティ番組のコメンテーターになったり、怒れない患者、稼ぎ過ぎたデイトレーダー、恐怖症のピアニスト、コミュ障大学生。

新作が出るというので、前作読み返したら、ほとんど覚えてなくて、爆笑&感心。本作も同様。結局悩みなんてちっちゃいもの、ということを手を変え品を変え教えてくれる傑作。ミニ白衣巨乳愛想なし看護師マユミちゃんのプライベートが少し登場

 

今日の一曲

MAN WITH A MISSION×miletで、「絆ノ奇跡」


では、また。


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『いのちの十字路』南杏子

2023-06-15 | books
金沢で訪問医療クリニック勤務の若い医者野呂の苦闘。コロナ禍、認知症、技能実習生の病気、ヤングケアラー、老老介護等の現代的な問題を描く連作短編集。

うーむ。ある意味読むのはつらい。患う人、寄り添う人のつらさをひしひしと感じる。しかし現代を生きる者は、特に政治家は、読まねばならない。我々がすべき事は何か。ラストはとても良かった。

 

今日の一曲

のんで、"Beautiful Stars"



「あまちゃん」の再放送を録画して観ている。2回目なのに、新鮮な気持ちで楽しめる。

では、また。


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『カンブリアII 傀儡の章 警視庁「背理犯罪」捜査係』河合莞爾

2023-06-13 | books
シリーズ第二作。都知事選のライバル二人が死んだ。運転が思うようにできなくなったり、車が突然襲って来たりして。超能力者による背理犯罪なのか?

すごく面白かった。超能力者による犯罪だとどうやって認定するのか、どうやって逮捕するのか、公判維持できるのか?そういう痒いところ全てに手が届いてる。

現職知事が学歴詐称したりできもしない公約をぶち上げ一つも実践できないなど、あの都知事をモデルにしてるとか思えない。彼女に対してかなり批判的なのが作者の考えなのだろう。

結末は次作に続く。

 

今日の一曲

緑黄色社会で、「ピンクブルー」



では、また。


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『くもをさがす』西加奈子

2023-06-11 | books
夫と息子とバンクーバーに住むことにした著者。がんになってしまった。カナダでのかなり詳しい闘病記、カナダと日本との違いとは。

基本的に医療が無料だったり、日本ほど新商品が出たりはしなかったり、店員が店を代表して謝ることはないなどの日本との違いを沢山教えてくれる。特に204〜210頁辺り。しかし全体的にそれだけじゃない西加奈子の魂の叫びをひしひしと感じた。読んだ者の現在のライフスタイルをぐらぐらと揺らす。

 

今日の一曲

Wishbone Ashで、 "The King Will Come"



では、また。


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『あわのまにまに』吉川トリコ

2023-06-09 | books
2029年から1979年まで10年ごとに遡る連作短編集。同じ人物の過去を描くなら分かりやすいが、別人が主人公になっていたり、親の世代になっていたりして、わざと分かりにくくしているテクニカルな小説。


最初は意味分かんねえな読みにきーなと思っていたが段々とハマってしまった。分かりにくさをど真ん中に置くという珍しいタイプ

 

今日の一曲

The Beachesで、"Blame Brett"



では、また。



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『警部ヴィスティング 疑念』ヨルン・リーエル・ホルスト

2023-06-07 | books
休暇中のヴィスティング警部に届いた封書には1999年の事件の番号が書かれていた。17歳女性の殺害事件で、元恋人が逮捕され刑務所に行った。ヴィスティングが担当していた事件の番号も封書で送られ、こちらも女性殺害事件事件で容疑者は獄中で死んでいた。もしかすると真犯人は別にいるのか?

面白かった。封書を送る者の意図、既に刑期を終え出所してるダニーというキャラ、1999年の捜査と現代の捜査の違いなど読みどころたくさん。北欧のミステリーにはご馳走が多し。

 

今日の一曲

Blurで、"The Narcissist"



では、また。


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『頬に哀しみを刻め』S・A・コスビー

2023-06-05 | books
黒人と白人のゲイカップルが殺された。彼らの父親たちが犯人を探し求めるという話。

凄まじい暴力と復讐。なのにとても読みやすい。性的嗜好や人種の違いはこれほどまでに根強いのか。アメリカ南部の保守層についても考えされられる。ストーリー展開はとても良かった。


 

今日の一曲

椎名林檎で、「私は猫の目」



では、また。


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『透明な夜の香り』千早茜

2023-06-03 | books
天才的な嗅覚を持つ調香師のもとで、家政婦のような仕事をするようになった女性の連作短編集。

香りから様々なことが分かるのはすごい。ただ文体なのか内容なのか、自分の頭にズンズン染み渡る感じではなかった。


 

今日の一曲

Gacharic Spinで、「カチカチ山」



では、また。



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店名にツッコんでください312

2023-06-01 | laugh or let me die
店名にツッコんでください312
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