「遠野」なんだり・かんだり

遠野の歴史・民俗を中心に「書きたい時に書きたいままを気ままに」のはずが、「あればり・こればり」

第八回遠野市郷土芸能共演会後編

2017-11-28 23:04:46 | 郷土芸能

物持ちが良い私ですが、8月下旬から出ているジンマシンも寒くなってきたせいか

ここ数日、少しだけ落ち着いているように感じます。

そのせいか気分も若干上向きの今日は、本当に良い日でした!

何が良かったかって、最近ブログの更新が滞っているksuzさんがひょっこり現れ、本業の必需品を頂き、

夕ご飯時には姫猫さんから、大好きな伊勢名物のお土産

暦通りの「友引」でした!  こんな事なら、いっそのこと、宝くじも買えば良かった・・・笑

さて、気分がいいところで、共演会後編です。

まずは、綾織しし踊りさん

パンフレットには、中宿の神成家の先祖が宮城県栗原市金成のしし踊りを導入したものだと言い伝えられている。

とありますが、この文章は昭和32年に綾織鹿子踊保存会が発行した「類家英一郎編 綾織しし踊り」に

掲載されている内容によるものだと思われます。

 

いつもの種ふくべさんが大汗をかいての熱演でした!

ところで綾織しし踊り成立には、もうひとつの説があります。

昭和29年発行上閉伊西部教育資料「郷土のすがた」には、

中宿の長助なる者が小友村の若い者(一定の金高を以て労働に服する者)になり、そこで習ってきて綾織に伝えたとも、

その反対に綾織にあったものを小友に伝えたとも云われているとあります。

 

太鼓系鹿踊の伝授方法と違い、近隣から教えられたと云いたくないのが遠野のしし踊りのようです。笑

 

今回、勝手に楽しみにしていたものが「中斉念仏剣舞」

しかし、パンフレットをよくよく見ると「中斎百姓踊り」とあり、勘違いでした。汗

話によるとその念仏剣舞は中断というよりは、廃絶のようです。

 

何年か前にも見たのですが、演じる内容以上にやっている人達が味わい深く、

 

どんな小技を披露してくれるのかと、惹きつけられます。笑

 

最後は全員で音頭に合わせて踊ってくれましたが、これで会場の硬さがほぐれた感じでした。

 

そして、飯豊神楽さん

 

岩戸開き

 

素直に、今まで見た中では、一番良いと感じました!

演じる側の気持ちは変わらずとも、見る側の気持ちひとつで変わるものなのかもしれません。

 

とらねこさんの代わりに、撮らせて頂きました!汗

 

もう一演目は、八幡舞

 

男女ペアの八幡舞は、初めて見ました!

 

トリは、行山流湧水鹿踊さん

 

鉄砲踊り

市内の幕踊り系しし踊りには無い演目だと思われます。

 

鉄砲の音に驚き、死んだふりをする鹿たち、猟師は仕留められないまま弾切れ。

鹿は仲間が生きているか確認して歩き、皆無事であることを喜び子供たちと戯れるという内容のようです。

流石に湧水さん、今回も良いモノを観させて頂きました!

 

ところで、

今回の共演会では、出会いもありました!

遠野のブロガーさん達にもお馴染みになった、盛岡のまっとさんとKさんがこの日もお出でになりましたが、

そのつながりで、八戸から三名の方が・・・

二人の男性は、「えんぶり」に縁ある郷土芸能を青森県から福島県まで観て歩く強者。

残りの一人は女性で、とらねこさんを知っているというブロガーさん。

流石に遠野を代表するとらねこさん、隅には置けませんねえ~!

 

 

 


第八回遠野市郷土芸能共演会前編

2017-11-26 21:32:48 | 郷土芸能

今年も残すところ、ひと月余りとなりますが、その間にやらなければならないことが山のように・・・

一人で、総務に、経理に、実務に、渉外にと、スケジュールどおりに動かないと年が越せません。

そのスケジュールに基づいて、本日の日中は、こちらへ出撃! 汗

 

なんだ余裕があるじゃないか!と思われるかもしれませんが、

ここで一息ついておかないと30日は持ちません。笑

 

今年は8団体参加で、トップは鱒沢神楽さん

 

鳥舞

 

公式には今年最後の舞?

年明け後は、1月の神楽共演会が最初でしょう。

 

次に、鷹鳥屋獅子踊りさん

演目は「一庭(ひとにわ)」

実際に個人宅で踊る際の一通りの構成になっているようでした。

踊りには関係ありませんが、よく見ると、皆さん眼鏡をかけているんですね~!笑

 

神社例祭では、水を得た魚? 酒を得た種ふくべ?といった感じで活き活きして見えますが、

燃料切れのようでした。汗

 

小友町のしし踊りに付き物の「投げ草」

私のところも同じようなことが云えるのですが、今回気になったのは笛の音程のずれ。

お祭りなどの野外では目立ちませんが、ステージでは気になります。

 

山口さんさ踊りさん

 

今回は少数での参加でした。

 

前半最後は、上宮守神楽さん

先日、某所で、おだまき?を演じたようなので、期待していましたが、

 

プログラムどおりの三番叟

 

ではなく、いわゆる真似三番叟だと思いますが、

市内同系の山伏神楽のものとも違っているようです。

 

御神体と思われるものに礼をして、会場内のお客さんに御札を配りました。

大迫早池峰系神楽を演じる会場では、よくお見かけするハンチング帽がお似合いの方から

御札のお裾分けをして頂いたのが最初の写真ものです。

 

御神体がきっかけかどうか、わかりませんが、外国からお見えのご家族の姿が、この後、消えていました。笑

 

と、云う事で、速報気味に前編の終わりです。

ところで、

盛岡でY寿司という居酒屋メニューのある店を営んでいる同級生がおりますが、

今月初旬に入院したとの一報が飛び込んできました。

一日も早い、復帰を願っております。

 


2017 青笹しし踊り納め

2017-11-23 23:11:13 | 郷土芸能

日曜日の板沢しし踊りさんの踊り納めが雪ならば、今日の青笹しし踊りさんの納めは・・・曇り時々雨

 

昨日、青笹しし踊り保存会の同級生会員達に今日のスケジュールを確認しようとTELしたところ、

確実にわかっているだろう婿殿は、音信不通

つながるか不安だった社長には、すんなりつながり

無事本日を迎えたわけですが、この二人のみならず、他二名の「えどす」連中の顔も見えず・・・オイオイ

 

恒例により、踊り納めの最初に青笹しし踊りの祖の一人「踊り嘉兵エ」の墓前にて踊り披露

 

今年は先に花を供え、各自お参りしてからの踊りとなりました。

例年は、墓前のししに花を持たせ、後、線香を手向け、手を合わせ、また踊るというスタイルだったと思います。

 

踊り嘉兵エの墓参りの後は、中沢の六神石神社へ今年最後の踊り奉納へ向かいました。

毎年、順番を決めて町内の各神社等で踊り納めるのが近年の青笹スタイルです。

 

拝殿前でひと踊り後、廻りを三周しますが、今年も!寒いので、省略するか一周で止めるかという話が

踊る前にありましたが、いつも通りにということで・・・笑

 

踊り嘉兵エ 戒名「霜伯道性禅定門」

禅定門は戒名に付けられる位を表し、居士と信士の間に位置するようで、

霜伯道性・・・生まれた頃から無くなるまで一芸に秀でた人物とでも解釈できそうな名前です。

現青笹しし踊り統合前のひとつ、糠前しし踊りでは大正末期まで笠揃えの際に

嘉兵エの墓に参拝していたということですが、戦中辺りには、それも廃れていたとのこと。

ちなみに笠揃えの時に石碑に参拝するのは、鱒沢しし踊りさんも同様だったようです。

(鱒沢さんが行なう実際の姿は確認していませんが)

 

現保存会組織にしてからは町内あげてのしし踊りという気がしますが、

青笹町には伝承芸能として、もうひとつ六角牛神楽があり、

遠野まつり・遠野郷八幡宮例大祭の時だけしか観る機会が無いのが気がかりです。

 

この神社に来る途中、地元だという年配のご夫婦が歩いていたので、ぽんこつカーに積載し、(笑)

神社まで来ましたが、踊り納めがあるのに、観る人がいないと寂しいだろうからと云いつつも、

楽しみにしていたようでした!

 

社務所前での最後の踊り

お祭りと違って、見物客が大勢いるわけではありませんが、いつもどおりにやってくれる青笹しし踊りさん

 

私にしてみれば、同級生達が誰一人も参加していないのが許せませんが! 笑

もしかして、夜の納会だけには、参加していたりして・・・

 

いつものように柱がかり

 

仕事で参加できない人が多い中、その仕事を休んでの参加

勤労感謝の日も、今は昔 のようです。

 

納めの日が同じだった板沢しし踊りさんも、勤労感謝の日に休めない人が多くなり、

その日程を変えたのですが、青笹さんも同じように変え、これまた、同じ日になると

私には不都合になるわけでして・・・・汗

 

できれば、違う日になるように調整して頂ければ幸いです。笑

こうして、屋外での今年最後のシシ踊りは見納めとなりました。

「屋外での」というのが味噌で、今度の日曜は宮守ホールで遠野市郷土芸能共演会となります。笑

詳細は遠野市観光協会さんのHPでご確認ください。

 


2017 板沢しし踊り納め

2017-11-19 19:43:13 | 郷土芸能

とうとう、やってきやがりました!雪です・・・

 

例年、勤労感謝の日に開催していた上郷町板沢しし踊りの踊り納めですが、

何年前かは定かでありませんが、その周辺の日曜日に変えているようで、それが今日でした。

 

以前は、板沢しし踊りの元祖田五助家の前庭で奉納の踊りをした後、ししの館にて、

来賓を前に最後の踊りをして、ご苦労会

という手順でしたが、今日は、お昼から保存会・来賓一緒にご苦労会をして、最後に踊り納め

 

午前中、時間確認をしに足を運び、踊りは2時頃になるということで、再度、お邪魔しましたが、

始まる辺りから、ご覧のような雪・・・

 

板沢しし踊りを拙ブログに掲載してちょうど10年。

2009年から何度か踊り納めを見に行ってますが、その年の納めの日にも雪があったことを思い出しました。

 

寒いのでお客さんも外には出て来ません。笑

 

この日は、ししも手踊りも子供たち中心でしたが、大人たちは、きっと飲み方中心だったのかもしれません。

 

恒例によりまして、御花の披露

 

御礼の投げ草

 

ししの前幕を引きづるのでは?と思うような中学生?も、しし頭を被っていました。

太鼓系では、ささらと呼ばれ、幕踊り系では腰差しと呼ぶ幣束風の紙が付いたものが2本左側に見えますが、

竹が少ない南部領では、長さも材質も異なるのに、いずれにしても2本共通なのは、なぜなんでしょう?

 

手袋をせず、カメラを持つ手が凍えましたが、御花披露の時から、涙の出ていた女の子

頑張って踊り通しました。

 

雪の降る中での今年の踊り納め

これもまた、記憶に残る日になりそうです。

 

保育園児もお手製のしし頭を被って・・・

 

終わる頃には、雪も小降りとなりました。

(今、現在は、元気に降っていますが)

 

最後に記念撮影

私も一枚撮らせて頂きましたが、おそらく、こういう日は、スマホ?タブレット?の方がきれいかも 笑

 

ところで、FMで、IBC岩手放送のラジオが聞けることを御存知ですか?

今までは菊池雪見アナの出身地でありながら、IBCラジオの難視聴地域で、

私はPCからradikoで放送を聞いています。

今日は、その雪見アナが遠野FM開局記念特別放送を遠野市役所で行うということを耳して、

お昼少し前に行ってみました。・・・・が既に番組終了 涙

後片付けが始まったばかりだったようで、ちょうど雪見アナがいたので、しばし、立ち話をさせて頂きました!

側にきれいな女性がいて、女子アナかもしれないと思い、かなり気になりましたが、

持って行ったカメラは役に立たず、一枚一緒にとは云えませんでした。笑

 

 

 

 

 


2017 石鳩岡神楽交流会 其の四

2017-11-16 15:58:47 | 郷土芸能

明日の夜には雪になりそうな予報ですが、これから雨や雪マークを繰り返しつつ、本格的な冬になるのでしょう・・・涙

さて、交流会話題も今回が最後です。

 

予定では、平倉神楽さんの悪神退治の後は、下舞い・祈祷権現舞のようでしたが、

時間がまだあるということで、急遽?もうひと演目追加となりました。

 

今回のホスト役、綾内神楽さんの注連切舞(しめきり)です。

 

演目名から想像できるとおり注連縄を切る所作をイメージしたものと思われますが、

岳神楽では注連縄は斬らず、大償神楽では実際に斬るようです。

 

などと書きながら、まだ、前段の写真ですが・・・笑

注連切舞はスピード感溢れる荒々しい舞ですが、各シーンで動きがピタリと止まる瞬間があり、

神楽を良くわかっている人達は、そこで掛け声と共に拍手を送ります。

 

私の場合、その瞬間がわかっていても、拍手する動作をするまでに若干時間がかかるので、

遅れてしまいます。これが手遅れというのかもしれません。笑

 

冗談はさておき、遠野の飯豊神楽でも注連切を演じ、大償と同様にしめ縄を斬ります。

飯豊の説明では、人間界と神域との境を取り払うということなので、これもまた大償と一緒。

 

古くから山伏たちによって伝えられたであろう神楽

団体によって、其々の舞に違いが生じつつ、ひとつの味わいとして定着しているのでしょうが、

 

石鳩岡さんのように、所作に違いが生じないよう弟子神楽との交流をもつことも、

また大切なことだと私も思っています。

 

おおよそ15分間、ほとんど休みなく動き廻って注連切が終わり、

 

綾内神楽さんの下舞い

 

我が家の長女と同い年で、次女と同じ名前の女性です。笑

 

最後に、三団体揃っての祈祷権現舞

 

並ぶ時に、綾内さんが端の列に移動しようとしましたが、師匠神楽である石鳩岡さんが、

いいから真ん中で!と、いうようなしぐさをして順番成立

舞うだけでなく、この辺の気配りも子弟の良い関係を感じさせられるシーンでした。

 

思わず、私も御祈祷してもらおうかと思いましたが、記録係に徹して、終わりとなりました。

 

みちのく民俗村にあるカヤ葺き屋根の建物には、差しガヤ作業中の建物があり、

また、既にプロに依頼しなければ修復できないものもありで、

お聞きしたところでは、なかなか予算の目処が立たないということでした。

伝承芸能・郷土芸能もまた、これと同じで、内部で伝承できている内は良いのですが、

他団体から教えを乞う状況になると、手弁当だけという訳にもいかなくなるものです。

お互い様の関係を築いていくことが大事なのかもしれません。