平成22年8月6日から8月9日
2年連続して西穂高岳から奥穂高岳の縦走をガイドに頼んだが雨のため中止された不運な会員から今年はぜひとも実行したいと同行を依頼されました。連れて行くのではなく十分訓練をつみ自立的に行動することを条件にお引き受けしました。1年間、岩登り、ボッカ訓練等あらゆる困難を想定し、よく訓練しました。初めは5人でしたが家庭の事情、健康状態から3人になりました。軽量でいければそれが一番ですが万一の状況を考慮しツェルト、コンロ、ザイル、じゃくかんの登攀用具、アマチュア無線が共同装備で各自に分担、水は各自3リットルその他アイゼン、雨具、食料、着替え等で12キロ程度とかなり多めになりました、もちろん涸沢までヘルメットは着用しました。これだけ準備していれば何があっても大丈夫、対応できます。睡眠不足による体調不良者もあり予定より2時間あまり余分にかかりましたがマイペースで無事5時に奥穂高岳山頂に着きました。こんな重荷を背負いよく岩峰を越えたものだ。1年間の苦労が実り大感激でした。5時も過ぎ、暗くなり、頂上は誰もいません。少し下ったところで中年のご夫婦が立ち止まっておられた。「妻の体調が悪くて歩けない」その症状から高山病と思われダイアモックスを差し上げた。このまま放置できないのでご主人を先頭にそのザックを奥さんが持ち私が最後で奥さんにハーネスをつけザイルをタイト状況にして確保しながら下る。薬が効いてきたのか足取りは大分よくなった。急坂では足元を固め確保して下ってもらった。難関の山荘前の絶壁に架かる2段はしごではご主人は先の降りていただき、奥様は私が上部よりザイルで確保し、自力で下ってもらった。
ご主人はストックを2本所持しておられた。次は私が確保をとき下る順番であり、ご主人が奥様を横に引っ張られたとき何か跳ねたような気がした。ご主人が横倒しになり「ごろり、ごろり」と3,4回転して落下した。「あなた」「あなた」、奥様の悲鳴が響く。私もすぐ下のテラスにたむろする人ごみに向かって救助依頼を叫ぶ。しかし、誰も動かない。時間が止まっているようだ。早くするよう再度叫ぶ。奥様をご主人の転落したところまでザイルを緩めて下ってもらう。ずいぶん時間がたったような気がしたがようやく数名の隊員が現れ奥様にご主人が呼びかけに応えるか聞いている。落ちた所が安定した広い場所なので私も下る。頭部から血が出ている。上がってきた隊員が負傷箇所の確認、三角巾で頭部の止血、歩けないようなので背負って降りることをきめられ、背負いベルトをご主人にセット、その間にも他の隊員が懸垂用にザイルを2本セット。上部でザイルを繰り出し、背負った人の下に2人、横に一人サポートにつきたちまちに下っていった。さすがプロ、まったく無駄の無い動きであった。命には別状は無いようなので一安心。ただヘルメットを被っていれば頭部は保護され、足の骨折か打撲ですんだものをまことに残念。転落しても頭さえ保護されていれば命には別じょうない。一般の人にもヘルメットの大切な役割を理解されただろうか。
下から見ていた仲間の言によればご主人は落ちる時、奥様のザイルをつかんでいたとの事であり大きく飛び跳ねることなく斜面を転がったので大事には至らなかったようです。翌朝ヘリコプターで搬送されました。
翌日下山中、まちがってガラ場の沢に下った者があり蟻地獄のごとき状態で上がれずもがき苦しんでおるところを私がザイルで引き上げ喝采を浴びました。共同装備のザイルがこんなに役立ったことはありません。よかった。よかった
念のため申し上げれば稜線上は岐阜県警、麓の涸沢は長野県警の管轄です。どういう意味があるの・・・それは秘密。
2年連続して西穂高岳から奥穂高岳の縦走をガイドに頼んだが雨のため中止された不運な会員から今年はぜひとも実行したいと同行を依頼されました。連れて行くのではなく十分訓練をつみ自立的に行動することを条件にお引き受けしました。1年間、岩登り、ボッカ訓練等あらゆる困難を想定し、よく訓練しました。初めは5人でしたが家庭の事情、健康状態から3人になりました。軽量でいければそれが一番ですが万一の状況を考慮しツェルト、コンロ、ザイル、じゃくかんの登攀用具、アマチュア無線が共同装備で各自に分担、水は各自3リットルその他アイゼン、雨具、食料、着替え等で12キロ程度とかなり多めになりました、もちろん涸沢までヘルメットは着用しました。これだけ準備していれば何があっても大丈夫、対応できます。睡眠不足による体調不良者もあり予定より2時間あまり余分にかかりましたがマイペースで無事5時に奥穂高岳山頂に着きました。こんな重荷を背負いよく岩峰を越えたものだ。1年間の苦労が実り大感激でした。5時も過ぎ、暗くなり、頂上は誰もいません。少し下ったところで中年のご夫婦が立ち止まっておられた。「妻の体調が悪くて歩けない」その症状から高山病と思われダイアモックスを差し上げた。このまま放置できないのでご主人を先頭にそのザックを奥さんが持ち私が最後で奥さんにハーネスをつけザイルをタイト状況にして確保しながら下る。薬が効いてきたのか足取りは大分よくなった。急坂では足元を固め確保して下ってもらった。難関の山荘前の絶壁に架かる2段はしごではご主人は先の降りていただき、奥様は私が上部よりザイルで確保し、自力で下ってもらった。
ご主人はストックを2本所持しておられた。次は私が確保をとき下る順番であり、ご主人が奥様を横に引っ張られたとき何か跳ねたような気がした。ご主人が横倒しになり「ごろり、ごろり」と3,4回転して落下した。「あなた」「あなた」、奥様の悲鳴が響く。私もすぐ下のテラスにたむろする人ごみに向かって救助依頼を叫ぶ。しかし、誰も動かない。時間が止まっているようだ。早くするよう再度叫ぶ。奥様をご主人の転落したところまでザイルを緩めて下ってもらう。ずいぶん時間がたったような気がしたがようやく数名の隊員が現れ奥様にご主人が呼びかけに応えるか聞いている。落ちた所が安定した広い場所なので私も下る。頭部から血が出ている。上がってきた隊員が負傷箇所の確認、三角巾で頭部の止血、歩けないようなので背負って降りることをきめられ、背負いベルトをご主人にセット、その間にも他の隊員が懸垂用にザイルを2本セット。上部でザイルを繰り出し、背負った人の下に2人、横に一人サポートにつきたちまちに下っていった。さすがプロ、まったく無駄の無い動きであった。命には別状は無いようなので一安心。ただヘルメットを被っていれば頭部は保護され、足の骨折か打撲ですんだものをまことに残念。転落しても頭さえ保護されていれば命には別じょうない。一般の人にもヘルメットの大切な役割を理解されただろうか。
下から見ていた仲間の言によればご主人は落ちる時、奥様のザイルをつかんでいたとの事であり大きく飛び跳ねることなく斜面を転がったので大事には至らなかったようです。翌朝ヘリコプターで搬送されました。
翌日下山中、まちがってガラ場の沢に下った者があり蟻地獄のごとき状態で上がれずもがき苦しんでおるところを私がザイルで引き上げ喝采を浴びました。共同装備のザイルがこんなに役立ったことはありません。よかった。よかった
念のため申し上げれば稜線上は岐阜県警、麓の涸沢は長野県警の管轄です。どういう意味があるの・・・それは秘密。