頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『時間封鎖』ロバート・チャールズ・ウィルソン

2009-04-30 | books

「時間封鎖」(上下)ロバート・チャールズ・ウィルソン 早川書房 2009年
SPIN, Robert Charles Wilson 2005

突如として空から星が消える。かろうじて太陽が昇るがそれはフェイク。地球の周りをスピンという膜で覆ったのだ。誰が?スピンの外側では地球上の1億倍のスピードで時間が流れる。太陽は既にその力を失い膨張している。スピンで覆われていないと地球上の生命は全て死んでしまう。混乱する地球の人間たち。いずれ滅亡する地球、人類を救うために考え出された奥の手。それは火星に原始生物や酸素窒素をロケットで飛ばして高速で進化させ、人間が住めるような環境を作らせるというもの。人類の未来はどうなるのか?誰が地球をスピンで覆っているのか?何のために?地球以外に生命体は存在するのか・・・

いやいや。SFを読んでいるのか純文学を読んでいるのか分からなくなる。設定はゴリゴリのハードSFなのに、人間を描くのが巧い。訳者の茂木健さんはあとがきで設定が似てるんではないかとよく言われるグレッグ・イーガン「宇宙消失」を評して


「たしかに、膜/壁によって封鎖されると言う点は共通しているものの、イーガンの作品に時間傾斜という概念は導入されていないし、読み進めてみれば、ナノテクによりサイボーグ化された人間たち(稚拙な表現なのは承知しているけれど、ほかに思いつかなかった)が、量子論の難解な理論や仮説を滔々と述べたて、かれらの講釈に単純な物語が追随するという、本書とは正反対のベクトルに向かう極めて科学的な内容だった。」(下巻362頁より引用)


うーむ。なんとも手厳しい。しかし自分の薄っぺらいレビューレビューを読み返してみると、あまり堪能できなかったようだ。忘れてた。「時間封鎖」はずっとよく分かるし面白い。いや面白いというより、気持ちいい。面白いのがマンガを読むときとかJ-POPを聴く時の感覚だとすれば、ジャズやクラシックを聴く感覚に近い。全体的に哀しいリズムが流れていてそれが心地よい。

アメリカで本書のような事態が起これば当然宗教が出張ってくる。キリスト教のやや異端な宗派がどう事態を捉えるかというのが興味深い。また哲学、医学、政治などこういう極端な事態になったときに普段我々が見えないその限界が見えたりその先にある希望が見えたりする。もっと極端に言えば、我々人間とは何なのか、その存在にはどんな意味があるのか、宇宙レベルという空間において、そして宇宙誕生からの長大な時間において。この時間封鎖を読んで、その点について考えざるを得ないのでその答えを自分で探しながら読むという楽しみがある。もちろん、人類の未来はどうなっていまうのかというミステリー的な落としどころをちょっとずつ探るという楽しみも。

あちこちに含蓄のある言葉が散りばめられている。その辺も単なるSFではない所以か。

「問題は・・・・・・」眼を半ば閉じ、あくびをしながらワンがいった。「問題はいつも同じですね。眼をつぶることなく太陽を見るには、どうしたらいいか」(下巻149頁より引用)

気候のよさで選ぶのなら天国。友人の数で選ぶのなら地獄(上巻137頁より引用)




ところで読みながら何かのメロディーがずっと頭の底を流れていた。イーグルスの「呪われた夜」だ(One Of These Nights, Eagles) イントロの哀しい感じ、そして歌詞がこの本にぴったりだと思った。イーグルスで一番好きな曲はこれ、ローリング・ストーンズで一番好きなのはDoo Doo Dooであるというとみな不思議そうな顔をする。このまま放っておくと音楽の話になりそうなので、この辺で。では、また。




時間封鎖〈上〉 (創元SF文庫)
ロバート・チャールズ ウィルスン
東京創元社

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時間封鎖〈下〉 (創元SF文庫)
ロバート・チャールズ ウィルスン
東京創元社

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↑古いライブ映像は音がよくないので2004年のライブ映像を。ドン・ヘンリーが太ってしまってややガッカリだが、声は相変わらずいい。
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美しいからあたしは捨てられるの

2009-04-29 | travel


羽田空港の出発ロビーの近くのゴミ箱の上に置かれた花束。よっぽど邪魔だったのだろうか。


1.私も過去に貰ったばかりの花束を捨てたことがある。それを誰かに見られてから「サイテー」と呼ばれるようになった。本名は斉藤だからサイテーのサイトーである。旧姓は佐藤だからサイテーのサトーである。

2.自分が過去に捨てられたのを「俺はお前には勿体ないからな」とか「あたしは美しすぎるから仕方ないわね」とよく分からない自己正当化という甘いかぶりものをして悦に入ったことはないだろうか?もしあるとすれば、捨てられた花束とあなたは似ている。




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映画『レッドクリフPartII』

2009-04-28 | film, drama and TV

「レッドクリフPart I」を観てから早くも3ヶ月が経過。その間に私は吉川英治の三国志全八巻①~④⑤~⑧を読破した。エライエライ。映画は公開されてから2週間も経つと全然混んでいない。夜11時に終わるレイトショーで観たが入りは半分くらい。当たり前だが子供がいなくて、年配のご夫婦が割りと多くおられた。三国志の映画化は普段映画を観ない世代の掘り起こしに貢献しているのかも知れない。

このPartIIについて語ることもPartIに続いてあまりない。川のこっちと向こうで、意地の悪いおじさんが、そうでもない二人組をやっつけようとして逆にやっつけられてしまいましたとさ。めでたしめでたし。やりたい放題の大魔王ジャイアンが、のび太とスネ夫連合軍にドラえもんという裏参謀が付いて、その知恵に破れるというようなモノだ。

未読山脈に埋もれている北方謙三三国志や周大荒の反三国志を踏まえないで吉川三国志(しか読んでいないので)だけ踏まえて、

1.曹操軍が舟を繋ぐとか風向きで火の方向が変わる、裏切り者など、映画ではややサラッっと扱われたことが、本ではガッツリと書かれていて本読んでいて良かったと思った。

2.小喬は相変わらず美しい。今世界で最も美しい女優ではなかろうか。私個人は昔はヴィッキー・チャオ演じる尚香のような目が大きくて気が強い女性が好みだったのに、いつのまにか(顔がキレイであるがそれは置いておいて)リン・チーリン演じる小喬のような誰もが良いと言うに決まっている女性が好みに変わっていた。統計学でいう偏差が多い好み、あるいは分散がキツイ性向が、正規分布を描くような好みに変化していったようだ。人間長く生きると全てが正規分布になるとフィボナッチfeat.ユークリッドも歌っている。

3.一緒に観たYちゃんは「やはり孔明様が、金城様がカッコゆい」と言っていたが、トニー・レオンの方がカッコいいだろう。孔明の出番がPartIIでは少ないし。

4.照明の使い方が自然だなーと思った。どの部分がスタジオでどの部分が屋外でCGでというのがほとんど区別がつかなくなっているのと、屋外のシーンはたまに暗いと感じることもあったが、それは自然光によるものなのだから当然なのかもと。それがスタンリー・キューブリックの「バリー・リンドン」の光と似たものを感じた。戦争がテーマという意味でも似ている。

5.映画館で観たほうがいい(あるいは映画館で観ないと良さが分からない)作品と、DVDで(自宅のTVで)見るので充分な作品がある。CGを多用したアクション大作のようなモノは前者だろうか。「レッドクリフ」は前者であることは間違いないが、例えば「純喫茶磯辺」とか「バーバー吉野」のような作品は映画館で観てもあまり自宅TVで見るのと変わらないのだろうか。較べたことがないので分からない。





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『ビッグコミック創刊物語』滝田誠一郎

2009-04-27 | books

「ビッグコミック創刊物語 ナマズの意地」滝田誠一郎 プレジデント社 2008年

1967年から創刊準備が始まり、1968年に創刊。以後小学館によるビッグコミックファミリーが青年マンガ界のトップを取るまでを描いたドキュメント。小西湧之助(こにしようのすけ)というカリスマ性を持ちかつ変な編集長が中心となり、ライバル他社の講談社や双葉社の動きや当時の漫画家たちの動きなど詳しく分かる。

ビッグコミックはラーメン屋に置いてあったのを昔よく読んだ。しかし自腹を切って買ったのは何といってもビッグコミックスピリッツだ。過去にこのブログで「マンガ読んでる奴はダメだ」と言ったような気がする。しかしよく読めばマンガ「しか」読まない奴はダメだと言った(はずである。よく覚えてない。)過去にさんざマンガを読んで、マンガをおかずにご飯を食っていた男なのだから、ビッグコミックはビッグなマンガ家を集めた雑誌だと分かって灌漑が深かった。のでぶくぶくぶくと溺れた。いや感慨深かった。

ジャンプやチャンピオンが出てくる前 マガジンVSサンデー戦争(さすがにこれはよく知らなかった)から、アクションなど青年マンガとの闘いは読み応え満点である。

最近の若者はバカであると言う人は多い。週末の朝日新聞で『若者はバカなのか』について三人が論じているのを興味深く読んだ。最近の若者がみな「バカ」であるとは思わない。幼稚であるとは多少思うが。それよりもつい最近の事をビックリするほど知らない。この本は、近頃の若者が読んでもたぶんあまり面白くないのではないだろうか。ここ何ヶ月か故あって縁あって最近のガキいや若者と触れ合う機会がある。すると彼らはつい最近のことを知らないということがよく分かった。それにゆえに、自分が知らない&興味がないので→読んでも面白くない(と想像する。)逆に、まことちゃん以外の楳図かずお作品が好きだとか、バロン吉元、篠原とおる、白土三平の名前につい反応してしまうような人は、オススメな一冊である。

読んでいると、 へぇ と思わず目の前にないボタンを押す エアトリヴィアをしてしまいそうな本だった。





ビッグコミック創刊物語―ナマズの意地
滝田 誠一郎
プレジデント社

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日曜劇場『ぼくの妹』第二回とかサラNEOとか

2009-04-26 | film, drama and TV

最後の3分だけ見ればいいという凄いドラマ。それまでの長いダラダラした前振りは特にストーリーに関係ないようで、結局前回のラストで提示された「ともさかりえは自殺?殺された?誰に?」という謎は解かれることがない。千原ジュニアがストーカーのようにオダジョーに張り付くということだけがラストで判明。しかしそれって先週の予告で既に分かっていたことの繰り返し。33分探偵ならぬ3分ドラマ。来週から見ないかもしくは最後の3分だけ見ようか。

サラリーマンNEOもパッとしない。きょうの経理という新コーナーだけ期待できるか?でも惰性で見るのはもうそろそろやめにしたい。裏でやってた情熱大陸は麻生久美子。録画したのまだ観てない。

昨日、レッドクリフPart2観てきた。これは面白かったし吉川英治三国志の凄さもまた認識した。レビューはするかも知れない。

今日は風強かった。あまりにも寒いのでウインドブレイカーを買って精算のとき「着て帰ります」とそのまま着た。世間のみんなが結構薄着だったので私が寒がりになったのだろうか。

ぼくの妹があまりにもつまらなかったのでそれをどうしても言いたかった。ので、記事は一日一本の原則をなんとなく曲げてしまった。しかし記事の内容が薄っぺらいのでまるで日記のようだ。明日から黄金週間の谷間。谷間にうもれて毎日をすごそー おー!

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見つからないのはP

2009-04-26 | days


うちの娘が集めろという。でも探しても探してもなかなか見つからない。

セブンイレブンにもない。ミニストップにもない。ampmにもサンクスにもない。山崎拓ならいくらでもあるのに、どうしてないんだ。

ばかやろーーー!




























このシールを30点分集めないといけないのに、なかなか集まらない。ほんとにコンビニで売っていないのだパスコを。パスコの菓子パンがないのだ。ヤマザキはどこに行ってもあるのに。心の底からヤマザキを憎んだ。

コンビニのパンコーナーで目をSarahのようにしてパンのメーカーをチェックしている男がいたら、それは私である。そっと私の尾てい骨から生えているしっぽをなでれば小吉。パスコのシールを私の尻ポケットに静かに私に気づかれないように入れれば中吉。


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大学に入学した君たちへ

2009-04-25 | days

おじさんは、高校時代全くもてなかった。なので大学受験の勉強のモチベーションはたった一つ。それは早く大学に入って彼女をつくるということ。大学の入学式が10月ぐらいにあればいいのにとさえ思ったのだ。それは嘘だが。

そんなおじさん、大学に入ってゴールデンウイーク前にはもう彼女をつくっていた。さすがだろう。はっはっは。やるときゃやるんだ。しかしゴールデンウイーク中だったかその直後に別の子に告られてからおかしくなったのだ。色々と。その恋愛体験がその後のおじさんの人生に生活に萌えポイントに多大な影響を及ぼしたはずである。

何が言いたいのかって?こら席を立つな。人の話はちゃんとききなさい。授業中に弁当を食うな。これから大切な話をするから。

おじさんの人生をおおいに参考にして速攻で4月中に彼女・彼氏・愛人・ペンパルをつくってしまえばいいのだよ。ユーがキャンできるならドゥーしちゃいなさい。酔って全裸で歌えるうちがハナなのだ。

まあしかしである。急いてはことを仕損じるということわざがある。しかし若者は失敗してもいいのだ。特に大学生なんて失敗だらけでよいのだ。いや学生は常に一年365日失敗する生き物なのだ。



生徒は 事を 仕損じる



うーむ。自分で言うのもなんだが決まりすぎだ。カッコ良すぎだ。


命短し 恋せよ 乙女
命短し たすきに長し
産めよ ふやせよ お国のためじゃ



最後の方はやや柴田恭平の香り、いや富国強兵の香りを漂わせてしまったが気にしない気にしない。

では、また。




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『極北クレイマー』海堂尊

2009-04-24 | books

『極北クレイマー』海堂尊 朝日新聞出版 2009年(初出は週刊朝日2008/1月~12月)

「チームバチスタの栄光」は面白く読んだのに、近い友人が「ナイチンゲールの沈黙」が駄作だと言うので、以降の作品を全く読んでいない海堂尊。最近はインタビューで写真も公開されてるし、以前は外科医で今は病理医だそうだ。まさか映画になるとは思っていなかったら、「ジェネラル・ルージュの凱旋」が映画化されるし、完全に世間から取り残されてしまった。

で、最新作は北海道極北市という夕張市のような赤字垂れ流しの市民病院における悲喜こもごも。外科医今中は好き好んで大学病院からこの最果ての地にやって来た。医療のレベルは極めて低く、職員のやる気もない、極北市という街自信が汚濁した街のようだ。この病院における唯一の良心と言えるのが産婦人科の三枝。しかし彼が医療ミスをして母子ともに亡くしたという疑惑が浮上。ストーリーは、この事件への対応と、突然やって来た不可思議な皮膚科の女医、姫宮の挙動が軸になって進む。

まあ、それほどひどくはないがかと言ってそれほど良かったとも言えない。それまでの海堂作品で「たぶん」扱っていない地方の現実がメインにどーんと来ている。軸になるストーリー以外のその部分や変なキャラクターを楽しんで読めれば収穫になるだろう。肝となる部分が最後まで読んでみたら、結局そんな風にキレイに収まってしまうのは私はあまり評価しない。いくつかのエピソードとキャラを継ぎ接ぎして出来たような作品だと思った。週刊誌の連載だからシークエンスが短いのは当たり前だが、ジャーナリスト西園寺さやか登場と日本医療業務機能評価機構が出てくる辺りから一つのシークエンスの扱いが粗雑になった感あり。

カッコいい最後とそれまでは切り離して別の作品にするか、エピローグ化するかして分離が上手く出来れば全く別の評価をしたい。そのカッコいい最後から引用する。


 「地獄の逸話をご存知ですか。地獄にはご馳走がたくさんあり、長い箸が用意されている。それは長すぎて、自分の口には入れられない。だから亡者たちは、目の前に食べ物があるのに、飢えて争う。これが地獄です。そして天国は地獄の隣にある。天国にもご馳走がたくさんあり、地獄と同じように長い箸が用意されている。そう、実は天国は地獄とまったく変わらない」
「それならどうして天国は天国で地獄は地獄になるんですか?」
思わずつられて記者が質問する。世良は丸眼鏡の奥で笑顔になる。
「天国では、長い箸で他人に食べさせてあげている。そして自分も他人に食べさせてもらう。地獄の亡者は自分のことしか考えない。だからご馳走を前にして飢えて争う。医療崩壊を騒ぎたてるのは、刺激ばかり求めてさまよう地獄の亡者が成す宿業だ。私たちはみんな天国にいる。ただ気づいていないだけだ」
「抽象的な譬え話では、現実に破綻した地方医療の立て直しに対するビジョンが見えません」
世良はその反論に、即座に言い返す。
「メディアはいつもそうだ。白か黒かの二者択一。そんなあなたたちが世の中をクレイマーだらけにしているのに、まだ気がつかないのか。日本人は今や一億二千万人、総クレイマーだ。自分以外の人間を責め立てて生きている。だからここは地獄だ。みんな医療に寄りかかるが、医療のために何かをしようなどと考える市民はいない。医療に助けてもらうことだけが当然だと信じて疑わない。何と傲慢で貧しい市民社会であることか」(432頁より引用)




地獄の譬えは実に上手い。そしてクレイマーだという批判は耳が痛い。自分もそのクレイマーの一人であるし、この世を天国から地獄に変えているメンバーの一人である。最後の箇所は医療という言葉を自分の置かれている立場や環境の即した言葉に替えて読み直すと何と含蓄深いことか。読んだ時間を返せと言いそうなったが、小説としては若干ビミョウな所のあるこの作品も教訓をくれたという本来とは違う意味で読んだ意味があった。




極北クレイマー
海堂 尊
朝日新聞出版

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泥酔したK君に言ったんだよ

2009-04-23 | laugh or let me die

酔っ払っちゃった彼にね、言ったんだよ。

おまえきとくかー

って。

そしたら彼、

俺が死に掛けてるわけないだろー

って怒るわけよ。泥酔してるから大変なんだよね。

しょうがないから公園に放置して帰ったらまさかあんなことに。

危篤じゃなくて、

着とく?ってきいたのに。

あんとき服着てれば・・・

いや芸能生活が危篤か・・・


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堂本剛の歌

2009-04-23 | music



TBSのうたばんの最後の方だけ見ていたら、堂本剛君のソロプロジェクトの剛紫の演奏があった。つよしむらさきと読むかと思った。江戸むらさきみたいなもの。しかし「つよし」と読むらしい。どんなものかと思いつつ見ていたら、歌が上手いというか、あまりにも上手いので驚いた。

空 ~ 美しい我の空








作詞作曲も彼自身が手がけているとのこと。正直しんどいで見せるやる気のないキャラとはまた全然違う。草剛君がぷっすまで見せるやる気のなさとはまた違う。人の才能は本当にどこに隠れているか分からないものだ。ENDLICHERI☆ENDLICHERIというのが彼のソロプロジェクトの名前だと思っていたら知らない間に変わっていた。wikiの記述を読んでいたら、彼が過呼吸症候群というパニック障害の一種であることや、色々な恐怖症を抱えていることを知った。

天才はたいていどこか変な部分を抱え持つ存在である。

と言ったら彼は安心するのであろうか。

全然関係ないけど、ジャニーズ事務所は本名での活動が原則だったと思う。しかし堂本光一と剛はどちらかが本名ではないの(最初は兄弟かと思っていた)であろうからその原則もたまには通さないようだ。それとも二人とも堂本が本名なのだろうか。関ジャニ∞の横山裕は本名は違うらしいがジャニー喜多川に「今日から君、YOUね」と芸名を突然告げられたそうだ。私も突然誰かに芸名をつけてもらいたいものだ。



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一年目の手紙

2009-04-22 | digital, blog & twitter

一年目の手紙で付き合って一年経過した相手からの手紙が届くそう。やってみた。


ふるさんの恋人からお手紙が届きました。

もう付き合って1年も経ったんだね。ふるのことだし、記念日なんか覚えてないか。
ふるはあまり話を聞いてくれないし、たまにはちゃんと気持ちを伝えようと思って手紙を書いています。

そういえば、この前ふるが髪の毛洗ったらごっそり抜けてたよね。っていちいち記念日にそんなこと書かなくていいか(笑)。
うーん、何から書こうかな。

最近よく言い合いになるよね。ふるの女友達のことで。
前に私が「私には大親友とも言える男友達がいる」って言ったら、「男はやりたいだけだから、女と親友なんてのは無理なんだ!」とか文句言ってたよね。でもさ、ふるには女友達がどんどん増えてるでしょ、このごろ。ふるもやっぱり「やりたいだけ」の友達なの?そこ聞きたいよ、いまだに。

それとさ、最近は、ふるの気持ちがどんどん薄れているように感じるんだ。ときどきふるは「ホテル代がないから今日は会わない」とか言うよね。私がそれを聞いてショックを受けると「おまえはホテル代出さないもんな」とか言うし…。もっと他にもお金使わずに遊ぶ方法があると思うし、一緒に散歩しているだけでも昔は楽しかったよね?もうそういう気持ちがなくなったのかなと思うと本当にショックなんだ。

私はもっとふるに興味を持ってほしいし、最近は本当に寂しい。でも私は合コンしても他の男に気持ちが惹かれることもないし、やっぱり浮気も馬鹿らしくてしたくない。ふるが私の気持ちをもっと分かってくれたらそれが一番なんだけどな。はぁ…。

あー、なんかふるのこと考えると、すぐ悪い方向にいっちゃう。もっと前向きな話題にするね。

これでもね、私はふるに感謝してるんだよ?
あまり男の人に接する勇気が出ない私にとっては、ふるみたいに明るくて積極的に話しかけてくるような人は、インチキくさかったけど助かったところはあったんだ。普通の女の人なら絶対にうざがるよね(笑)。でも私は好きになった。

ふるが言ってくれた「一日一日を大切にした先に、永遠があるって信じよう」ってセリフを今も大切にしているから、私はこれからもふるを日々大切にします。ふるもきっと同じ気持ちでいてくれているって、信じているよ。

これからも決して平坦ではないと思うけど、この一年間のように、お互いを信じて乗り越えていこうね。それと、あの「お尻がしゃべる」っていう芸はもう人前でやらないでね(苦笑)。

ではでは、これからも末永くよろしくお願いします。ふるがいてくれてよかった。ありがとう。

P.S.ちゃんとおへそ洗ってね。



ふるさんについての分析結果は以下の通り。

【こんな問題ありませんか?】

 ◆表では完璧に近い男性だが、裏では人に言えない行動をしがち。
 ◆女性をよく泣かせるし、よく泣くような女性を好んでもいる。
 ◆相手の女性からすると、本音がいまいちよく分からない。

【分析と課題】

ふるさんは、恋愛において、自分が幸せになれるよう真っ直ぐに行動できていますか?ふるさんの性格からして、ついつい「恋愛をうまくいかせるには」「相手が文句を言わないためには」などという視点が先行してしまい、自分がどうしたいかというのを置き去りにしがちなのではないでしょうか。

例えば、相手の誕生日には○○円ぐらいのプレゼントをあげなくてはいけない、週に○回ぐらいは会わなければいけない、など様々な観念に縛られながら行動してはいないでしょうか。欠点のない付き合い、非のない付き合いを目指すあまりに、ふるさんが生き生きとして自分自身の気持ちで恋愛に臨んでいる感じというのが相手からすると感じられないかもしれません。

相手からすると(たとえ会う回数が十分でも)何やら寂しく不安に思うので、不満や文句が多くなります。ふるさんはよくやっている自負があるので、不満を言われれば腹が立ちます。結果としてすれ違い、距離をとり、相手を泣かせることになりがちかと思われます。

ほどほどに順調に付き合い「うまくやる」のは得意なのでしょう。ただし表側を理想的にしようとすることで、もっと適当に派手に自由に生きたい自分が裏側にできあがるかもしれません。それが浮気につながるかはさておき、裏表はつくりやすいタイプだと言えるでしょう。

【恋愛キーワード】

「厳しそう」「余裕」「明るい」「女性扱いが上手」「人情」「追われる側」「男臭さあり」「ポジティブ」

【最後に】

ふるさんは、しっかり者であり女性を引っ張っていくタイプだと思われますので、あまり恋愛で困ることはないのかもしれません。しかもおそらくは「賢さ」を持っていて、自分の思考、思想に、自信を持っていることと思います。

そんなふるさんに何かをオススメするのはあまり効果的とは思いませんが、最後に我々の主張だけ書かせていただきます。

我々は、恋愛をある程度体系立てて捉えていて、その知識を皆さんと共有したいと思っています。「英会話」を学ぶときに、文法や単語知識などを同時に学習したほうがはるかにスキルアップが早いように、恋愛もただ経験しているだけでは何十年もかかるものが、学習を同時に行うことで1年や2年という時間で身に付くと考えています。

恐らくあらゆる方面で「人並み以上」であるふるさんにとって、「恋愛」というジャンルの知識はまだまだ未開拓ではないでしょうか。ふるさんが恋愛に困っていなくても、我々は、恋愛学習にお付き合いいただきたいと思っています。



うーむ。手紙そのものは8割当たっていない。しかし分析結果は6割当たってるような気がする。自分の思考には根拠があっていつでも「なぜそうなのか」説明できる(と自分では思っている。)でも他人の意見も常に聞くようにしている。しかしそれは「他人様の意見を聞くいい人」を演じてるだけかのかも知れない。恋愛以外のことで、今回の一年目の手紙が腑に落ちた。もっと普通に笑ってあげないといけないんだろうけど。

では、また。

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『ミレニアム2 火と戯れる女』スティーグ・ラーソン

2009-04-21 | books

「ミレニアム2 火と戯れる女」(上下)スティーグ・ラーソン 早川書房 2009年

「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」で私の心を奪った愛しい愛しいリスベット・サランデル。第二作は完全に第一作の続き物になっているので、1を先に読むことをオススメする。1を読んでいない人にとっても何とかネタバレせずにレビューしてみる。

リスベットの後見人の最低弁護士ビュルマンはよせばいいのにリスベットへ復讐しようと企む。それが悪夢の始まりとなった。それと平行して廃刊の危機にまで陥った雑誌ミレニアムに持ち込まれた企画はかなり危ない。東欧から連行された女性の人身売買と強制的な売春。それについての研究で博士号を取得予定の女性ミアとその彼氏のフリー・ジャーナリスト、ダグは人身売買と売春を請け負う人間たちと買春していた者たちの名前も掴んでいる。その中には公安警察の警官など公職にある者も。

ミレリアムのミカエルとエリカは企画を進め、雑誌で大々的に報じるとともに本の出版も決める。全てがスムーズに進んでいたはずなのに、ミアとダグが殺害される。そこにはリスベットが容疑者であるという物的証拠が。リスベットはそこで何をしていたのか?

リスベットの唯一の理解者だったパルムグレン弁護士。第一作で死んだと思われていたのに、九死に一生を得ていた。パルムグレンと、彼の後にリスベットの後見人になったビュルマン、段々と隠されていたリスベットの過去の謎が明らかになる。母親は死去、しかしどうしてリスベットは精神病院に入れられていたのか。ずっと秘密にされてきた最悪の出来事とは何か。ザラとは何者か。全てが繋がると、驚愕の真実があらわに。

いやいやいや。第二作も凄かった。続き物(1も2も全体の一部に過ぎない)であるから1とどっちが面白かったかいうことを考える意味がない。4コマまんがの2コマ目と3コマ目のどちらが面白いか問う者がいないのと同じ。ドラゴン・タトゥーの女では、リスベットという狂犬のような女性の描写が実に心の奥の方を引っ掻き回した。さらにネタが企業関係の不正、そして今回は人身売買と、私好みのネタが次々と出てくる。おまかせにして、旨い寿司を矢継ぎ早に出してくる凄腕の板前のようだ。ザラという人物、謎の金髪の巨人、この二人のバックグラウンドも含めて、このミレニアムという小説は私の好物という好物を重箱に全て詰め込んだオーダーメイド愛妻弁当だ(食ったことないけど)

ネタが特に好みなので点数はどうしても甘くなってしまうかも知れないが、私と同じ好み性向を持った人も少なくはないのだろうと想像する。例を挙げれば、ザラという人物についてある方面からAという過去が判明する(なにっ!)しかし後に別の方面からBという過去が判明して、このザラというキャラを描く構成だけで作者ラーソンの卓越した技術がうかがえる。

本を読んでいてこれだけドキドキしたのは久しぶりだし、こんなにドキドキできる感受性を自分がまだ持っていたということにいい意味での驚きを感じる。

なお、方程式が各章の冒頭に関連付けられている。読んでいて中身とどう関係があるのかさっぱり分からなかった。リスベットがフェルマーの最終定理(の単純化したモノ) x3+ y3 = z3 について突然理解してしまう。しかしよく考えてみたがやっぱり分からなかった。

第三作「爆発した空中楼閣(蜂の巣を蹴っ飛ばした女)」の発売が待ち遠しい。


追記:
「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」のレビュー





ミレニアム2 上 火と戯れる女
スティーグ・ラーソン
早川書房

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ミレニアム2 下 火と戯れる女
スティーグ・ラーソン
早川書房

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帰ってきた今日の教訓




月曜日に市場へ
出かけ~毛糸を~
買ってきた~♪
でもまだ年末じゃないので~
毛糸も編み棒も~放置~♪














クレニ編ム

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月9ドラマ『婚カツ!』

2009-04-20 | film, drama and TV

何をやっても上手くいかない人生を歩み続ける男、中居クン。仕事を辞め、再就職をしようとしたらその日に株価暴落、世界同時不況。何とか区役所の臨時職員の仕事にありつくが条件は結婚していること。失業してしまったので結婚できなくなってしまったと嘘をつく。実家はとんかつ屋、父は小日向文世、妹は就職活動中の上戸彩。酒屋で親友は佐藤隆太。同じ時期に区役所に入った同期が橋爪功、幼馴染で少子化対策課の上司が谷原章介。どっかで見たような顔が並ぶ。

谷原たちと仕事の後実家近辺を歩いていると、エライ騒ぎになっている。何かと思ったら、ケーブルテレビの区役所の番組で「区役所に勤めはじめたので念願の結婚に踏み切れる人」として紹介されてしまった。それで近所の人たちが大勢お祝いに来てくれたのだ。

電波の無駄遣いとちょっとしたエンターテイメントの狭間にある極めてビミョウな作品。

就職活動はシューカツ、結婚活動が婚カツ、離婚活動はリカツ、というようなよく分からない略し方が人口に膾炙するようになって驚く。まあ○○活動とういうくくり方は面白い。映画は日カツ、上杉と言えば景カツ、勝間和代に勝つと言えば勝カツ、昨日脅すの忘れたキョウカツ、ブログ活動はブカツ、ってか?

コテコテの下町っぽい笑いを与えてくれるのならそれもまたいいのだが、気がついたら60分を過ぎても一度もクスッとも笑っていない自分に気づいた。ダメじゃん。次回予告では、お見合いパーティで会った釈由美子とパーティの司会のりょうが、独身三人組(中居、佐藤、橋爪)と絡んでいくということらしい。

馬鹿馬鹿しくて観ていられないという気持ちもエポケーを導入すれば気持ちが変わるだろうか。木村敏は言う。「フッサール現象学のいうエポケーが、私たちの日常生活を支配している『自然な態度』の遂行を一時停止して、自己や世界の存在に関する素朴な確信を「括弧に入れる」ものであったのに対して、シュッツのいう「自然な態度のエポケー」(この「の」は「主格的所有格」と読むべきである)は逆にこれらの確信に対する一切の懐疑を停止して、これを括弧に入れる。この「自然な態度の(自然な態度に属する)エポケーこそ、私たちが生きている日常生活の巨大な自明性を保証して、これを「健全」に保つ「生活の知恵」にほかならないだろう(「関係としての自己」より)

どうだどうだ。一気にこのブログが高尚なモノに見えてきただろう。金粉が飛んでいるのが見えるだろう。しかしである。私は何が言いたいのだろう。ドラマレビューの最後に上手く落としどころが見つからないのと、もう2度と観ないとただ記述するのも芸がないのと、何となく頭がいい人のように見せかけようという非常にイヤラシイ心から書いただけなのだ。はっはっは。

まあしかし懐疑な心を停止して、全てを受け入れる広い心を持てばどんな作品も愛しく見えるのだろう。たぶん。そんなわけで約一週間続いたドラマ初回レビューはこれで終わる。現在放送中の民放ドラマではBOSSが唯一印象に残った。



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日曜劇場『ぼくの妹』

2009-04-19 | film, drama and TV

オダギリジョーは戸山医大呼吸器外科の医師。仕事は激務で出来る。出世には全く興味がない。医局では疎んじられている。妹は長澤まさみ。仕事は無断で辞め、家賃は払わず、片付けられない女。キャバクラ嬢しながら同僚に金を貸して儲けている。1億円貯めるのが夢。

オダジョーが自転車に乗っていたら料理のデリバリー中のともさかりえと衝突。ともさかは怪我をし、後に40万弁償しないと契約社員をくびになると言うので責任を感じたオダジョーは金を用意するがともさかは消えていた。長澤は投資話の乗っかってヤクザともめそうになる。彼氏は「この手の役をやらせたら天下一品の」田中哲司。弁護士で妻子あり。彼女のヤバイ仕事を手伝っている。

金好きの妹、まじめな兄。両親を早くに亡くし、父親に「これからはお互いを父親・母親だと思って生きていきなさい」と言われたことを守って生きている。残念ながら「究極の兄弟愛」というほどもでないなあーと思いながら、62分ぐらい観ていた(後でガラッと感想が変わるがしばしお待ちを。)この二人でなければ商業ベースに乗るような作品じゃない。ストーリー以外は悪くないのに。オダジョー史上最もカッコよさが薄いのがなかなか。もう笠智衆の枯れの域にまで達してしまったか。長澤まさみも演技なのかさほどかわいくないのがかえってリアル。

テンションの非常に低いともさかりえが良い。必ずしもタイプな顔立ちではないのにオーラとかテンション、声という彼女から出ているモノが好きだ。しかし現代ミュージカル界最高のプリンセス、笹本玲奈が病院理事長の娘役で出ていて、隠し切れないかわいさが画面から溢れ出ていた。以上女優ウオッチャーの報告。

ともさかりえに金を渡そうと南与野駅(なぜここ?)にゆくオダジョー。しかし彼女はそんなことはいいから同じアパートのじいちゃんの具合が悪いので診てくれという。結局その夜ともさかとナイトトゥゲザーした彼。ともさかの父親の調子が悪いので300万貸してくれと頼まれた。彼女が悪い人には見えなかったが、長澤とその彼氏の調査により、彼女は勤務先や実家など嘘をついていると判明。後日、ビルの屋上でそのことをともさかに告げた彼。直後、ともさかの体は地面にあった。


なんと!


自殺したのか・・・

と最後の数分になって急にそれまでのダラダラムードが一変してミステリアスな雰囲気に変わった。ともさかに千原ジュニアが彼氏のようなヒモのような存在でいるらしい。次回予告では ① 長澤がもしかすると彼女を殺したのか ② ジュニアがオダジョーのことを「彼女を殺した」と付きまとう。

と言う訳で、私がこのドラマをどう評価したらいいか分からないまま終わってしまった。とりあえず次回は観るつもりだ。


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巨大クモ2

2009-04-19 | days
赤レンガ倉庫でパフォーマンス中 すごいよ
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