頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

店名にツッコんでください90

2014-08-30 | laugh or let me die
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『ナイト&シャドウ』柳広司

2014-08-29 | books
警視庁警備部警備課、内閣総理大臣担当、通称SPの首藤は、アメリカに研修に来た。大統領を警護するシークレット・サービスの警備技術を学ぶために。指導するのはバーン特別捜査官。バーンと街に出ると、偶然目にしたのは、デモ隊の行進。ナイフを持った暴漢を首藤は一瞬で押さえつける。そして、進行する大統領暗殺… 

ラストの40頁ぐらいはすごくいい。まさかそれがそうきたか!

しかし、それまでは不自然で硬いストーリー、台詞。強引に挿入されるエピソード。TBSの日曜ドラマ「おやじの背中」の山田太一脚本の渡辺謙・余貴美子・東出昌大が出演した回とすごく、その不自然さが近かった。

ラスト40頁のタイトでスムーズな緊張感を最初から出してくれれば大傑作になっていたはず。

「ナイト&シャドウ」は表紙ではKnight & Shadowになっている。その辺りは小粋。

ナイト&シャドウ

今日の一曲

シャドウ。井上陽水で「メイクアップ・シャドウ」



では、また。
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『雨の狩人』大沢在昌

2014-08-27 | books
「新宿鮫」の大沢在昌による新作は、新宿署のマル暴刑事が主役。しかも孤独な捜査を好む。しかも自分の信念を決して曲げない。それって新宿鮫と同じじゃないかと思いつつ読んでみた。

新宿署の佐江は管内の極道のことならなんでも知っているぐらいに詳しい。そして平気で上司や公安にたてつくが、仕事はできるので新宿署から飛ばせない。休日のキャバクラで殺人事件が起こった。地下格闘技の試合が行われていて、飲食店の経営者が銃で撃たれた。プロの犯行のようだ。使用された弾丸は9ミリ。過去に未解決の事件で9ミリ弾が使用された事件を調べると、暴力団のフロント企業で高利貸をしている者が射殺された事件が挙がってきた。さらに調べるとその暴力団は解散に追い込まれているが、それはフロント企業の人間が他に二人死んだのが原因とされている。これも殺人なのだろうか。新宿の土地を狙う日本最大の広域暴力団高河連合のの若頭延井。佐江と延井の死闘が始まる。佐江を助ける意外な人物も絡んで、複雑な絡み合ったプロットがほどけていくと…

おっと。これは思いがけない収穫。

「雨の狩人」というちょっと昭和なタイトルと内容は全く関係がない。佐江が狩人だとは言えなくはないけれど、雨は出て来ない。タイトルと内容が一致していなくてはいけないというものではないけれど(「愛と青春の旅立ち」とか内容とどう関係するのかよく分からないけれど、秀逸なタイトルはある)、でもこのタイトルはカッコ悪いと思う。

しかししかし、内容はすごくいい。「新宿鮫」とどう違うかと言えば、「歌手の恋人」がいて「上司がやる気がなさそう」で「出来る鑑識の友達」がいて「キャリアといつも対立して」というような鮫でお約束になっている背景描写がない。佐江というキャラは鮫と非常に似ているけれど(見た目は似てない)、背景が違うといったところか。詳しくは書けないけれど、タイとの関連とか佐江には不思議な守護神がいてというところが独特だ。しかしテイストは似たようなものなので、鮫シリーズがちっとも面白くなかった人には楽しめるはずはないと思う。

中味が詰まっていたからか、いつもより読むのに時間がかかった。それは良い作品だからだと思う。鮫と同様に。

え?「新宿鮫」を読んだことがない?それでは夏休みの宿題にしておくので8月中には読んでおきましょう。

雨の狩人新宿鮫 (光文社文庫)

今日の一曲

ラジオでかかっていて、いい曲だなと思って。本とは無関係、7!!(セブン・ウップス)で「スタートライン」



では、また。
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『ひとりでは生きられないのも芸のうち』内田樹

2014-08-25 | books
たまに読むと滋養と強壮に満ちるウチダセンセイ。

少し前に寝屋川の小学校に暴漢が侵入して、教師三人を殺傷したという事件がありました。覚えておいでですか。その翌日に保護者会がありました。出席して父親の一人は「学校も教育委員会も一言も謝罪しない。悪いのは犯人だが、管理責任だってある。腹が立つ」と語っていました。
このコメントはいくらなんでも「非常識」でしょう。
先生が三人殺傷されているんですよ。「危機管理」にけちをつけるより先に、自分たちの子どもを身を挺して守ってくれた先生たちにお悔やみと感謝の言葉を告げるのが「常識」じゃないんでしょうか。

南海電鉄の線路にヘリコプターが墜落して、数時間電車が止まったことがありました。そのときも「どうなっているんだ。会社はどう責任を取るんだ」と気色ばんで駅員に詰め寄る乗客たちの姿が報道されていました。

これらのふるまいには共通するものがあります。おわかりになりますか。
それは「公的なもの」は盤石であるから、いくら批判しても構わないし、むしろ無慈悲な批判にさらされることで「公的なもの」はますます強固で効率的なものに改善されるであろうという楽観です。
私は正直言って、この「楽観」の根拠がわからないのです。

私たちの社会の様々なシステムを機能不全に陥らせているのは、この「ちゃんと仕事をしてくれる人がどこかにいるはずだ」という無根拠な楽観です。
「誰かがちゃんとシステムを管理してくれているはずだ(だから、私はやらなくていい)」という当事者意識の欠如がこの「楽観」をもたらし、それがシステムの構造的な破綻を呼び寄せています。
当事者意識がない人たちの制度改善努力は「文句をつけること」に限定されます。

以上が一連の一つの話。ウチダセンセイは、批判する者の数があまり多くならなければ良いとする。そして、批判を受け止めて改善するのが自分の責務だと考える人を一定数以上確保するにはどうすればいいのかがこの本を通じての政治的目標だとする。そして社会の責務を受け止める「常識的な人」は社会構成員の20%もあれば充分、そのように社会派設計されていると言う。なるほど。

話は全然違うけれど、女性が男性を籠絡したいならば1.才能を 2.ルックスを褒めるべきだとする。読むと確かに納得してしまった。

また話を変えると、東京の公立小学校の二年生を受け持つ渡辺恵美先生の書いた文章(「ことばから見える現代の子ども」より)を引用していて、

ここ数年気にかかることは『自分のことばを引き取らない』ということです。『たぶん』、『かもね』などのことばを最後につけて、あとから追求がこないようにしています。断定で『そうです』ということばも使わないですね。こうしたことは、家庭が学校化している子どもの多いのではないかと思います。

今の学校の子どもたちも共通しているのですが、低学年の語彙の少なさを感じます。『むかつく』と言えばそれで済んでしまう。この年ではこの程度は知っていなければいけないと思うことばが、なかなか子どもたち全体のものになっていない。
ことばを考えると、単語が飛び交っている生活言語と、学習言語があると思います。生活言語の範囲がすごく狭くなっている。生活に困らない程度の単語の数だから、情感を表すようなことばが減ってきている。親子関係もあまり情感のない関係になってきているのではないかと思えます。
たとえば学校にはたくさんの行事がありますが、参観した親からいろんなことを言ってもらえるんじゃないかなと私などは思います。
次の日に聞くと、『何も言われなかった』と子どもたちは言うのです。その子は言われたことを忘れちゃったのかと一時は思っていましたが、親が何も言わない、運動会が終わっても、運動会のことが全然話題にならない家庭があります。情感を養う部分が生活の中で薄くなってきているから、そこを獲得できないのかなと思います。

言葉が先か、情感が先か。様々なことを感じる心があるから、それに合わせて言葉が生まれた、というよりも、現代では言葉が貧困になってきたから、情感も薄れてしまったのかも知れない。

「あなたがいなければ生きてゆけない」という言葉は「私」の無能や欠乏について事実知的言明ではない。そうではなくて、「だからこそ、あなたにはこれからもずっと元気で生きていて欲しい」という、「あなた」の健康と幸福を願う予祝の言葉なのである。
自分のまわりにその健康と幸福を願わずにはいられない多くの人びとを有している人は、そうでない人よりも健康と幸福に恵まれる可能性が高い。それは、(キャッチボールの例から知れるように)祝福とは本質的に相互的なものだからである。

依存するということと、「あなたがいなければ生きていけない」ということ。似ているようで違う。

ひとりでは生きられないのも芸のうち (文春文庫)

今日の一曲

あなたなしでは生きられない。I Can't Live Without Youと歌う、Harry NilssonのWithout You



意味もよく分からないまま聴いていたころも良かったけれど、歌詞が分かると、サビに行く前の歌詞がすごくいい。中学生か高校生の頃にパソコンとインターネットとYoutubeがあったら、学校行かずずっと動画を観ていただろう。

では、また。
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『なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日』門田隆将

2014-08-23 | books
1999年、山口県光市。本村洋の妻と子は殺害された。容疑者は18歳のF。二十棟ある新日鐵の社宅で、別棟に住んでいた。被害者と面識はない。「誰かとセックスしたかった」Fは社宅を、排水検査を装って「きれいな女性」を探して呼び鈴を押す。そして被害者宅へ。殺してからの方が楽だろうと先に殺してから凌辱し、泣き叫ぶ赤ん坊も殺す。

というシナリオから逸脱しない一審と二審…

有名な事件なのでここであらためて書くこともないかも知れない。(私は記憶が曖昧で、正直よく覚えていないのだが、印象的なのは本村氏の姿。被告を死刑にしようという執念)

本書は本村氏を中心に描いているドキュメント。「本の雑誌」の特集で取り上げられていて読もうと思ったのは、他にもこの事件を扱っている本があって、本書で書かれていることが全てではないとあったから。だったら全部読もうと思った。「裁判官が見た光市母子殺害事件」「光市事件弁護団は何を立証したのか」「なぜ僕は「悪魔」と呼ばれた少年を助けようとしたのか 『光市母子殺害事件』弁護団を解任された“泣き虫弁護士”の闘争手記」「福田君を殺して何になる 光市母子殺害事件の陥穽」

無期懲役が「相場」だからという慣例に挑戦する本村氏に心が動かないわでけはない。しかし単純に感動するというわけにもいかない。司法の良くない点には考えさせられる。最高裁でどこからともなく現れた大弁護団は合宿までして、「殺す気はなかった。傷害致死だ」と突然主張するようになる。これには腹が立たない人はいないだろう。

「本村氏」や「被害者」側からのみ事件を描いているバイアスは感じる。

なぜ、「慣例」を逸脱して、死刑判決に至ったのかいま一つよく分からなかった。死刑になったからよかったよかった。とは思えない。確かにFはひどい男なのだけれど。

ううむ。他の本を読んでもう少し考えてみたい。

なぜ君は絶望と闘えたのか―本村洋の3300日 (新潮文庫 か 41-2)

今日の一曲

Andrea BocelliとLiel KoletでRay of Hope



では、また。
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『逆さの骨』ジム・ケリー

2014-08-21 | books
イングランド東部イーリー。古代の遺跡発掘現場から遺体が発見された。50年ぐらい前のものだと、発掘担当の教授は言う。そこは第二次大戦中の捕虜収容所があった場所でもあり、トンネルが掘られていた。だとすると、これは脱走用のトンネルであって、遺体は脱走兵なのだろうか。だとすると収容所の中に向かう姿勢で死んでいたのはおかしい… 周辺のごみ処理施設からの悪臭、遺跡の発掘、イタリア人捕虜。そして見つかった新しい遺体。それは発掘を担当したヴァルジミーリ教授だった。彼の過去を知らべると実はイーリーと関係があることが分かった。イタリアの大学にいた教授をここに誘った元指導教官、ヴァルジミーリの美しい妻。そして盗まれた数百万ポンドの価値のある絵画。絡み合った謎を解きほぐすのは、記者フィリップ・ドライデン。

前作「火焔の鎖」がすごく良かったのにもかかわらず、それを上回ると言っても良いぐらいの出来。続き物的側面はそれほどなく、必要な背景に関しては説明してくれるので、第三作から読んでも大丈夫。

解説で酒井貞道氏が「読み終えた直後の感想はこれだった。なんとふくよかな小説なのだろう!」

彼の解説を全文引用したいぐらい、かゆいところに手が届き、必要にして充分な解説。

ミステリーばかり読んでいたのが、最近ノンフィクション、特に事件ノンフィクションを多く読んでいた。しかしやっぱりミステリーはいいと本作は思わせてくれる。酒井氏を倣うと、

なんと力のある小説なのだろう!

逆さの骨 (創元推理文庫)

今日の一曲

骨。子門真人で「ホネホネロック」



では、また。
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『リオとタケル』中村安希

2014-08-19 | books
「インパラの朝」「食べる。」の著者中村は、アメリカの大学で演劇を学んだ。その時の恩師でもあり、中村の大好きな人はリオ。彼はゲイ。リオのパートナーはタケル。日本人。1949年に東京で生まれ、24歳の時にアメリカに渡り、舞台衣装のデザイナーになった。リオは舞台装置のデザイナー。二人とも凄腕で賞を何度も受賞している。そんな二人のインタビューと彼らの周囲の人たちのインタビューを通して、彼らのセクシュアリティ、仕事、生い立ちを描くノンフィクション。

ありそうでなかった、存命中の、有名でない人を伝記で描く本。しかもインタビューを多数織り込む。

リオとタケルの人柄がすごくいい。中村が大好きなのもよく分かる。

「自分を正確に知る」というのは、本人が思っている以上に難しいことなのかもしれない。なぜなら他人を判断するのとは違い、自分の本性を理解し、認め、それを受け入れる作業には多くの場合、痛みが伴うのだ。

「性的なアイデンティティを考える上で、身体的な行為というのは、まったく問題ではないんだ。セクシュアリティは、心が何を求めるか、によって決まる。僕がこの考え方を支持している理由は、この論理の中では、まったくセックスをしない人でも、ちゃんと性的なアイデンティティを獲得できるから」

70年代にゲイであるということの困難さや、また演劇という芸術について色々教えてくれた。

ゲイであろうが、いやゲイだったからこそ、本人たちが人生を謳歌している様を見せたから、それが周囲の偏見を消失させたのかも知れない。

何かのハンデがあっても、自分がすごく楽しんでいるように見せられれば、周囲からすればハンデのことなんて忘れてしまうし、そして自分のハンデでもなくなってしまう。そんなことなのかも知れない。

リオとタケル

今日の一曲

リオと言えば、Duran DuranでRio



では、また。

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『コーヒーと恋愛』獅子文六

2014-08-18 | books
坂井モエ子、44歳、新劇出身の女優。すごく美人というわけじゃないのに親しみやすいからかお茶の間で人気。8歳年下の同棲相手は塔ノ本勉、舞台芸術家。若い女優と関係があるような気がする。テレビドラマでついに主役、CMの契約、上り調子のモエ子の元から、出て行った勉。コーヒーが好きだからと、入った日本可否会のメンバーたちとの軽妙な会話、先の読めない展開…

何とも愉快。1962年に書かれたとは思えない小説とは信じがたい。新聞連載だったそうだ。

今とは違って鷹揚な人たち(モンスター・ペアレントもLINEいじめもなかった)を読むと自分もちょっと鷹揚な人になったような気分になる。テレビドラマの創成期の話としても面白い。

「てんやわんや」も良かった。夏目漱石とか森鴎外とか太宰治というような純文学系の巨匠(?)の作品はどうも肌に合わないけれど、獅子文六のような大衆作家なら古くても十分に楽しめるようだ。今度は何を読もうか。

コーヒーと恋愛 (ちくま文庫)

今日の一曲

ずばり「コーヒーと恋愛」という曲byサニーデイサービスの曽我部恵一と友部正人。



曽我部氏がこの本の解説も書いている。

では、また。
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『イベリコ豚を買いに』野地秩嘉

2014-08-16 | books
スペインでイベリコ豚を見たことがあるという知り合いにイベリコ豚の生ハムを食べさせてもらうとナッツの香りが口に広がる。ドングリだけを食べているイベリコ豚の味とはこれか。その知り合いに実際に見に行った方がいいと言われ、2010年4月にスペインに行くことになった。しかし4月下旬になると宮崎で口蹄疫の感染が確認されてしまった。先方の農場からは日本からの客を受け容れられないと言われた。仕方ないので日本で屠殺見学に行き、書籍で勉強していた。しかし先方は相変わらず見学を拒否している。その時思いついた。「買えばよいではないか」 買うと言えば、お客なのだから見学させてくれるに違いない。2頭買うと言うと、取材はOKとなった。広大な放牧場にいるイベリコ豚を見て、歴史や食べ方を教えてもらう…というのがこの本の前半。後半は、この豚を輸入してどうやって売るのか、という話。知り合いのプロにあれを頼み、こっちのプロにこれを頼み、試作を繰り返し、そしてたどり着いたのは、ハム… 

いいなあ、こういうノン・フィクションは。読んでいて食欲がそそられ、そして前へ進む活力を与えてくれる。

食についての知識とか知恵をたくさん教えてくれる。日本で売られているハムは、肉にソミュール液(調味液)を注入してあるそうだ。だから1キロ1000円のロース肉で作ったハムが1キロ900円で売っていたりする。なるほどー。

また、著者は何を学んだのか。

わたしは自分がダメだなあとがっくりきたのは仕事の核、仕事の本質とは何かをわかっていなかったことだ。田村、武部、和知の働き方を見ていると、毎日、膨大な連絡、確認、言伝をしながら、ひとつひとつ商品を作り上げ、それを発送し代金を徴収している。ことに試作品を作る過程でわかったのだけれど、3人の間では毎日、ほぼ同じことを何度も確認しながら前に進めている。参加者から異論が出たら、すぐに修正して、また同じ工程を繰り返す。仕事とはまさに連絡を絶やさないようにして、それぞれの参加者の情報のレベルを均一にすることなのだ。イベリコ豚のハムを作る仕事を通して、わたしは仕事ができる人とはすぐに連絡がつく人で、しかも、自分の考えに執着しない人間だと理解することができた。


ビジネスとは何であろうか。優秀なビジネスマンとは何であるのか。著者は学び取った。ビジネスを別の言葉に置き換えて、「人生」とか「恋愛」とか「作品を作ること」とか「友情」とか「幸福」について考えてみると、根底では共通するものがあるように思った。

これを読めば、彼らがどんな苦労をしてマルディグラハムという高級なハムを作っているか分かる。すると決して高いものだとは思わない。Amazonや楽天では買えないようだれど、本にも出てくるグルメソムリエのサイトからは買えるようだ。250グラムで3333円。買っちゃおうかなー、それともスペインでイベリコ豚の生ハムを先に食べてからにしようかなー。

イベリコ豚を買いに

今日の一曲

イベリコ豚はスペイン。と言えばチック・コリアの「スペイン」 アランフェス協奏曲をイントロに使った軽快なジャズ。をと思って動画を探していたらたまたま見つけた。ジャズバイオリニストのmaikoという人のライブ。ギターがすごくいい。



では、また。
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『血の裁き』ロバート・ゴダード

2014-08-15 | books
ロンドン在住の肝臓移植医ハモンド。休暇でオーストリアに向かう途中の空港で、キレイな女性に話しかけられた。そしてその話を聞かなければよかったと思うことに… 女はドラガン・ガジの娘イングリット。ハモンドは13年前にガジの肝臓移植の手術を成功させた。ガジはユーゴ内戦の戦争犯罪人で現在は拘留されている。ガジが隠した財産を管理している会計係が行方不明で、その行方をハモンドに追って欲しい頼むと言う。自分たちは尾行されてるからと。そしてイングリッドは脅す。ハモンドの妻が殺されたのは、ガジの差し金だったと。当時ハモンドは泥沼離婚訴訟中。手術の成功のお礼に、ガジが手下に妻を殺させたと言うのだ。そして無関係だと言っても、ガジが公判でハモンドの話をすれば医者として今後も仕事を続けていけないだろうと。そして、ハモンドはベオグラードへ。金の行方は、そして…

うーん。ロバート・ゴダードではないと思う。これがジャック・ヒギンズの活劇だとかフレデリック・フォーサイスの国際謀略ものだったら何の問題もなく、楽しめる、とても読みやすい「ユーゴ内戦をネタにした、手に汗握る小説」となる。

しかし、ゴダード… だと思って読むと、時代をもっと遠くまで遡ってくれないと、らしくない。活劇ももうちょっと減らして欲しい。

同じ内容なのに、書いた人が誰かというだけで評価が変わってしまう私は風見鶏です。いや、そんなに悪い作品じゃないんですよ。むしろささっと軽く読める、現代史を西村京太郎サスペンスで味付けした珍しい作品です。

血の裁き(上) (講談社文庫)血の裁き(下) (講談社文庫)


今日の一曲

原題はBlood Countなので、Bruno MarsでCount On Me



countの意味が違うんじゃないかというツッコミはスルー致します。

では、また。
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『虚ろな十字架』東野圭吾

2014-08-14 | books
別れた妻が殺された。彼女と面識のない男が、金目当てに殺したと自供した。被害者の遺族として事件に接しているうちに見つけた真相とは…

うーむ。殺人の動機はそれか、それなのか。冒頭の章でそっち系の予感はしていた。だから意外性がなかったと言いたいわけではない。その程度のことで人を殺すのか(殺すかも知れないけれど、それをフィクションにする意味は…)と落胆しつつ最後の頁を閉じた。

主人公が事件に足を突っ込んでいくやや無理な展開に心が奪われないのは私だけだろうか。加えて殺人の動機。やむを得ない殺人も描き方によってはものすごくいいものになる。松本清張の「砂の器」のように、社会的に、考えさせるようなものとか。しかししかし。

出版不況が深刻な昨今。東野圭吾のようなビッグネームには、本好きを増やすことを期待してしまうが、これでは「東野圭吾の書くお手軽ミステリ風商品」を読む「東野圭吾作品しか読まない」消費者だけが増えるだけのような気がする。

それとも、書籍とは所詮、コモディティにすぎないのだろうか。

虚ろな十字架

今日の一曲

コモディティと言えば、コモドアーズ。と言えばリードボーカルはライオネル・リッチー。Lionel Richieで、Hello



では、また。
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『エドノミクス 歴史と時代劇で今を知る』飯田泰之・春日太一

2014-08-13 | books
経済学者と時代劇研究家の対談を中心に、江戸時代を、経済と時代劇から見てみようとする本。

なぜ徳川家康が天下を取れたか? 商業的に発展している近畿や西国だと武士に戦うモチベーションがない。しかし北の、農業以外に人を割く余裕がない地域では、戦力を持つ余裕がない。三河がそういう意味でちょうど良かった。という説が披露されていて、すごく面白いと思った。

他にも様々なNHKの大河ドラマや映画がどう江戸時代を取り上げてきたか説明してくれたり、「忠臣蔵」の内容の変化、司馬遼太郎の造った「歴史」など、非常にとっつきやすく読みやすい江戸時代本。

著者の二人は、海城高校の先輩後輩にあたるらしい。

エドノミクス~歴史と時代劇で今を知る

今日の一曲

エドと言えば、エゴ。ego-wrappin'でくちばしにチェリー。



では、また。
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店名にツッコんでください89

2014-08-12 | laugh or let me die
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『消された一家 北九州・連続監禁殺人事件』豊田正義

2014-08-11 | books
「ケモノの城」はこの本を基にしたフィクション。こっちはノンフィクション。

天才と呼んでも過言ではない、マインドコントローラー松永太。「事件」の前に、四人の男女を金主として、過酷な仕打ちをし、うち二人は死亡、一人を精神病院送りにしていた。

そして「事件」 奇妙な同居、虐待、そして殺害。メンバーは、松永と内縁の妻緒方純子、純子の父、母、妹、妹の夫、妹の長男、妹の長女、不動産会社の営業マン。

平成4年から10年までに、松永と純子以外は全て殺される。

(産経新聞より)

巧みな話術で相手に取り入って、気づけば数千万円を吐き出させる。しかし、どうやって?

松永は自分では手を下さずに、他の者に殺させる。しかし、どうやって?

宗教のようなややこしいテクニックを使わずに、人を洗脳する。人はこんな風に簡単に洗脳されてしまうものなのか。緒方純子の妹の夫は元警察官なのだ。

自分は決して洗脳されることなどない、殺人事件など自分の人生とは関係ない。もしそう考えるなら、読んでほしい。人間とはこういう生き物なのだ。

被害者になりたくないのなら、加害者になりたくないのなら、そして人間の心の深淵をのぞき込みたいのなら。

内田樹センセイが言うように、何が起こり得るかあらかじめ知っている者は、答えのない問いに答えることができ、ピンチのときにそこから抜け出せる者である。

消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (新潮文庫)

今日の一曲

極限の状態に追い込まれると人はどうなるか。QUEENとDavid Bowieの黄金のコラボ。Under Pressure



では、また。
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『犯罪心理捜査官セバスチャン』M・ヨート&H・ローセンフェルト

2014-08-10 | books
スウェーデン・ミステリ『エリカ&パトリック」のテレビドラマの脚本担当のM・ヨートと、テレビドラマ「THE BRIDGE」の脚本やヘニング・マンケルの「刑事ヴァランダー」の脚本担当のH・ローセンフェルトの二人が小説を手掛けた。(THE BRIDGEはなかなか面白かったです)

男子高校生の遺体。心臓が抜き取られていた。地元警察の初動は失敗。殺人の特別捜査班を呼ぶことになった。被害者のガールフレンドは、被害者と一緒にいた時間について嘘をつく。

かつて大学の心理学部で優秀な成績だったにもかかわらず女癖が悪く、アメリカに行くことになった心理学者セバスチャンは、自分の子どもがいるかも知れないと知って、警察の内部情報を入手するために、捜査本部に潜り込む。優秀ではあるものの、性格は悪く、他人を怒らせる天才のセバスチャン。捜査班のメンバーともうまくいかない。そしてセックス中毒。事件の真相に近づけるのか…

とっても読みやすい。キャラ設定も分かりやすい。のでスイスイ進むものの、なんだか中身が薄いかなーと思いながら読んでいたら、掘ればでてくる次から出てくる意外な真相。サイコスリラーだと思ってた。タイトルもそれっぽいし。しかし犯罪心理のエキスパートだから解決できるというより、刑事の通常のアプローチから真犯人を見つけていく。

上巻の終わり辺りからダレてきたけれど、下巻に入ってからぐーんと盛り返してきた。それからは一気読み。脚本家が書いたせいなのか、映像が眼に浮かぶタイプの小説だった。

犯罪心理捜査官セバスチャン 上 (創元推理文庫)犯罪心理捜査官セバスチャン 下 (創元推理文庫)

今日の一曲

タイトルはセバスチャン。ギターのいないバンド、SEBASTIAN Xで「サディスティック・カシオペア」



では、また。

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