「遠野」なんだり・かんだり

遠野の歴史・民俗を中心に「書きたい時に書きたいままを気ままに」のはずが、「あればり・こればり」

上綾織 愛宕神社例祭

2019-08-28 11:59:49 | 郷土芸能

綾織町の上綾織と下綾織の境、国道396号線沿いに鳥居の見える愛宕神社、

山口愛宕神社と勝手に呼んでいましたが、地図上では山口ではなく大沢になるようです。

昭和7年の綾織村郷土誌には、次のようにある。

祭日旧7月14日 石階段百余段その中間に鳥居あり、上りつむる処に神楽殿あり、更に上りて本殿あり。

南面して松樹の間より綾織平野を望む。祭典には神楽、獅子踊等を奉納し参拝者多し。

本社の創建は明らかならざれども、近村火災多く人家山野共に焼くること多し。

ここに至り里人相協りて寛治年間火災の見張所を置けり、その後一柱を建立して、

瀬織津姫を祭る、これ本社の始めなり。

 

ジンギスカンマラソン開催の8月25日(日)がその例祭でした。

午後1時少し前、神社登り口の国道には左右から神楽衣装の方々が合流。

左からやってきたのは山口神楽さん、右が石上神楽さん

綾織町の神楽は石上神楽だけだとお思いの方が多いでしょうが、実は山口神楽もあります。

いつから始まったのか全く不明ですが、神楽面等の諸道具が相当数残されており、

断絶状態だったものを地元石上神楽さんを師匠として、復活したものです。

現在は両方が一緒に活動しています。

 

山口中央公民館、かつての山口分校から行列のスタート

 

昭和30年奉納の鳥居から上り始め

 

坂道を上り、

 

神社紹介文にある鳥居をくぐり、

 

さらに神楽殿をくぐって、やっと拝殿となり、三周

 

続けて拝殿内にて神事

 

毎年同じような場所で、しばしの休憩後、芸能奉納

 

石上・山口神楽さんの下舞い

 

鳴りものが石上神楽さんで権現様を操るのは山口神楽さん

 

次は山口太神楽さん

 

現在市内に残るの大神楽は5団体

 

最後に綾織しし踊りさん

8月4日の石上神社例祭、そして11日の遠野ふるさと村に続き今月3回目

 

9月8日(日)の綾織駒形神社例祭を経て、遠野まつりに参加となるようです。

短期間でこれだけの回数をこなすのは容易ではないことでしょう。

 

行列に参加する地元の方々も、その辺の事情はわかっているので、やさしく見守ります。

 

芸能奉納が終わると、例祭終了

子供たちは休まず下を目指しますが、おじさん達は途中三度ほど上を見上げながらとなります。笑

 


2019 湧水神楽 in 遠野座

2019-08-27 11:41:23 | 郷土芸能

遠野市内にある神社例祭重複デー24日(土)の締めは遠野座夜神楽。

遠野座での今年最後の夜神楽です。

 

この日は11時から蔵の道広場で遠野ホップ収穫祭があり、夜7時過ぎも大勢の人で賑わっていました。

遠野まつり(9月21、22日)にも、これだけの人数とは云いませんが、「席ふさぎ」に来て頂ければと思う次第です。

 

遠野座夜神楽の今年最後は宮守町達曽部の湧水(わくみず)神楽さん

昭和7年に炭焼きに来ていた大迫町外川目は合石の人から習った神楽と云う事です。

 

この日は、先にも記したとおり道路向かいではホップ収穫祭で、

そばにあるホテルに宿泊されている多くはその関係者と云う事から、来場者が極端に少ないのでは?

と、かなり心配しましたが、ほどほどのお客さんで、ホッとしたところです。

 

演目は龍殿の舞

開演時間前に部分的な確認をしていたようなのでバッチリでした!

 

舞い終わってホッとした表情のまま、太鼓に移り、

 

舞台は三番叟

 

久しぶりに男性による本格派の三番叟を見た気がします。

 

流れるような舞ときれいなジャンプ、そして、キレのある動き

 

翌日はジンギスカンマラソンに参加されるとのことでした。

 

続いて、膳舞

 

この彼、高校2年生とのこと。

最初に出会った頃は小学生だったと思いますが、時が流れるのは早いものです。

そう云えば、外山神楽で胴を勤める彼に父親の生まれ歳を聞いたら、私と同じでビックリ!

時々愛妻が、私をじじい呼ばりすることに納得です。笑

 

何年も前から膳舞をやっているので、スムーズに回転していました。

 

下舞

 

最後に権現舞

 

来場者を舞台に上げ、胎内くぐりをして、後、頭をカミカミ

 

柄杓を噛みながら、清めて終了です。

 

9月15日(日)開催の達曽部八幡神社例祭では、この中の一部の人が神楽で、

その他が行山流湧水鹿踊として二団体に分かれての参加となります。

ちなみに同じ15日には遠野郷八幡宮にて11時頃から例大祭神事に合せ、役じし・役神楽の奉納です。

しし踊り3、4団体と遠野太神楽、八幡神楽ということになるのでしょうか?

また、9月初旬で残っているのは綾織町駒形神社例祭ですが、日程情報が入っていません。

さらには、遠野最大のお祭りとなる遠野まつりは9月21、22日

今年もお隣の大槌まつりと一部重なりますが、どちらにしても、近隣にいながら観たことが無いという皆さん、

ぜひ、一度、足を運んでみては如何でしょうか。

遠野まつり情報は遠野市観光協会HPイベント欄にてご確認ください。駐車場情報も、そのうちに出ると思います。

最後にもうひとつ、

仲町南部ばやしでは、山車を押す人、踊り子、小鼓を募集中とのこと。

9月9日(月)夜7時から蔵の道広場で練習が始まるようです。

少子高齢化はもちろんのこと、震災関係での学生ボランティアも終わり、地域内だけでは成立しないのが現状です。

 

 

 

 

 

 

 


2019 小友まつり・巌龍神社例祭

2019-08-26 12:05:42 | 郷土芸能

8月24日(土)は市内にある神社の例祭重複デー

午前中は附馬牛町菅原神社で午後は小友町という方々もいたようです。

私はと云うと、上宮守愛宕神社からの移動となりました。笑

 

到着早々に感じたのは、人が少ない!ということ。

例年、お昼時間には境内で飲食をする企業があり、町の通りには少なくても屋台が5、6店並びます。

毎回、昼食用に買っていた広島風お好み焼きの店もありませんでした。

頑張っていたのは中央大学の学生さんたち。

 

渡御に附属する郷土芸能各団体は神社へ奉納を済ませ、出発を待ちます。

鷹鳥屋神楽さんでは集落の若者たちが揃って参加しており、おぢさん感激です!

 

午後1時頃、神事終了後、神輿渡御となりますが、今年は午前中に神事を済ませたようで、

関係者が揃うと、行列のスタート。不動橋を渡ります。

 

かつては通り周辺の若者たちによって担がれたであろう御神輿

今は小友町の建築業関係者が担い、神楽、しし踊り、南部ばやし、手踊り等が続きます。

 

行列の進み具合に応じて、途中ひと踊りする団体もあり、通りの南はずれ上宿橋を渡り、

後、神社へ戻ってきて渡御の終了。

 

戻ってきた拝殿内では神事となり、外山神楽さんが権現舞

 

外では獅子踊りが奉納されますが、見物人の多くは、メインストリートをうろついていることでしょう。

御神輿を担いだ方々は、その後、人目を避けて拝殿脇にてジンギスカンで一杯

これがお祭り唯一の楽しみのようです。笑

 

それでは渡御の中からと云う事で、小友町女性の会の手踊り

昔はそうだったと聞いていたように、今年はこの家の2階も解放され、見目麗しい方々が見物していました。

かつては、溢れるほどの見物人が来て、通りの家々では料理を作り、一般の方々にも飲食させたといいます。

それだけ人口があり、商売も成り立っていたのでしょう。

 

小友町の南部ばやし

今年も笛を再確認したところ、明笛は明笛でも仲町が現在メインにしている製作者とは別の笛も使っていました。

製作者(メーカー)が違うと音程も違っているはずですが・・・余計な話でした。汗

 

渡御が終わった後は、門掛け(門打ち)

毎年行っている家々を迷うことなく訪問します。笑

 

本部席前では各団体共、長めに演じます。

こちらは外山神楽さん、おじさんと甥っ子のコンビが目を惹きました。

 

権現舞の後はお客さんの頭をカミカミ

後半辺りに市の幹部の方がお出でになりましたが、今年の集客状況をどう感じられたでしょう?

 

 

長野獅子踊りさん

 

この日、女性の太夫(太鼓)が参加していました。

ユーチューブか何かで事前練習をしてきたようで、ほとんど一発参加。恐れ入りました。

恐れ入ったと云えば、お客さん中には、八戸のあちゃこちゃばやばやさん、お馴染み茨城の海東さん、

千葉のニコンさん、東京のD門さんの姿もありました。

少しは楽しんで頂けたのなら幸いです。

 

鷹鳥屋神楽さん

神楽道具焼失後、数年。来年は本部席前で一演目できるように道具等が揃えられたら、いいですね!

 

山谷獅子踊りさん

 

ここはいつもどおりに集落のチーム力を結集しての参加でした。

 

気になったのが鷹鳥屋獅子踊りさん

しし頭を被っていたのは子供たちメインで、種ふくべの姿もありません。

仕事の都合がつかなかったのかもしれませんが、今年になって各しし踊り団体から聞こえるのは、

ししを被る人出が足りない!

何回かの練習だけで踊れるものではないので難しいところだが、何とかしなければ・・・。

以前は神楽の存続自体が難しいと聞くことが多かった遠野の芸能、全体的に難しい状況にあるようです。

 

御花を出した際、神楽では権現様にカミカミして頂き、小友のしし踊りではこの投げ草をして頂くのが、

ありがたくも、うれしくもあるようです。

 

最後に今年のゲストは宮守町下郷さんさ踊りさん

遠野まつりに参加するようになって市内での知名度はアップしてきていますが、

遠野まつりを観ない人には新鮮に映ったようです。9月後半開催の宮守町砥森神社例祭がメイン。

 

来週はもう9月、残る町・集落単位のお祭りを経て、遠野まつり。

9月二週目辺りには各郷土芸能団体が本格的に始動し、仕事どころでは無くなって来る人も・・・。

多少のことは多めに見て頂き、頑張ってお祭りに出るよう後押しして頂ければ幸いです。笑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2019 宮守観音・愛宕神社例祭とジンギスカンマラソン

2019-08-25 12:07:19 | 郷土芸能

8月最後の日曜は遠野ジンギスカンマラソン。第37回になるようです。

 

誰か知っている人が出場していないかとカメラを向けていると、ランナー兼神楽女子が通過

 

遠高サッカー部OB

 

ブラバンOBが通過していきました!笑

 

さて、話題は、昨日の宮守観音・愛宕神社例祭へ

 

地元では月見観音と呼ばれる遠野七観音の五番目「宮守観音」、現在は愛宕神社。

9時過ぎ、境内に到着すると、例年どおり参加する芸能団体が集まっていました。

 

ここのお祭りは境内に見物する人が集まるのではなく、地域を廻る御神輿に芸能もついて廻り歩き、

その一行が神社へ戻るまでが一連行事となります。

が、広い地域なので、車で移動です。笑

 

9時30分からの神事だと思っていたところ、10分前には打ち鳴らしが始まりました。

 

御神輿が軽トラに移されると、芸能奉納

上宮守神楽さん

 

上宮守大神楽さん

 

上宮守参差踊りさん

 

出発は一応、列をつくります。

ちなみに今年も山形のカメラマンWさんが終日、このお祭りに付いて廻ったようです。

Wさんは福島や岩手などで行われる小さなお祭りの郷土芸能を撮っている方。

 

最初の巡行地、上宮守大上

四本松にしめ縄の結界を作って待っていた地元の方々のお祓いから

 

神楽の奉納

 

大神楽

 

最後の参差踊り

この順番で移動して歩きます。(実際には車移動 笑)

 

 

この後、上宮守出張の西風そして下村

 

途中、段々田んぼ・畑仕事をしている人、御覧のように遠目でお祭りを見守る人などを見て、

 

さらに西之萩・沢村地域を巡ります。

家族で神楽に出ている人の家では、家に残る家族が渡御の一行が来るのを外で待っていました。

 

私の持ち時間最後は、いつものようにサンQふる郷市場

(サンQハウスだとばかり思っていました。笑)

この後、もうひと踊りしてお待ちかねのお昼になるようです。

 

上宮守大神楽さんの素直な笛の余韻を耳に残して、次のお祭りへ移動となりました。笑


2019 土淵まつり(倭文神社例祭)

2019-08-20 19:49:46 | 郷土芸能

お盆休みの最終日となる18日(日)の日中は土淵まつりでした。

土淵町五日市にある倭文(ひどり)神社の例祭にあたります。

倭文(地元では「しどり」と訛ります)神社は明治に付けた名称で、江戸時代には文殊堂。

拙ブログでは喜楽院という山伏の名前と併せて取り上げる神社ですが、

上閉伊西部教育資料「郷土のすがた」に掲載されている由緒は以下のとおりです。

五日市舘主 橘氏(北川家の祖)の守護神として文殊菩薩を勧請崇敬せるも慶長年間、事あって修験道場となり、

明治初年神仏分離するに及び倭文神社と改め・・・。

ここで初めて目にするのは北川氏の祖が橘氏であるという一文で、

現在、北川氏の墓石には本姓藤原氏である趣旨のことが記されており、くい違います。

また、他の資料では「橘」ではなく「立花」として、「立花縫」が五日市舘に居たとあります。

遠野では「橘」と「立花」では、相当意味が異なると思いますが、本当はどちら?笑

 

左が倭文神社の御神輿

 

という前置きをして、土淵まつりです。

11時過ぎに一度会場入りしたところ、お目当ての郷土芸能は1時からということで二度目の出撃。汗

スタートは東中学校ブラバンの演奏から。

この日もかなりの最高気温で、地元の方々は其々のテント下でしたが、それでも暑かった・・・。

 

土淵町に現在伝承されている郷土芸能は5団体

最初は飯豊神楽さん

 

八幡舞の裏舞となる四人八幡舞

この演目で他と異なるのは、八幡舞の後にいわゆる「くぐりっこ」があり、二演目がひとつになっていることです。

 

次に土淵しし踊りさん

後ろの麦わら帽子の方は、前の晩、この踊りの練習をした後、同級会へ行ったということで、

燃料補給もバッチリだったようです。笑

その彼と、その晩、私と一緒だった北海道のS君が顔見知りだったことには、超びっくり!

遠野は狭いですね~ 笑

 

三番目は野崎神楽さん

 

まずは子供たちの神楽(シンガク)

 

こちらも八幡舞。

野崎神楽さんも飯豊神楽さんも、遠野でいうところの山伏神楽ですが、

飯豊では弓矢を使用し、野崎では扇子を矢の代わりにします。

 

四番目は似田貝神楽さん

笛は飯豊神楽さんが兼務

 

御神楽(みかぐら)・・・鳥舞のことです。

 

この日一番の拍手をもらっていたのが、この女の子の三番叟

かなり練習している様子が見てとれました!

 

五番目 オオトリは山口さんさ踊りさん

御神輿に向って拝む所作の踊りから始まり、

 

数種類の踊りを披露していましたが、途中で踊りの名前を説明して頂けるとありがたいのですが。汗

 

とは云え、遠野まつりの華のひとつ

 

一足早く、見物させて頂きました!笑

 

 

お盆の終わり、平常に戻ったばかりではありますが、これからの遠野は、なんだり・かんだりが続きます。

8月24日(土) 

〇 附馬牛町菅原神社例祭 10時から午前中ぐらい? 張山しし踊りと大出早池峰神楽の奉納あり?

〇 宮守町上宮守の月見観音(遠野七観音)・愛宕神社例祭 9時半頃?から神事そして神輿渡御 

上宮守神楽、上宮守大神楽、上宮守参差踊りの奉納(神社に戻るのは夕方?)

〇小友町 小友まつり(巌龍神社例祭) 午後1時神輿渡御及び行列

小友町内の神楽、獅子踊り、南部ばやし等が出演 午後5時過ぎまで

〇遠野市中央通り とおの物語の館内、遠野座 夜神楽 午後7時から45分程度 湧水神楽

この他、蔵の道広場ではホップ収穫祭が11時から夜6時まで

 

8月25日(日)

〇 綾織町の愛宕神社例祭 綾織しし踊り、石上神楽の奉納があると思いますが、時間は不詳

〇 遠野ジンギスカンマラソン 午前中でしょうか?

また土曜と同じくホップ収穫祭と、SL銀河の運行もあります。

 

と、遠野市観光協会のHPに載ってありました!笑

(これだけイベントがあるのだから、ひとつぐらい地方新聞に載るんでしょうね!!)