まほろば日記

fujioの日常の出来事、記録等を思いつくままに書いた日記です

山崎正和氏から教えられたこと。

2020-08-21 23:34:27 | 日常
令和2年8月21日
今日のニースで「山崎正和氏が8月19日悪性中皮腫のため逝去。86歳没」と報じられた。
先日は渡哲也氏が亡くなった。今回は山崎氏が亡くなった。つくづく人間に寿命がある。必ず死ぬことを思い知らされました。
氏は日本の劇作家、評論家、演劇研究者として知られ、戯曲、評論の分野で数々の著作により紫綬褒章、文化功労者賞、文化勲章等を受賞されています。
私は戯曲などは門外漢であり理解できませんが1978年(昭和53年)に出版された「劇的なる精神」を読んで感銘を受けたことがあります。その本の帯符に「戦前の間違った大アジア主義に陥ることなく。いかにアジアの人々と向き合うか」等、センセーショナルなタイトルにひかれて読みました。演劇論などの難しいことはよく理解できませんでしたが、これからの日本人は「劇的なる精神」を持つことが必要であると述べられていました。劇的という意味は「劇的な生涯」というような意味ではなく「演劇する人の心を持つべしということでした。演技する人の心とは、演技している自分をもう一人の自分が見ていることを意識して演技する。役になりきって演じている自分。それを少し離れたところで観察している自分を感じているから役に没頭できる。演技しているのは自分の延長ではない。全くの白紙の別人である。単純にのめりこむのでは無く、冷静に、客観的に判断することの大切さを教わりました。私も時々人前で話をしなければならないことがあります。その時あがらないようにするには・・・。この{劇的なる精神」が生かされる。演説している自分(役者)を見つめているもう一人の自分がいることを意識すれば冷静になり、あがることはない。舞台の前に立っている自分に演技させればよいのですから・・・・冷静に演技できる。難しい演技論や技術は理解できないが体験的にはその役の人物になりきる、そうすればその人物を演じることはできる。その人の性格等が理解できなければ感銘を与える演技はできない。だから良い役者は人生経験、観察力、奥の深い人間愛が必要になるのでしょう。
この機会に今一度読み返してみようと古本の山を探してみたが見当たらない。その代わり昔読んだ懐かしい書物が見つかった。宝物を見つけた気分です。今一度読みかえしてみるとまた違った感動が得られるような気がします。昔は3回読んで初めて理解できるといわれましたから・・・
心よりご冥福をお祈りいたします。合掌。
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