「遠野」なんだり・かんだり

遠野の歴史・民俗を中心に「書きたい時に書きたいままを気ままに」のはずが、「あればり・こればり」

彫刻を訪ねて 其の参

2008-01-22 18:25:27 | その他
 福泉寺から始まった東和町の人、小原樗山(おばらちょざん)縁の彫り物。「宥尊と福泉寺」という書を読むと、本堂の建設には、近在の大工達が奉仕のような形で参加したことがわかり、福泉寺初代宥尊その人と東和町との関わりが記されている。おそらく、その縁で、当時の南部の名工と云われた高橋勘次郎の弟子である小原喜代治(号樗山)に彫り物を依頼したのではないかと考えている。

 さて、その樗山作で、花巻市の文化財にもなっている胡四王神社。



 花巻市の宮沢賢治記念館へ行く坂道を登ると、賢治記念館はこの時期にも関わらず、沢山の観光客が訪れていた。子供から大人まで賢治ファンは多いが、つくづくメジャーだなあと関心しながら、さらに登っていくと鳥居があり、そこから数百mで、この神社に辿り着く。当然の如く、誰もいない。



 遠野を出るときには吹雪だったが、こちらに着くと青空が見えるが、杉木立のせいか薄暗い。そして、神楽殿と社務所、そして、拝殿、本殿。



 拝殿は樗山の師匠、二代目高橋勘次郎の作。慶応2年(1866)。



 神社の額は、花巻の画家小野寺周徳の筆によるもの。



 勘次郎は昇降龍が得意だったされる。



 黙って観るのみ。



 両脇の回廊には、額に入った龍。

 樗山作の本殿へ廻ってみる。大正元年の作。(福泉寺本堂と同じ年。やはり、福泉寺の彫り物は、その部分を東和町で大部分を作製し、現地ですり合せをしたものと思われる)



 石垣の上に築かれた上に、拝殿の屋根が近いため、観たかった獅子に近づくことができない。曲がった梁(海老虹梁)の右側の木鼻に、間違いなく、それが付いている。



 性能のいい私のカメラでは、これ以上のズームは叶わず。



 ここにも亀が。



 準備なしに来たので、これ以上の成果は得られないと名残を惜しむ。



 この山から、北上川を望む。そういえば、新幹線の新花巻駅周辺は胡四王という地名だったような。この神社に由来する地名だったのだと一人納得。

  後日調べてみると、

 大同2年(807)坂上田村麻呂が薬師如来を安置したのが起源とされ、天文年間(1532~1555)の火災で一時衰微したが、稗貫氏や南部氏から篤く信仰され、江戸時代には胡四王堂と称し、胡四王別当は3石2斗を賜る。羽黒派明照坊支配。
 文化15年(1818)別当が神道祠官になってから、本尊を薬師如来から大己受命、少名少命に改めた。



 これは、向拝(下屋)の柱の模様。



 こちらが、福泉寺本堂の柱の模様。

だからと云って、どうと云う事ではないが、同じようなデザインを見ただけでも、縁を感じてしまう物好きな童子である。



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6 コメント

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ご苦労さんです (とらねこ)
2008-01-22 21:03:25
胡四王への探訪、ご苦労様でした。
当方はまだ行ってみたことはありませんので、そのうちにまがってみできたいと思ってます・・・まがってみるという雰囲気ではなさそうですね・・・結構きつそうですな・・・汗

宥尊と福泉寺は、なかなかレアな書物を読まれましたね・・・笑

宮洞家との関わりも詳しく書かれてますので、当家の歴史の一端にも触れることができる書でもあります。

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宮洞 (笛吹童子)
2008-01-22 21:30:38
  とらねこさんへ:
 その本、なかなか面白そうでした。総体を掴む為、必要な箇所づつの拾い読みとなりましたが、宮洞の名前があちらこちらにあり、この中のどの名前が、とらねこさんのご先祖なのだろうと思いながらの「ながら読書」でした。
 
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先祖 (とらねこ)
2008-01-22 21:56:52
是非に最後までお読みくださいね。
先祖は清作となっております。
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記憶 (笛吹童子)
2008-01-22 23:01:17
  とらねこさんへ:
 その名前、記憶にあり。老眼鏡をかけながら、じっくりと読ませて頂きます。かなり、年期の入った本でしたが、挑戦してみます!
 宮洞に集まったというような文章があった場合、それは、とらねこさんの家を指すのか、地名を指すのか、どちらなんでしょう?
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それは (とらねこ)
2008-01-27 17:43:01
え~・・・宮洞は地名であり屋号でもありますが、今は二軒の宮洞の家が存在します、当時は一軒のみですがね。
本堂の一角、下の家から我家までを宮洞と称するようですが、書籍では家イコール地名であるような・・・。
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宮洞 (笛吹童子)
2008-01-27 20:56:45
  とらねこさんへ:
 宮洞の件、ご解答ありがとうございます。ところで、江戸入り、そして、都の宴、いがったなっす!考えてみると、江戸のお店にて、酒を飲んだことがありません。何かの機会には、と思いつつ、いつになるやら・・・・。ともあれ、無事のお国入りおめでとうございます。
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