「遠野」なんだり・かんだり

遠野の歴史・民俗を中心に「書きたい時に書きたいままを気ままに」のはずが、「あればり・こればり」

心の洗濯 プチ旅 石巻女川

2018-07-30 22:18:48 | 地域

1月後半に宮城県南三陸町に行って以来、県外には一歩も出ないで過ごしていましたが、

思わぬ研修の案内があり、参加させて頂きました。

 

昨日は、早朝より同級生運転手のバスに乗り、やまねこさんが数年前に寄った、こちら方面へ

 

研修先で見たものは、これです。

東北をメインにこのような材料を使って文化財級の建物の屋根を葺く会社ですが、専業は国内に数えるだけ。

東日本大震災で被災され、復興後、落ち着いてきたということでの表敬訪問。

 

山形県の本間家、秋田県の池田家と並び称される宮城県の齋藤家。

詳しくは齋藤善右衛門で検索してみて下さい。

現在、土蔵や本宅の修復中ですが、ヨシ葺きの見事な建物群が残っています。

 

個人宅も見学しましたが、屋根もさることながら、こちらの家は内部の骨組みには気仙大工の技術が見られました。

青森県の岩木川沿いと、こちらの北上川沿いでは広範囲にわたり、この屋根葺き材が生育していますが、

自然にあるものを単純に刈っている訳では無く、人の手間暇かけて育ててこそ、立派な材料になるとのこと。

資金措置の無い岩手の材料は品質が悪いなどと云うのは簡単です。

 

旧大川小学校

遠野から準備していった花と研修先の方々が火を点けてくれた線香を供え、参加者全員でご冥福をお祈りいたしました。

訓練に勝る備え無しとと云うのが率直な感想です。

 

昨晩は、そこから北側の山中にある一軒宿へ宿泊し、研修受け入れ先の職人さんとの交流会となりました。

事前にチェックした際は、古い山荘風の建物ただ一軒の登山客でも宿泊しそうな処でしたが、

実物もそのとおりの割に利用客が多く、その魅力を測り兼ねていましたが、夕食とお風呂で納得。

くじらの刺身、アワビ、カニ、ホタテ、ほや、刺身などなど20品以上の海の幸の数々で、

飲むより食べる優先でも、最後のご飯までは行きつきません。大満足でした。

 

明けて本日、震災後よくTVで観た旧北上川にある石ノ森漫画館

 

その後、女川町へ

ここは35年以上も前に仙台で修行していた際、上司と何度か訪れた町です。

記憶に残っているのは、旧役場と駅そばの生涯教育センター、そして半円形屋根の体育館。

震災後のTV等で、生涯教育センターのかなりの高さまで津波が到達したことと、

体育館が避難所になったことはわかりましたが、それ以外は・・・・。

行ってみると記憶にある建物を見ることはできませんでした。

生憎の雨天でしたが、震災後に出来た商店街シーパルピア女川、そしてハマテラスを見て回っている内に、

予定外の高額出費となり、日頃お世話になっている皆さんへのお土産が買えませんでした。泣

この穴埋めは、そのうちにという事で、御勘弁下さい!

と、云う事で、心の洗濯 プチ旅の終わりです。笑

 

 

 


2018 大出早池峯神社例祭 後編

2018-07-26 09:13:16 | 郷土芸能

歯を付けて10日弱、見栄えはよくなりましたが、なんだか体力が落ちているような気がします。

それが、抜歯のせいなのか、この気候のせいなのか、はたまた歳のせいなのか・・・。

頑張れ!頑張れ!と自分に言い聞かせているこの頃です。

さて、例祭の後編へ

 

御神輿を清めている間、シシの皆さんは被り物をはずして、しばしの休憩

いや~あっつ、あっつ!(訳:暑い、暑い)

 

清められた御神輿が本殿へと還御

元禄年中、一度ならず飢饉の節に死絶し、残った者は老人となり、御神楽届兼候に付き、

附馬牛村宝明院が三代迄横田修験を引き廻し、神楽を行なった旨の文章がありますが、

それには、宝明院も大出神楽と同類だったのではないかとあります。

 

しかし、大出早池峰は修験ではなく神職の免許を持っていたことがわかっており、

宝明院は遠野では大徳院をトップとした本山派で、大出の弟子神楽となる鱒沢の修験は羽黒派。

大迫町では田中神社が神職で、妙泉寺周辺が修験となっているように見えますが、

修験がどちらの派だったのか気になります。 

 

本殿廻りを三周する間、正面付近に来ると神楽・しし踊り共に若干、最後には正式に舞います。

 

附馬牛町では人数の多い上柳獅子踊りさんですが、流石に連休明けの平日ということで、シシの数がわずかでした。

 

音程をしっかり調整した笛で試し吹き、若い頃はフルートを吹いていたので音の違いが気になるとのこと。

 

張山しし踊りさん

前日は小倉神楽として宵宮に出演

 

張山しし踊りには、見慣れぬ女性が刀かけをしていましたが、集落内だけでは人数確保が難しい中、

地域外からのうれしい参加だと話していました。

 

こちらは東禅寺しし踊りさん

 

人数のことを云ったら、うちのほうがもっと切実だ!と話していましたが、

今のうちに声をかけて、練習に参加すれば、9月の遠野まつりには出られるのではないでしょうか?

熱烈歓迎なそうです!

 

一方、大出神楽さんは、今迄見た中では最高の人数

 

祭りに合わせて休みをとってきた人、体験?で参加している人などなど、

地元のみならず都会からの参加者が多くなっています。

 

一時は、この重鎮お二人と千葉さん家族だけの時もありました。

 

遠野郷八幡宮例祭に合せた遠野まつりには、町方から遠野南部ばやしが出ますが、

ここも参加者が足りず、仲町では都会から大学生の応援を得ています。

市内のほとんどの郷土芸能団体は、人手不足が大問題、

受け入れ体制が整うのであれば、広く国内へ募集をかけても良いのではないでしょうか?

ちなみに仲町南部ばやしでは、内ばやしの押し方、舞手、鼓、大胴、笛、太鼓と毎年募集しております。

まつり二週間前ぐらいからの練習に参加できれば、間に合うと思います。

最後に、告知となりますが、

今週末の28日(土)は、一日市通りのとおの物語の館内、遠野座で8時から45分程度の神楽公演があり、

また同日、6時頃から遠野市宮守町の塚沢神社で宵宮夜神楽があります。

冷房の効いた室内で、ちょっとだけ雰囲気だけでもと云う方は遠野座へ、

本格的な神楽を一通り味わいたいと云う方は、塚沢へ


2018 大出早池峯神社例祭前編

2018-07-25 08:34:29 | 郷土芸能

上郷まつりと順番が逆になりますが、7月18日は大出早池峯神社例祭でしたので、報告します。

 

大同元年、来内村の四角藤蔵が早池峰大権現の出現を始めて見て、

峯に御宮を建立し、6月18日に遷宮したのが早池峰大権現の創始となりますが、

それに因み、旧暦に近い一ヶ月遅れの7月18日が現在の例祭日に定められています。

 

10時からの神事に先立ち、町内のしし踊り3団体は、神社のある集落入口となる橋、鳥居、神門などを

誉め唄をかけながら本殿へと集まります。

 

前日の宵宮で11時過ぎまで奉納の夜神楽をした大出早池峰神楽の皆さんも

シンガクを奏しながら神輿渡御に附属するため集合

 

本殿内に続き、外でも神事が行われ、

 

御神輿を清めるため、通称祓川へ

 

途中、境内社である駒形神社へ寄り、集落へ

 

神楽は毎年、同じ場所でシンガクを舞い

 

集まったお客さんの頭をカミカミし、

 

河原の草を川に浸し、御神輿を清めます。

佐々木文書早池峯縁起には、この神輿洗いが終わった後、神楽がなされたとあるようですが、

現在の神事等にはありません。

 

例年どおり橋の上から、この様子を見守る方々がおりました。

一人の方は弟さんが遠野の人となり、このお祭りに合わせて休暇をとって東京から。

また、遠野に移住することにしたと話していたご夫婦が昨年まで橋の上にいましたが、

移住されたのに、風の便りでは、旦那さんがお亡くなりになったとのこと。合掌

何万人もの観光客が集まるお祭りと異なり、周辺集落の方々を中心として固定日に行われるお祭りでは、

ちょっとした出会いがまま有り、そのような方々に再会するのもまた楽しみのひとつです。

 

 

 

 


2018 上郷まつり 後編

2018-07-24 08:46:33 | 郷土芸能

前編にて、仙台の東照宮例祭(仙台祭)にふれましたが、その行列に興味を持ったのは、

そこにシシ踊りが出ているかという事でしたが、残念ながら見当たらず、その代わりと云ってはなんですが、

目にしたのが多人数による獅子舞でした。それを獅子舞と呼んだのか権現舞と呼んだのかは定かでありません。

当時の祭りが現在の青葉まつりに変化してきているようです。

 

さて、上郷まつりの後半は、平倉神楽さんから

 

女性の竜殿舞

最近、どこかで観たかも・・・笑

 

そして、細越獅子踊りさん

 

種ふくべさん欠席で、柱がかりも無しでした。

やり過ぎではないかと思うほど、豪快に演じるこの団体ですが、大人しいシシ踊りになっていました。

 

暮坪虎舞さん

こちらは今年が最後かもしれないと云いながら、遠野まつりにも定着してきた団体です。

 

釜石系では無く、気仙系に観られる梯子虎舞いです。

 

なんだり・かんだりの芸能が伝承される上郷町は、釜石市の隣りという事もあり、

遠野市第二の町としてにぎわった地域でもあります。

 

次に舞踊団体があって、森の下さんさ踊り保存会さんへ

 

大正9年から昭和2年まで上郷町森の下に居た紫波町出身者によって伝えられたものですが、

後に中断し、昭和40年代後半から復活したそうです。

笛と太鼓が踊らないのは、土淵町の山口さんさと同じですが、当初の伝えられ方によるものかと思われます。

 

最後に板澤しし踊りさん

 

何年か前までは赤ちゃんだと思っていた子も、少年の顔になっています。

 

暑い中、いつもより多く廻らされ、笑顔になるしかありません。

 

この日のメインは柱がかりでも四つがかりでもなく、

 

雌獅子狂い

お客さんがどう思ったのかはわかりませんが、私的には、良いモノを観させて頂きました。

お客さんと云えば、今回の上郷まつり

暑さのせいもあるでしょうが、見物する人が極端に少なかったように思います。

全国やぶさめ競技遠野大会と柏木平リバーサイドまつりが同じ日に重なってしまったのも一因かと。

おまつりの最後には、お楽しみ抽選会と餅まきがありましたが、

昨年の抽選会では毛布が当たったので、二匹目のドジョウを狙いましたが・・・呼ばれず。

サマージャンボを買うのは見合わせようと思います。笑

 

 

 

 


2018 上郷まつり 前編

2018-07-23 09:13:24 | 郷土芸能

顔には日焼け止めを塗ったのに腕はそのままだった今日、日が暮れる頃から両腕がみるみる赤くなってきました。

この感じだと、明日から一皮むけそうです。笑

 

そんな日中出撃したのは、上郷まつり

 

試行錯誤中の上郷町のお祭りですが、オープニングは遠野東中吹奏楽部

 

上郷小唄保存会による上郷小唄

 

佐比内鹿踊り&上郷保育園こどもしし踊り

上郷小唄とこのしし踊りまでは6月に開催された日出神社の時と同じです。

 

佐比内さんは笛・太鼓・しし共に町外のしし踊りに比べれば十分人数が揃っていました。

 

佐比内鹿踊りとして単独出演を希望して止みません。

 

遠野仙人太鼓

 

私と同年代の方々もおりますが、明日以降の筋肉痛が心配です。笑

 

日出神社・上郷まつり限定出演の平野原伝統民俗芸能保存会

なにやら長い名称ですが、田植踊りだけではないという意思表示かと・・・。

 

でも、披露するのは田植踊りです。

 

この地域には、さんさ踊りも伝承されています。中断中

 

出番が終わったら、飲み会という事で、喜んでいたのは女性陣

 

今年のゲストは大船渡市の門中組虎舞

鎌倉時代に末崎の泊里浜に神輿・祭器を載せた船が漂着し、その品々を祀ったのが中森熊野神社。

神社には獅子頭もあり祭典で獅子舞を奉納すれば悪魔退散、五穀豊穣・大漁になるということで、

門之浜と中井の両地域の氏子によって虎舞として受け継がれているとのことです。

 

この地域では虎舞と云い、唐丹町や住田町では権現舞と云いますが、古くからの気仙郡に伝わるこの形式が

どこからきたものだろうと思っていたところ、

 

仙台城下東照宮の仙台祭に似たようなものを見つけました。

明治まで続けていた国内有数の規模を誇った祭りです。

下の絵の中ほどに一匹の獅子にかなりの人数の人が入っている様子が観られます。

仙台藩内の例祭には人数の違いは有るにしても、類似の獅子舞が附属したのではないでしょうか?