平成30年1月28日
今日も小雪交じりの寒い日が続いています。仕事で広島駅の近所に行ったついでに福屋駅前店で開催されている「院展」を見に行きました。「院展」は日本美術院が主催、運営している日本画の公募展覧会です。今回は102回目の院展です。写実的な絵画が多く私にもわかりやすい感じがします。今回は同人の作品32点と公募の入選作品等56点が福屋の駅前店と八丁堀店に分かれて展示されていました。同人で地元の尾道市立大学教授の小田野尚之氏が廃止されたローカル線を描いた「小さな駅」という作品が内閣総理大臣賞に選ばれました。その大きさも180㎝×322㎝という大作です。地元に関連する人だけに関心があります。又西田俊英氏の「瀕死の白鳥」という作品も多くの人の注目を浴びていました。私には山好きなためか同人の下田義寛氏の「早晨(そうしん)、氷結する湖」印象深い。あとがきには「2月の山中湖、急に雲の隙間より朝日が射し、淡い黄金色の富士山山頂と氷結する微妙な湖面の様子」が描かれていました。かって私も同じような場面に遭遇し感動を受けてことがあり感動を共有したような気持になり今でも印象深く感じています。作家の肩書に「同人」というのがありますがこれはいわば会社でいえば役員のような存在で日本美術院の運営の中心にいる人たちで約1300人余りいる会員の中で34名余りしかいません。その資格も院展で奨励賞15回受賞、または日本美術院賞2回受賞して「招待」という資格に推挙され、その中から人格、芸術を特に重視し、同人全員による投票で選考されるという極めて狭き門を勝ち取った実力者です。ですから入選者の作品と比べてみるとその奥深さは歴然としています。多くの優秀な作品を描き続け、賞をもらわなければ昇進しない厳しい世界であることを知りました。良い刺激になりました。