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あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

余生、もういいかい 小椋佳コンサート

2022年04月10日 | slow culture

神戸国際会館、午後五時開演、小椋佳コンサートへ。
喧噪も若い熱気もなく、静かに並んでホールへと
エレベーターで向う列は、なんとまあ高齢者ばかり笑
ほぼ60代~80代の方々である。

“心は満ちて幕引きの時、SO-LONG GOOD-BYE”
とのリードコピー。“余生、もういいかい”
と銘打たれたファイナルコンサートツアー。
見納めになるかもしれないと思いチケットを取った。
しかしさすがに小椋佳さんも歳を重ねたなあ。
七十八歳だという。生前葬コンサートから
一周忌コンサートを経ての「もういいかい」
コンサートなのだそうだ。諧謔味のある自虐か?
でもあながちネタではないのだろうと思う。
足許も少し覚束ない様子であったし、以前比べて
やはり弱ったのか歌詞が聞き取りにくい。
しかしそれもOK。なんせオーディエンスも
同じ年代が多いのだから…共感するのである。

佳さんはこれまで三百人に曲を捧げてきたという。
想像していた以上にすごい数である。私と
彼との最初の出会いは高校三年生の時だった。
豆腐屋の同級生の家に遊びに行って初めて聴いた。
確かアルバム名は「彷徨」だったと記憶している。
その時聞いた「しおさいの詩」は正に青春の歌であった。
この日聞いても素晴らしい。やはり若い時に作った曲は
みずみずしくて勢いがある。一気にタイムスリップした。

本日の楽曲(一部抜粋)
・しおさいの詩
・俺たちの旅
・白い一日
・さらば青春
・愛燦燦
・愛しき日々
・山河
・夢芝居
・シクラメンのかほり etc…

来年一月までコンサートツアーだという。
正に骨身を削るパフォーマンスだと思う。
しかし改めて聴いてみて小椋佳は詩人だ。
平明でありながら言葉の感性が滴っている。
歌はメロディも勿論大事な要素であるが
歌はやはり詩だなあとつくづく思うのである。

人に恵まれ運に恵まれつくづくいい人生だったと
彼は何度も言っていた。やり残したことはもう
ないのであろう。おそらくこのコンサートも
ファンのために老体に鞭打ってやっているのだろう。
一ファンとしてはまだまだお元気で歌ってもらいたいが。
これで小椋佳は見納めとなるのは何とも寂しい。

■鑑賞記
小椋佳ファイナル・コンサート・ツアー
「余生、もういいかい」
2022年4月9日(土)17:00開演
神戸国際会館こくさいホール 1階8列にて
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