芳門申麓氏の「早池峰探勝ガイド 霊峰への誘い」には次のように記されています。
寺領として、遠野妙泉寺は200石、岳妙泉寺は170石、門馬妙泉院は4石5斗8升、
また、小国善行院は地頭嶋田氏から御門札御初穂料年200文。
いかに早池峰山信仰を重要視していたかがうかがえます。
さて、共演会、ゲストは遠野市上郷町の平倉神楽さん
演目は、天降り舞い
安定した舞いといったところでしょうか。
練習量が、そのまま舞いに現れていました!
「霊峰への誘い」には、次のような文章もあります。
遠野妙泉寺の信仰圏は遠野郷、大槌通の近氏子、伊達領気仙、東磐井、本吉地方まで、
岳妙泉寺は南部領岩手郡から伊達領江刺地方、
門馬妙泉院は上田通、田代村、門馬村、平津戸村及び宮古通、閉伊川各村、
小国善行院は由緒も古く、近世以降は遠野妙泉寺支配の先達として、
小国、江繋、大槌通、金沢、大槌、山田地方を信仰圏としていた。
そして、江繋早池峰神楽さんの庭雀
この演目も初めて観ます。
田野畑村の大宮神楽にも同じ演目があり、交流があったのではないでしょうか?
「庭雀」を「庭しずめ」と記した文書も見受けられ、前半は庭で雀が戯れるようにも、清め鎮めるようにも見えます。
後半は、刀を抜いて
大迫早池峰系でいうところの勢剣、手剣、いわゆる、くぐりっこ
3人ではなく、4人だというところが、これまた見事!
地元の方々にはお馴染みの演目だったようで、大きな拍手でした!
最後は末角神楽さんの下舞い
扇子は回しません。
続いて権現舞
パンフレットには幕上げ権現舞とありました。
会場内のお客さんを一人ずつ、カミカミして歩いて、
江繋、末角の両神楽の皆さんが御礼をして終わりとなりました。
立丸の第一、第二トンネルが出来たことで、難所の峠越えをせず、安心して冬も行き来できるようになった小国・川井、
これまでも遠野と血縁関係にある家が多い地域でしたが、
今後は文化交流もいっそう盛んになるのではないかと感じた共演会でした。