「遠野」なんだり・かんだり

遠野の歴史・民俗を中心に「書きたい時に書きたいままを気ままに」のはずが、「あればり・こればり」

四十九日と二百十日

2020-07-29 15:28:51 | 民俗

26日(日)は父方の伯母の四十九日の法要、同じ日に、やはり父のいとこの葬儀。

どちらも父方で、重なりました。

 

伯母は遠野物語に出てくる家の別家出身、父方祖父の兄は遠野物語拾遺にずばり出てきます。

このような環境が現在の私を創ったのでしょう。笑

 

朝8時過ぎ、お寺さんに行く前に亡き伯母宅へ

8月のお盆に建てる灯篭木の準備が進められていました。

 

9時過ぎ、両親実家の菩提寺到着 遠野南部重臣沢里氏開基のお寺さん

 

新型コロナ対策でマスク着用、距離を保っての法要

 

その後、お墓へ移動

 

皆さん線香を持って順番待ち

この間に例によって家紋調べをしてみましたが、地域性のある苗字が多いのが特徴で、

家紋は、ほぼ同姓同家紋。

ただ、これまで我が家と漢字も同じ苗字は、大本家と本家だけだと思っていたところ、

他に3軒あり、親戚ではありません。字名が違う地域の方かも。 笑

 

法要終了後の会食会場へ向かう途中、かっぱ渕側の道路から見えたのが、これ。

思わず、寄り道です。笑

虫祭り 今年も二百十日が近いようです。

 

藁の巻き付いた棒の先には男女のこれ。

男性のこれの下半身には、昔は、あれが付けられていたようですが、今は昔です。

 

会場では単品ずつの皿ではなく、お弁当形式 これも新型コロナ対策とのこと。

四方山話をしながら、お昼が過ぎ、皆さんと別れて別会場の葬儀へ移動。

そこで、前回話途中となった松田さん

百専右衛門関連で専右衛門母方の松田氏の系統を探しているのですが、

なかなか手掛かりを得ずで、お寺廻りのこの頃。

葬儀でお会いした松田さん、遠野南部家臣の家だということはわかっており、

話を聞いてびっくり!残念ながら百家の親戚とは異なるようですが。

八戸から来た松田氏とのことで、「そら来た!」 と。笑

 

路傍の石に石塔の多きこと諸国その比を知らず。

嘘か真か、遠野には八戸から来たとの言い伝えの家が多いんです。

時々愛妻家もそうですが。笑

お寺さんはどちらですか?とお聞きすると、「大慈寺です。」

家紋は?「片喰(かたばみ)です。」

江戸時代の先祖で知っているお名前は?「真助です。」

あそこの辺りに屋敷があったあの真助ですか?「そうです!」

ここまで聞いて、私の勘ピューターは全開!

遠野八戸弥六郎御支配帳に出てくる松田氏の中の一系統

隆、隆之助、眞助、久馬、久蔵につながる雅楽之丞の系統だと確信。

雅楽は八戸根城時代からの家臣で、遠野に知行地替えの際、一緒に来ています。

聞きそびれたのは、江戸時代、造り酒屋商売をしていたという伝承はないか?と。

ちなみに「遠野南部家御用留書天保年間」には、御城使松田眞助が出ており、

百専右衛門関連では百の息子権左衛門、百の父方の高橋儀左衛門が出ています。

 

明治になった時、各藩の家臣は現在の退職金のようなものを受け取ったようですが、

盛岡藩重臣八戸弥六郎の家臣は、藩直接の家臣ではない陪臣ということで、

雀の涙だったと。

遠野南部家が禄を離れる記念に家臣には家紋入りの品物を、同心衆には看板羽織を

下げ渡したといいます。看板羽織は盛岡藩の参勤交代に随行する遠野南部家臣が着る羽織で、

中には、その拝領羽織にある南部変わり花菱紋の一部を変えて自分の家紋にしたとのこと。

いずれにしても、禄を失った家臣の多くは想像できないほどの激動の時代へと向かいます。


2020 大出早池峰神楽 in 遠野座

2020-07-27 18:08:43 | 郷土芸能

書いていたとおり、昨日は黒いネクタイデー

午後出席した葬儀・法要では、始まる前にお話しさせて頂いた松田さん

百専右衛門系松田氏ではないようですが、知りたかった系統の家だとわかりました。

この話題は後日として、本日は土曜日の遠野座です。

 

7時30分過ぎにお通夜が終わり、会食が無いことから、

すぐネクタイをはずし、カメラを持って遠野座へ!あなたも好きね~!

 

今回の連休は三日続けて、早池峰神楽系となり、今回は大出早池峰神楽さん

 

岩戸開きの舞です

 

大出さんらしいゆっくりしたテンポでの天思兼尊(あまのおもいかねのみこと

と読むのでしょうか?)の舞

この方が、岩戸に隠れた天照大神が外に出てくるように知恵をめぐらしたようです。

練習量がそのまま表れていると感じるすばらしい舞です。

 

思兼尊と多力男尊(たぢからおのみこと)が舞い終わると、

天照大神と鈿女尊(うづめのみこと)が登場します。

神話等では、鈿女尊が岩戸の舞で艶めかしく踊る様子を天照が岩戸の間から顔をだして

のぞいていたところを、多力男尊が引きずりだしたとも云われています。

 

大出では、天照は大日霊女尊(おおひるめのみこと)と記されて、

女性の神として扱っており、天照登場前に鈿女尊の舞は行なわないようです。

 

面倒くさい話は置いといて、面を外してくずし舞

 

四人中3人が女性でした

 

優雅な舞です

 

最後は思兼尊の一人舞 上手でした!

 

この日、三夜連続で見に来られていた親子と思われる女性お二人が同じ列に。

岩戸が終わった後、地元の方かと思い、話しかけると、なんと観光客。

楽しみにしての三泊とのこと。関係者に代わり感謝です!笑

 

岩戸開きが長い演目ということで、次はもう、下舞

 

いつもより長めだったような・・・

 

権現舞

この三連休の夜神楽では初日の平倉神楽さんは下舞・権現舞

小倉神楽さんは権現舞無し

 

関東方面からお出でになるお客さんは、獅子舞のイメージが強いらしく、

カッカ、カッカと歯打ちをする権現舞は興味深いようで、

 

今回は胎内くぐりと頭カミカミもセットでした!

これは、案外、観光客受けするのですが、行う団体とそうでないところがあり、

また時間の制約もあり、遭遇できた方はラッキーかもしれません。笑


2020 小倉神楽in遠野座 そして 遠野松田氏家紋

2020-07-25 16:28:28 | 郷土芸能

夕食後の昨晩も、また遠野座へ!笑

 

連休ということで遠野座夜神楽も明日までは連続になります。

が、明日は7時からお通夜に出席のため、お休みです。

昨年同期のデータを見ると、お客さんの数は今年の倍以上になっており、

いかに新型コロナの影響を受けているのかがわかります。

 

大出早池峰神楽の弟子神楽となる附馬牛町の小倉神楽さんです。

この遠野座に通っていて、気が付くのは、其々の団体がその神楽を説明する時、

神楽は全国的には高千穂神楽や出雲神楽が有名ですが、遠野の神楽はそれらとは異なり、

山伏神楽の系統と云われています。と、そこまではいいのですが、

その中でも、神人神楽と云われる早池峰神楽と山伏から伝えられた山伏神楽の二通りあり、

と云う説明になると、大迫町の早池峰神楽系はどうなるの?となります。

一昨日、昨日と一組同じお客さんが来場されており、神人神楽と山伏神楽という説明だけでは、

大迫町と大出の早池峰神楽の違いの説明にはならず、そのお客さんは、どちらも早池峰神楽

だという説明だったのに全く異なるのはどうしてなの?という疑問を持ったことでしょう。

まあ、数回で違いがわかるはずがないと云えば、それまでですが。

 

鶏舞

 

小倉神楽さんは三人鶏舞を選ぶことが多いようです。

二人のところもあり、大出早池峰神楽さんのように四人をよく選ぶところも。

 

今年はあまり練習していないと話していましたが、どうだったでしょうか?

 

次は翁舞

 

女性が演じています。後半、ちょっとしたトラブル発生

お客さんは、そういうものだと思って見たと思います。

今年は都合のつく人数が少なかったせいか、もう一演目あっても・・・

と欲張りな笛吹です。笑

さて、

話題はガラリと変わり、春から追いかけている百専右衛門関係で、

専右衛門の母方松田氏について、例により家紋調べです。汗

 

左は剣花角紋 右は抱茗荷紋

どちらも附馬牛の松田さん

 

左は剣花菱紋 右は蔦紋

剣花菱紋は瑞応院、綾織長松寺、上鱒沢霊園にあり、

蔦紋は対泉院、大慈寺、万福寺、鷹鳥屋公葬地、小友町常楽寺隣公葬地に、

 

左は二階松紋  右は三柏紋

二階松紋は土淵町柏崎の公葬地、三柏紋は大慈寺、対泉院、小友常楽寺隣公葬地に、

 

左は剣片喰紋 右は片喰紋

剣片喰紋は対泉院に、片喰紋は大慈寺に

 

左は三引両紋 右は二引両紋

三引両紋は大慈寺、常楽寺隣公葬地、綾織長松寺に、二引両紋は常楽寺隣公葬地に、

 

左は木瓜紋 右は橘紋

木瓜紋は鷹鳥屋公葬地、常楽寺隣公葬地、万福寺に

橘紋は常楽寺隣公葬地

 

左は笹竜胆紋 右は四方木瓜紋

どちらも常楽寺公葬地

松田さんの家紋だけも、遠野市内には14種類もあるようです。

電話帳調べで市内の松田さんは117軒、10軒以上まとまっているのは小友、綾織、白岩

特にも小友町は高橋さん同様に出所の異なりそうな松田さんが多そうですが、

それを?と思う私のほうが?なのかもしれません。笑


2020 平倉神楽in遠野座

2020-07-24 14:53:56 | 郷土芸能

昨年5月連休の遠野座夜神楽、その時のブログの出だしは黒いネクタイでした。

今年は新型コロナで、公演無しの状態になっていたところ、ついに、再開!

ところが、またまた週末は黒いネクタイ、それも同じ日にダブルです。

代参という訳にもいかないので、午前中は法事、お昼から葬儀・法要。

今年は、本当に続いています。涙!

と、云うことで、再開初日だけはと思い、昨晩は遠野座へ

 

当番は遠野市上郷町の平倉神楽さん

開演前の雑談によると、今年は1月の神楽共演会の他に2回出演しただけとのこと。

地方の民俗芸能は、どうなってしまうのでしょう?

 

午後8時、マスク着用で、手は消毒、座席は半分以下にセットされた会場でスタート

 

天女の舞

 

明日は祇園の祭りごと、いささら出て遊ぶなり~

 

先週の大出早池峰神楽さんに続いて今月2回目の神楽

それでも、かなり久しぶりといった感じです。笑

 

お客さんのほとんどが観光客ということで、演目が始まる前に、

会長さんが平倉神楽の概要を説明し、それから開演。

 

二演目目は天降りの舞

「あめふり」ではなく「あまくだり」、新型コロナも大雨も、もう沢山ですね!

 

天照大神から日本を治めるように云われた瓊瓊杵命(ににぎのみこと)が

3人の命(みこと)を共に高千穂に降臨し、この一行をお迎えしたのが、

鼻の長い天狗、猿田彦(さるたひこ)命

 

神社の例祭で、行列の先頭を歩くのが、この方、その理由がここにあります。

良かったら気を付けて見て下さいね!

と書いても、今年はお祭り中止のところが多いのでしょうね~涙

 

先ほどの三人をお迎え

やあやあ、よく来てくれましたね~ ここからは私が先導します。

なんて、言っているのかもしれません。笑

 

後半は面を外して、くずし舞

 

平倉さん、欠かさず練習はしているそうですが、出番の決まっていない中では、

張り合いがないとのこと。

 

お疲れさまでした!

 

下舞

 

権現舞

通常であれば、ここでお客さんを舞台に上げ、体内くぐりをした後に、

頭をカミカミして頂くのですが、

 

行わずに終了です。

遠野座夜神楽、来月まで数回予定しているようです。


2020 大出早池峯神社例祭

2020-07-20 08:14:10 | 民俗

事前情報では神楽・しし踊りの奉納は無い7月18日の大出早池峯神社例祭、

前日の宵宮等で氏子の方々から聞いた話を総合しても、無い雰囲気。

しかし、私の感じ方は別でした。

 

例祭神事の始まる2時間も前に家を出て、神社へ向かう途中にある

遠野三山(早池峰・六角牛・石上)に三人の姉妹が分かれた神遣神社を参拝。

その右側に石碑があり、大出と小出の世話人として松原と森と記されています。

この地域に松原さんも森さんも居ないので、?と感じていましたが、

某資料にて、屋号だと確信しました。ただそれだけのことですが。笑

先に進みます。

 

神事始まり1時間と少し前、神社到着。例年と異なり参拝者は数えるほど

 

やはり神事だけなのか?・・・

 

そうこうしている内に、氏子の皆さんが集まり始め、神楽の皆さんも。

前日に得た私の勘とは、疫病退散祈願の神楽を奉納したとは云え、

余力はまだまだあるはずで、参拝客もまばらな様子であれば、三密も無し。

少なくても、下舞は行われる! それが私の勘。

もしや柄杓で水を汲むこの子は、座敷童子ちゃんか?笑

 

ご案内を頂いている方も今年は少なかったようで、10時半前には神事。

この待ち時間に新たな情報入手!

御神輿渡御は当然無いだろうことは境内の準備状況を見てもわかりましたが、

なんと渡御同様に川には行くとのこと。

 

今年は神様を箱に入れ、行列はいつも通りに、但し、しし踊りは無し

 

地元の子供たちも一緒に神楽(しんがく)

遠野まつり中止の為、この例祭で卒業前最後の郷土芸能になる子もいたかもしれません。

 

例年どおりに境内社の駒形さんに寄り、

 

川へ向かいます。

現在50代の方々の時代までは猿ケ石川でなく、この右側の祓い川に行っていたそうです。

川岸と通路が崩れたりして、現在のスタイルになったとのこと。

 

神様が移された箱を川原の草を水に濡らして清めています。

あちら側から、こちらの橋を眺めた時に人がいないと寂しいので、見物人に。笑

 

還御

 

この方の他、地域外からいらした年配の夫婦が行列の帰りを待っていて、

権現様に頭をカミカミして頂いていました。勿論、私も。笑

 

神社へ戻ると例年どおりに三周

 

途中、神楽(しんがく)

 

神様が本殿に御帰りになると

 

子供たちも揃って納めの神楽(しんがく)

 

そして、大人の下舞

 

最後は権現舞でおひらきとなりました。

来年は、しし踊りも参加し、御神輿渡御も行われ、

盛大に餅撒きが行われることでしょう~!