平成29年8月10日から13日
我会の剣岳夏山集中登山のうち源次郎尾根コースを担当し初挑戦者3人とともに登攀してきました。
10日 19時に福山を大型貸し切りバスで出発、翌朝6時40分の立山駅発ケーブルカーに乗り室堂へ。
ここで立山三山を縦走する仲間と別れ剣御前を越え剣沢雪渓を下り,予定通り源次郎尾根取り付き地点に13:30分着。
最初の岩場、i丸い大岩の補助ロープがスリングで粗末だと聞いていたので補用ロープを設置して真砂沢ロッジに向かう。
今季から経営者が若い「松井さん」に代わっていた。
この冬の大雪で小屋の一部が潰れ現在再建中とのことでしたが以前よりまっすぐに立付もできていました。
満員で混雑するとのことでしたが悪天候のためキャンセルが多かったのでしょう1部屋貸切でゆっくりと休めました。
夜中には激しい雨に見舞われ明日の行動が案じられましたが明け方にはやみました。
3時過ぎに起床し、朝食の弁当を食べ4時に出発。
皆さん早起きでランプの明かりの列が剣沢雪渓を一列になって続いています。
5時には取り付き地点につきました。
既に2パーティが準備されています。
50m余り登った最初の岩場にはなんと十数人も待機しています。
取り付いているパーティの一人が何回も挑戦するが登れない。
ザックをとるなり、ザイルで引っ張り上げるなりすればよいのに何も補助をしないので登れない。そのため次のパーティに席を譲ずることになり我々も順次登る。
今度はジャングルジムのような。樹林帯の突破です。
それを過ぎるとまた渋滞がはじまる。今度はなぜ渋滞しているのかその原因がわからずただ待つだけ。
天候も悪く雨具が離せません。
以降4か所の岩場がありましたがザイルを出したり、登り方がまずくて時間を要したため渋滞するのでしょうう。
このコースはバリエーションルートの初心者コースで簡単に登れるように書いてありますが雨の為でスリップしたり、登山靴で登ることや荷物を持って登るので時間を要します。
難しいコースではありませんが万一転落すれば谷底に一直線ですから慎重に安全を期してザイルを出すゆとりが必要です。
岩場は5か所ありますがそのうち3か所はザイルを使用しました。。
岩場を過ぎると渋滞はありませんでした。
1峰から眺める2峰の勇壮な岩稜には感動しました。
八つ峰も良く見れました。
天候不順の為か熊の岩には6張り程度しかテントはありませんでした。
皆さん剣沢にテントを張ったのでしょう。
長次郎雪渓の上部には4か所の大きな亀裂が見えました。
八ッ峰の1・2峰間ルンゼも雪渓がズタズタのため困難との表示がありました。
最後の2峰からの懸垂下降の時、1パーティ待っただけでした。後は頂上までの300mあまりの登りだけです。
体調不良の方もあり若手がよく頑張ってくれ、雨に濡れた重いザイルや共同装備を運んでくれました。
15時30分 ようやく頂上着。あとは下るのみだが予約している馬場島荘に連絡すると遅くなつては人間がいないので対応できないとのことで早月小屋に連絡して予約する。
19時30分早月小屋着。20時には消灯とのことで大急ぎで夕食をとる。幸いなことに悪天候でキャンセルがあり一部屋貸切でゆったりと睡眠。
翌朝は8時にタクシーを予約しているので4時前に小屋を出てほぼ定刻に馬場島に下山。上市駅前で貸し切りバスと合流、他のメンバーと立山駅で10時に再会し、入浴後、渋滞を避けてコースを替え無事に福山に21時過ぎには帰りました
今回の教訓
1、データーが古い。8年前の9月に4人で登っているデーターを基に計画した。9月の為か当時は渋滞はなかった。メンバーも毎週練習を重ね力がそろっていた
。別山尾根ルートの渋滞はよく知られているがまさかこの尾根で渋滞があるとは知らなかった。調査不足でした。
ちなみに最近では早月尾根の「カニのハサミ」でも渋滞が起きるとのこと。
2、メンバーの実力をよく知らなかった。直前に申し込みがあり力があるとのことでしたが、試験練習の時、私は他のグループの訓練に参加し、新規メンバーは他人に訓練・試験を任せていたため、私自身は実力を確認しなかった。
登りたいとの熱意に負け、何とかして連れて行ってあげたいとの気持が先行し実力以上の山行となった。私の性格の弱さであり、だめならダメとして参加させるべきではなかった。
でないと参加した仲間を危険な状況に巻き込んでしまう。転落の危険の巻き添えにもなりかねない 。リーダーとしての責任もとれない。反省している。カバしてくれた仲間に感謝。
3、若手の成長を喜ぶ。年寄は最新の器具や情報の入手が遅れます。私は25000分の地図を拡大して見やすくする程度であるが今の若者は国土地理院の「電子ポーヤル」というアプリを使い詳細な地図を入手し、正確な高度計と併せ持てばピンポイントで現在地を知ることが出来る。
年寄は経験に頼りがちで地図と磁石で判断するが若手は正確な情報を入手し行動する。私を越えた。後は任せられる。彼らの成長を頼もしく、嬉しく思いました。
私は以前このブログでも早月尾根は土嚢により歩きやすくなったと書きました。
今は全滅です。板や丸太の段木に変えられかなり荒れていました。
土嚢袋はせいぜい1年しか持ちませんから毎年やっていれば費用の無駄遣いとしかならないのでしょう。
石かコンクリートがベストだが現実的には防腐剤を注入した丸太や角材しか持たないことを確信しました。
最近では源次郎の名前が多く使われているがヤマケイでは昔からの源治郎の名前を使用しているのでそれにならいました。
(写真は1峰から2峰を見る、人が張り付いているのが見えますか、ここは実は優しいルートでした。)