まほろば日記

fujioの日常の出来事、記録等を思いつくままに書いた日記です

崩壊著しい鷲ヶ峰

2011-05-08 22:46:39 | 日常
平成23年5月2日から5日
今年のゴールデンウイークは阿蘇周辺の山と温泉を堪能しました。
最初の3日は阿蘇高岳北尾根の鷲ヶ峰を目指しました。
ここは昭和初期から九州の本格的岩場として有名ですが火山岩特有のもろい岩質のため転落、落石のため遭難が多発し九州の谷川岳といわれています。
登山を始めた40数年前に一度登り、7年前,平成16年に仲間9人で登攀し大感激。再度大感動を味わうべく今回はクライミング経験者5人で挑戦しました。前回も登山禁止の看板はありました。今回登った感想は岩が非常に脆くなっている。掴む岩がぼろぼろはがれる。乗せた足元の岩も崩れる。信頼できるものがない。前回はこのようなことはなかった。ほとんど登山する人がいないので浮石が残されているようです。多くの人が登ればそれらは除かれていたでしょう。今回全員が落石に会いました。私は左足ふくらはぎに当たりました。足の上、頭に石があたった人もありました。たいした怪我でなくて良かった。関門からがりー2の谷筋を登りました。最初の取り付きのドロ壁、滑りやすい足元、手がかりもありません。ここからザイルを使用しました。前回は第一キレットまでザイルの必要なところはなかった。20から30mごとにビレーポイントがあるがなんとなく脆弱でさびたハーケンや片方が抜け落ちたものもあります。先行者の動きやザイル操作のたびに落石が起きる。一抱えもある岩が動く。ジャンダルム、赤壁を慎重に乗り越え鷲ヶ峰北壁の下部に着いた頃より雨が激しくなる。不安定な岩質に加え、雨で滑りやすくなるとちょっと躊躇する。不安に感じたら登れない。ノーマルルートに変更する。北壁下部を斜上に上ったはずがトレースがない。注意すると方々に踏み跡らしきものがあるがすぐに消えてなくなる。易しそうな岩場を登ろうとしたが手も足も脆く力を入れれば崩れてしまう。途中に支点に使えるような木や支点もない。北壁を登るのが一番安全なようですがこの状況では登れない。引き返す。引き返す下降するのも大変です。支点を確認。不安があるとシュリンゲやカラビナを追加する。もったいないが安全のためには仕方がない。注意したつもりであるがザイル回収のときや懸垂下降の時には落石が起きる。引く人、監視する人役割を分担して降りる。私の一番の気がかりはドロ壁の下降でした。如何に降りるか。仲間は私が確保して下ろせるが最後の私は確保するものがない。確保なしで滑りやすいドロ壁を下る。滑落すればとめられない。雨は降り、視界も悪い、気温も低下、日暮れも近く暗くなる。あせりは禁物。確実な行動を心がける。安全な所で休憩、防寒技着を着用、雨具のズボンも着用。ドロ壁の上に来た。日没時、気流が変化する一時風が止む。霧が晴れた。左に踏み跡があり少し行くと立木があった。やったこれで危険なところを安全に下降できる。行くときにはこの斜面に気がつかなかった。今降りてみてもとても登れそうに見えなかった。下山路は暗闇で迷ったがここは舗装道路、全員無事に降りたのだから少々歩いても少しも気にならない。仙酔道路に出ると親切な人に拾われ車に乗せていただいた。
今回の教訓。アルパイン登攀はゲレンデと異なり支点があるとは限らない。自分で支点を作って登るべく、ハンマー、ハーケン等の道具を持参すべきでした。軽量化のため車までは持参しながら残してしまった。必要なものは省略してはしけない。
4日はすばらしい快晴の天気。根子岳天狗のコルから西峰の岩峯を縦走しました。交代でトップをやり豪快なクライミングを楽しみました。西峰から地蔵尾根ー西峰新道を案内していただいた市原さん本当にありがとうございました。
その夜は阿蘇ファームランドに宿泊、温泉と食事を堪能、5日は黒川温泉の露天風呂を3箇所巡り九州一のすばらしい露天風呂を堪能しました。3箇所も梯子をすれば山に登るより疲れました。
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