平成29年9月15日から5日
今回初めて南アルプスの聖岳に行きました。
南アルプス、特に南部の聖岳、光岳周辺は登山者も少なく静かで森の深い山でした。
今回の山行はいろいろなことがありました。
台風15号のこと。
8月28日、父島付近で突如台風15号が発生、しかも直径1500キロ、本州がすっぽり入るほどの超大型台風です。
予報では前半の3日まで雨、4,5日は晴れとの予報で雨の中を歩くことになりそうです。
台風の襲来であり参加者の意向によっては中止も已むを得えないと考えていましたが、行くとみんな意欲満々、停滞覚悟、予定変更もありうるとの覚悟で出発。
「断じて行えば鬼神もこれを避く」 我らの意気に感じてか゚台風は東に方向をかえ雨にはならず快調に歩けました。
交通の便が悪いね。
往路、名神高速道路の京都東ICのカーブで大型トレーラーの横転事故があり通行止めとなり京都東ICで降ろされ1時間以上渋滞しました。
初日のキャンプ地、飯田市南信濃の遠山郷まで福山から530キロ、高速道路の飯田ICを下りて狭い山越えの道を行きます、翌日の登山口の易老渡まではタクシーで1時間もかかります。この道も狭く頻繁に崩落のため通行止めになり最近開通したばかりです。このように交通の便がネックになり登山者が少ないのでしょう。聖平小屋の営業期間は今年は7月11日から9月18日までの2か月余りしか営業できません。その訳は降雪ではなく交通機関が停止されるので入山できなくなるためです、周辺の山小屋も同様のようです。
快適な稜線歩きの山道。
初めの易老渡から易老岳(2354m)までは標高差1500mのものすごい急登でした。
光岳小屋から聖平小屋までは約10時間、全縦走路、山々峰々を眺めながらの楽しい稜線歩きができました。
両小屋ともまだ新しくしっかりとして気持ちの良い小屋でしたが光岳小屋は小さく、寝袋はありますが食事は自炊しなければならないので、多くの登山者、団体さんは茶臼小屋に宿泊して光岳を往復しておられました。
お花畑が各所にあり紫色のホソバトリカブトやリンドウ、黄色のキオンやミヤマアキノキリンソウが一面に咲き誇り楽しませてくれました。
南アルプスのコースタイムは甘いといわれていますので我々でもほぼその時間通りに歩けました。
迫力ある救助ヘリ活動を体験。
360度の聖岳の素晴らしい展望と楽しんで下山中、小屋まであと1時間の小聖岳で膝を痛めた登山者がおられ、テーピングバンドで手当てしてあげて下山した。自力で下山できるか案じていたが2時間30分くらいかかって下山された。小屋で手当てを受けておられたが体調が悪いのに登られたようで緊急事態として消防ヘリで下山することになりました。小屋の前のキャンプ地で登山者を吊り上げるようです。テントにいる人にはたたんでもらったが不在の人のテントは我々も手伝って小屋の中に運び協力しました。1時間後に赤い救急ヘリが飛来しよく見る映画の救出劇の様な迫力ある光景が見れました。ご縁のある方が無事に救出され良かった。ご縁があるといえば以前我会に在籍された方に奥聖岳山頂で会いました。ここで同じ福山の方に会うのもご縁があったのでしょうか。いまは車であちこちの山をめぐり登山三昧の日々を過ごしているとのこと。私の理想とする生き方でうらやましい限りです。
けがの功名。
足首を少し痛めていたのでテーピングしていましたがそれでも急斜面のため足首に遊びがあり負担がか゚かつていました。登山靴なので足自体は固定されていますが足首は動くので登山靴の上部と足首をテープで固定すると足首が固定され、負担なく楽に歩けました。この方法は下り坂で足先の爪を痛めるのを防ぐことにも使えますね。
テレビロケ現場に出会う。
帰りがけの天竜村の吊り橋のところで飲食店をめぐる「帰れまサンディ」という番組のロケがあり、タカ&トシと美人女優の佐藤藍子さんがいたとのこと。
私にはよく判りませんでしたが・・・・
山国なのに塩が採れる。
初日キャンプした遠山郷の道の駅「かぐらの湯」には足湯がありました。温泉は塩辛いのです。地元の人のお話ではこの源泉を利用してフグを試験的に養殖しているとのこと。
実際、食堂にはフグのいけすがありました。この山の中でフグとは驚きでした。またこの北方の大鹿村では鹿塩温泉の温泉水から製塩されているとのこと。太古の飛鳥時代から塩の産出は知られ,良馬を育てる牧場などが多数あつたとのことです。
いろいろなことがあつた山行でした。
(写真は聖平小屋で消防ヘリに吊り上げ救助された負傷者、小屋の方はよくあることと言っておられました)
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